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March 26, 2011

2011年2月度、コンビニ売上速報、8.7%!

   依然として、東日本大震災の影響が様々な分野に及んでいるが、今月も月末となり、様々な統計データが公表されつつある。ただ、現在、公表される統計データは、この3月度ではなく、2月度のデータが中心であり、東日本大震災以前の数字が大半である。その中で、ここでは、(社)日本フランチャイズチェーン協会が3/22に公表した2011年2月度のコンビニエンスストアの売上速報を見てみたい。ちなみに、この3月度の数字は来月下旬に公表される予定であるが、「「東北地方太平洋沖地震」の影響によるコンビニエンスストア統計調査月報発表の延期のお知らせ」と題し、「(社)日本フランチャイズチェーン協会では、平成23年4月20日予定の「コンビニエンスストア統計調査月報(3月度)」の発表を延期することと致しました。」とのことで、延期となったとのことである。

   さて、2011年2月度の結果であるが、この数字は、同協会加盟のココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの10社の数字であり、ほぼ、日本全国のコンビニを網羅しているといえ、精度の高い数字といえよう。その結果であるが、全体は6,207.46億円(昨対8.7%)と、好調な数字である。コメントにも、「引き続き、たばこが金額ベースで前年を大きく上まわるほか、デザートや惣菜など日配食品も好調であった。」とのことで、値上げ後のたばこが金額ベースでは絶好調とのことである。当然、数量では減少していると思われるが、その減少分を補う価格の上昇があったということであり、たばこ業界にとっても、税金が入る政府にとっても、絶妙な価格設定であったといえよう。

   また、既存店も6.5%のプラスであるので、全体の8.7%のプラスは新店が押し上げたわけではなく、既存店の伸びによるところが大きいといえ、コンビニ業界は好調であるといえよう。では、その要因を店舗数、客数、客単価から見てみたい。まずは、店舗数であるが、1.7%増であり、43,636店舗、717店舗増である。この統計が10社の数字であるので、1社当たり、約70店舗強の増加であり、伸び率は低いといえよう。一方、全体の客数であるが、10億3,257.5万人、1店舗当たり845人であり、3.6%増である。したがって、店舗数の伸び以上に客数が伸びており、これが好調な要因のひとつである。この客数は、既存店に関しても、2.0%増であるので、既存店の活性化が進んでいるといえよう。

   さらに、客単価に関しては、さらに数字が伸びている。全体4.9%、既存店4.3%であり、客数よりも、客単価の方がさらに好調である。こう見ると、この2月度のコンビニは店舗数、客数、客単価のトリプル増であり、まさに、好調な結果といえる。しかも、既存店も客数、客単価ともに好調な数字であり、全体の好調さが既存店に支えられているといえ、理想的な売上増の善循環に入っているといえる。

  それゆえ、この3.11の東日本大震災はこれだけ、絶好調なコンビニに大きくブレーキをかけた結果となったといえ、コンビニ業界にとっては、厳しい試練であるといえよう。ただ、被災された方は、さらに厳しい生活を強いられており、コンビニ業界としては、いち早く被災地での被災店舗の復旧を目指し、ライフラインの一助になって欲しいところである。ちなみに、前回取り上げたブログでは、日経新聞の数字であるが、「セブン・イレブン・ジャパンであるが、1,454店舗を展開しており、震災直後は約600店舗が営業休止となっていたが、現在、約85%が復旧し、営業休止店舗は約90店舗」、「ローソンが911店舗展開の内約390店舗が被災し、約80%が復旧し、現在約80店舗が営業休止状況」、「ファミリーマートは585店舗展開の内、約250店舗が被災し、約75%が復旧し、現在約60店舗が営業休止の状況」であるという。復旧は順調に進んでいるといえよう。

   さて、一方、商品で見ると、この好調さはどこに要因があったかであるが、何といってもたばこを含む構成比34.6%の非食品であり、何と16.8%と異常な伸びである。コメントにもあったように、たばこの金額ベースでの増加が大きいといえよう。そして、もう1部門好調なのが、構成比33.2%のファストフードを含む日配食品であり、6.8%である。この2部門が特に好調であり、全体の売上を牽引したといえよう。ついで、構成比は4.3%と低いが2.6%のサービスであり、構成比27.9%の加工食品2.0%である。

   このように、この2月度のコンビニの売上げは好調であるといえ、特に、新店による売上増ではなく、既存店が底上げされているのが大きいといえる。客数、客単価ともに伸びており、しかも、たばこの絶妙な値上げバランスが寄与し、たばこの貢献度が極めて大きいといえる。また、たばこだけでなく、コンビニの主力部門、ファストフードを含む日配部門が好調である点も大きいといえよう。ただ、3月度は残念ながら、東日本大震災の影響が大きいと思われ、厳しい結果が予想されるが、まずは、被災店舗の復旧、これが何をおいても最優先課題であり、被災された方のためにも、1日も早い復旧を期待したいところである。

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