3/22時点の東京中央卸売市場の野菜の入荷状況
日経新聞、インターネット版、3/23、23時によれば、「関東産野菜の卸値下落、出荷制限の影響」とのことで、福島原発の放射能の影響が周辺地区の野菜へと広がっている。さらに、東京でも水道水に放射能が検出されたとのことで、その影響がどこまで広がるのか、予断を許さない状況にあるといえる。そこで、本ブログでは、前回のブログ、「東京中央卸売市場、3/11以降の入荷状況!」の続編として、3/22時点の東京中央卸市場の入荷がどのような状況にあるのかを見てみたい。
まずは、日経の先の記事の内容であるが、「福島・茨城など一部の農産物の出荷制限の影響で、関東産野菜の卸価格が下落している。東京の大田市場(大田区)では埼玉産キュウリや千葉産キャベツが前日に比べ1~3割安い。小売店が仕入れた茨城産ホウレンソウなどの返品も相次いだ。産地では不安や戸惑いが広がっている。」、「関東産の野菜は軒並み下落した。埼玉産キュウリの卸値(中値)は5キロ945円で前日より25%安い。東京産のコマツナは12%安で、千葉産キャベツは9%下がった。」とのことで、関東産の野菜の相場が大きく下がっているとのことである。
また、「小売業者などが仕入れた野菜を卸会社に返品する動きも広がっている。築地市場(東京・中央)の青果卸の担当者は「22日以降、返品されたホウレンソウは約1千ケース(1ケースは4~5キロ)に上る」と話す。」さらに、「23日には出荷制限の対象に福島県産のキャベツやブロッコリー、茨城産パセリなどが加わった。築地市場では、いったん小売業者が買い入れた茨城産パセリが、返品のためトラックで運び込まれる光景も見られた。」とのことで、深刻さがさらに広がっているといえる。
そこで、実際の野菜の3/22の入荷量をちょうど1週間前の3/15と比較し、各野菜の影響を見てみたい。3/15は東日本大震災があった3/11の翌週に当たり、野菜の入荷もけっして十分ではなかった時期であり、本来の野菜の入荷がされていれば、3/22は3/15と比べ、軒並み、大幅な入荷量の増加が見られるはずである。したがって、この2日間を比べた時に、100%を下回っている野菜は入荷量が大きく減少しているといえる。ちなみに、野菜全体は1週間前の3/15と比べ、3/22は6,947.8トン( 5,512.4トン:126.0%)であり、126.0%のアップであり、野菜全体の入荷自体は回復基調にあるといえる。したがって、126.0%以下の野菜が厳しい状況にあると見なすことができよう。
まずは、3/22において、100%を下回った野菜であるが、何といってもほうれんそう32.4トン(88.0トン:36.8%)であり、36.8%と激減していることがわかる。極めて深刻な状況にあるといえよう。ついで、キャベツ678.1トン(917.2トン:73.9%)であり、全体の平均が126.0%であることを考慮すると、ほうれんそうほどではないが、かなり厳しい状況にあるといえる。さらに、100%を下回る野菜を見てみると、ブロッコリー88.5トン(101.3トン:87.4%)、こまつな39.3トン(42.3トン:92.8%)、セルリー38.6トン(40.3トン:95.6%)、なのはな21.3トン(21.9トン:97.3%)、そして、なましいたけ31.5トン(31.7トン:99.2%)である。以上が、野菜の中で3/22の入荷量が3/15と比べ、前週比を割った野菜である。特に、ほうれんそう36.8%、キャベツ73.9%が特に深刻な影響であるといえ、今後、さらに、入荷量が激減する可能性もあり、厳しい状況にあるといえよう。
では、逆に、入荷量が3/22の1週間前、3/15対比126.0%となった野菜を見てみると、じゃがいも576.1トン(216.4トン:266.2%)が異常値であり、全野菜の中で伸び率No.1となった。ついで、たまねぎ679.9トン(330.3トン:205.8%)であり、この2つ、じゃがいもとたまねぎが極端に3/22、入荷量が激増した野菜である。
この2つ以外では100%台となるが、平均の126.0%を超えた野菜を見てみると、ごぼう54.5トン(32.3トン:168.6%)、ピーマン115.4トン(68.7トン:167.9%)、トマト406.8トン(263.4トン:154.4%)、なす176.8トン(119.6トン:147.7%)、きゅうり405.7トン(283.3トン:143.2%)、かぼちゃ180.2トン(126.6トン:142.3%)、だいこん815.0トン(578.5トン:140.9%)、さつまいも130.4トン(94.8トン:137.5%)、にんじん420.5トン(331.9トン:126.7%)である。以上が、126%以上の野菜であり、これらは3/22時点では入荷が順調に回復傾向にあるといえる。
ただ、一部報道によれば、「23日には出荷制限が拡大し、茨城県の原乳とパセリ、福島県のホウレンソウ、コマツナ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなどの出荷を控えることが指示された」とのことで、今後、野菜の種類、そして、地域が増えてゆく可能性は高く、現時点ではどこまで拡大するか、その行方が不透明な状況といえる。
このように、前回のブログでは、週間単位で見ると、3/11の東日本大震災の野菜の入荷量、相場ともに安定の方向に向かっていたといえるが、3/22に入り、ほうれんそう、牛乳にはじまる出荷制限が拡大しはじめ、野菜全体では入荷量は1週間前の3/15と比較し、126.0%と回復基調にあるとはいえ、先に見たように深刻な影響がではじめた野菜も増えはじめ、今後はまさに、予断を許さない状況に入ったといえよう。まずは、福島原発が落ち着くことが、何といっても先決であるが、その終息が見えない状況であり、当面、事態を正確につかみ、対応していくことしかないといえる。本ブログでも状況をいち早く把握し、今後ともこのテーマを随時取り上げてゆきたい。
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