消費者物価指数(CPI)、2011年2月度、0.0%!
3/25、総務省統計局から、2011年2月度の消費者物価指数(CPI)が公表された。結果は、「(1) 総合指数は平成17年を100として99.3となり,前月比は0.1%の下落。前年同月と同水準となった。(2)生鮮食品を除く総合指数は98.9となり,前月比は0.1%の下落。前年同月比は0.3%の下落となった。(3)食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は96.8となり,前月比は0.1%の下落。前年同月比は0.6%の下落となった。」となった。前年同月比で見た場合、(1)の文字通り総合は0.0%、(2)の生鮮食品を除く総合は-0.3%、(3)の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合は-0.6%である。
したがって、生鮮食品の相場、および資源エネルギーがプラスに働いているといえるが、これを除くと、実質マイナスといえ、依然として、デフレ傾向が続いているといえよう。実際、数字と同時に公表される2つのグラフを見ると、1つ目の平成17年度を100とした場合の折れ線グラフであるが、すべての総合指数がマイナス、(1)-0.7%、(2)-1.1%、(3)-3.2%であり、この数ケ月、明らかに右下がりである。しかも、この2年間ほぼ一貫してなだらかに右下がりの傾向が鮮明であり、デフレが長期化している様子がうかがえる。特に、(3)はこの4年間1度もプラスになったことがなく、やはり、過去、最大のマイナスゾーンに入っているといえ、物価が上昇する気配がみえない。
また、2つ目のグラフ、前年同月比のグラフであるが、こちらは棒グラフで表示されており、これを見ると、この4年間の動きは大きなサインカーブ、すなわち、上に半円形を描く時期と、下に半円を描く時期が交互に繰り返すような傾向が読み取れるが、その半円形が、数ケ月、収束せず、横ばいの動きとなっている。本来であれば、グラフの流れから見ると、下の半円形から上の半円形に変化しても良い時期ととれるが、この数ケ月、中々、プラスにならず、マイナス状況で横ばいとなっているのが実態である。これを見ても、デフレが長引いているといえよう。
では、この2月度、何がどのくらい消費者物価指数にプラス、マイナスの影響を与えたのかを見てみたい。まずは、プラスの影響であるが、前年同月比の寄与度でみると、最も大きい項目は生鮮食品であり、0.31である。ついで、たばこが0.27であり、この2項目が突出している。ごく簡単にいえば、この2月度、消費者物価を押し上げている項目は、この生鮮食品とたばこが極めて大きいといえる。ついで、ガソリンの0.17、灯油の0.11であり、都市ガスの0.02となる。すべてエネルギー関連であり、したがって、この2月度は、食品とたばこ、そして、エネルギーがプラスに強く働いていることがわかる。ただ、それでも、総合がプラスにならない状況であり、マイナス要因が強く、結果、デフレ基調が続いているといえよう。
そこで、マイナス要因であるが、最大のマイナスは-0.40の公立高校授業料であり、私立高校授業料の-0.11を合わせると、-0.51となり、極めて大きな影響といえる。それにしても、高校授業料の消費者物価指数への影響がこれほど大きいとは驚きである。この数字、-0.51は寄与度であるので、全体の消費者物価指数を-0.51%引き下げる影響があるという数字であり、改めて国の政策変更が与える国民生活への影響が大きいことがわかる。
これについで、マイナス要因は生鮮食品を除く食料であり、-0.20である。それにしても、食品は真っ二つに分かれたといえ、生鮮食品がプラスの0.31、生鮮食品を除く食料が-0.20であるので、対照的な動きといえよう。そして、これ以外では、その他が-0.16であり、これで、全体の総合指数が0.0、均衡する結果である。
さて、ここで、食品スーパーマーケットにとって、気になる生鮮食品と生鮮以外の食品の中で、際立った動きを示した項目を見ておきたい。まずは、プラスに動いたものであるが、にんじん30.4%、さといも 27.2%、ブロッコリー25.0%、キャベツ24.7%、レタス23.5%、はくさい22.4%、かんしょ21.9%、たまねぎ20.3%等、野菜が大きいといえる。また、果物もみかん46.9%、いよかん26.0%、りんごB14.5%、キウイフルーツ12.4%と高値のものが多かったといえる。一方、マイナスに動いたものであるが、いか-10.3%、しめじ-8.5%、国産米B-8.3%、なす-8.1%、えのきだけ-7.7%、国産米A-7.3%、ピーマン-7.3%、うるち米-7.2%、ミネラルウォーター-6.4%、かぼちゃ-6.1%、食用油-6.0%であり、これらがマイナスに動いた項目である。
このように、2011年2月度の消費者物価指数は総合指数は前年同月比で0.0%と同じ値となったが、食料を除くと-0.3%、さらにエネルギーを除くと-0.6%であり、特に生鮮食品、エネルギーの高騰が大きいといえ、これを除けば、依然デフレ基調が続いているといえる。しかも、グラフで見ると、ほぼ2年以上続いており、上昇する気配が見えない状況である。食品スーパーマーケット業界にとっては、当面デフレ基調が続くと思われる。ただ、この3/11の東日本大震災の影響がどのように収束していくかが見えない状況であり、当面、不安定な物価が続くといえ、特に、生鮮はさらに先が読めない状況となったといえよう。今後、消費者物価がどのように動くか予断を許さない状況が続くといえよう。
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