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March 23, 2011

東京中央卸売市場、3/11以降の入荷状況!

   東日本大震災が起こった3/11以降の東京中央卸売市場の野菜、果物、そして、水産物の入荷状況が明らかになった。東京中央卸売市場では毎週、週間市況として、入荷量と価格を前週比、前年同月比として公表しているが、2011年3月の第3週がちょうど、3/11から3/17までの1週間であり、まさに、3/11の状況が反映された市況となった。そこで、この市況をもとに、3/11の影響が東京都中央卸売市場、すなわち、首都圏にどのような影響があったのかを、ここでは、野菜に焦点を当て、見てみたい。

   その野菜の概況であるが、野菜が最も重要な市況であるので、野菜を中心に見てみると、まずは、「今週の1日の平均入荷量は、5,509トンで、前週比は5%減で前年同期比は1%減となった。今週は3月11日に東日本大震災が発生したため、12日の入荷は茨城・静岡・千葉の各県を中心に大幅に減少した。野菜の入荷は前週より減少し、前年比は寒波で前年も少なかったため微減となった。相場は停電や自粛ムードもあり外食産業も振るわず、葉物が高騰した他は今週もまちまちな相場となった。」とのことである。やはり、3/12の入荷は茨城、静岡、千葉の各県を中心に大幅に減少したとのことである。ただ、週間で見ると、前週比5%減、前年同期比1%減とのことであり、週間で見ると、左程大きな減少ではなく、すぐに、入荷が戻ったといえる。

   ついで、品目別であるが、少し長いが、そのままコメントを引用すると、「品目別に見ると、「だいこん」は引き続き神奈川・千葉県産順調だが入荷は多かった前週より減少した、価格は弱含み今後は平年を下回ることが予想される。「にんじん」は春物の徳島県産は遅れているが、前年比倍高の高価格から入荷促進され増加した、価格は今週も小幅上げた。「キャベツ」は各産地順調で入荷は多かった前週とほぼ同じで、価格は春系が買気もあり全般に強含んだ。「レタス」は茨城県産順調も西日本産がやや少なく入荷は減少した、価格は前4週続きの下げから小反発した。「ねぎ」は春物が本格化する前で埼玉県産は不作気味となっている、入荷はほぼ同じで品薄傾向変わらず価格は後半一段上げた。「ブロッコリー」は埼玉・愛知県産順調だが入荷は前週も量的には多かったため減少した、価格は前週に比べると堅調となったが平年比では安めとなっている。「きゅうり」は主力の関東産は晴天多く生育順調で、入荷は増加し価格は一段下げた。「トマト」は引き続き順調で入荷は増加し価格は小幅の上げ下げ。その他では、「さやえんどう」は各県産回復傾向で価格も平年並みに落ち着いてきている。「たけのこ」は国産が徐々に増えてきている、価格は自粛ムードもあり下げ足が早まっている。「アスパラガス」は国産が遅れて少なくなっている、価格は品薄高が続いていたが火を使うため敬遠され急落している。」とのことである。

   整理すると「だいこん」(入荷減、価格弱含み)、「にんじん」(入荷増、価格高)、「きゃべつ」(入荷同じ、価格強含み)、「レタス」(入荷減、価格小反発)、「ブロッコリー」(入荷減、価格安)、「きゅうり」(入荷増、価格下)、「トマト」(入荷増、価格上げ下げ)、「さやえんどう」(入荷回復、価格平年並み)、「たけのこ」(入荷国産増、価格下げ)、「アスパラガス」(入荷少、急落)とのことで、入荷も価格も一方的な動きではなく、それぞれ商品によってまちまちの動きをしているといえる。特に、アスパラガスは、「火を使うため敬遠され急落」とのことで、野菜の中でも火をつかわないものに需要が増加しているとのことである。

   ここで、さらに、前年同期比を品目別で細かく見てみると、大きく上昇している品目は、はくさい(茨城:せり241%、相対219%)、にんじん(千葉:相対216%)、さといも(埼玉:相対139%)、さつまいも(千葉:相対133%)、キャベツ(愛知:相対120%)、たまねぎ(北海道:相対118%)であり、これらの野菜が特に価格が跳ね上がった品目である。

   一方、逆に大きく前年同期比を下げた品目であるが、なのはな(千葉:相対56%)、きゅうり(群馬:せり59%、相対59%)、トマト(熊本:せり75%、相対73%)、ピーマンン(茨城:相対73%)、ブロッコロリー(愛知:相対75%)、レタス(茨城:せり80%、相対83%)、ほうれんそう(群馬:相対89%)、かぶ(千葉:相対95%)、なましいたけ(岩手:相対98%)である。

   このように、3/11以降、1週間の東京中央卸売市場の野菜の市況を見てみたが、入荷量に関しては、前週比95%、前年同期比99%であり、3/12は入荷が激減したとのことであるが、その後の入荷は安定していたと見え、1週間単位で見ると、3/11の影響は左程大きくはなかったといえよう。また、相場に関しても、一方的な動きを示してはおらず、高値、安値が入り、全体としては、前週比、前年同期比ともに100%前後となっており、入荷量同様、全体としては安定しているといえよう。ただ、まだ一週間であり、3/11の東日本大震災の影響はこれからが本番、しかも、放射能被害、風評もではじめており、今週、そして、来週がどのように市況が動くかは予断をゆるさない状況といえる。当面、特に、野菜の今後の市況に注目である。

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