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March 17, 2011

N017:日本農業新聞に調査事業の報告、第1弾を掲載!

   3/16の日本農業新聞に、農林水産省の補助金事業、「農業者所得向上流通調査事業」の調査報告の広告記事を投稿した。3/16、3/17、3/18と3日間連続で本調査事業の関連の記事が掲載される予定であり、3/16と3/17が私の投稿記事、3/19が千葉大学大学院の齊藤修教授の投稿記事となる。3/16の記事のタイトルであるが、「大都市における直売システムの現状、生産者の所得向上に直売が果たす役割とは」と題し、「新規就農者・小規模農家の大都市直売への参入について」という見出しでの記事である。

   その中身であるが、少し長いがそのまま引用すると、「大都市中心部(都心部)は、まだ直売の拠点が十分に開発されておらず、生産者にとって参入のハードルが高いと言われています。今回、農林水産省補助金事業「農業者所得向上流通調査事業」でその実態について、全国の大都市、東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の中心部の実地調査を行いました。その結果、新規就農者や小規模農家が都心部に参入するケースが多く見られ、都心部にも直売の拠点が開発されつつある実態が分かりました。

   現在、都心部には大きく4つの直売の仕組みが開発されつつあり、全国の生産者が都心部の消費者へ自ら農産物を販売している事例がたくさんみられます。中には100km以上遠方から、軽トラックで自送し、直売する方もおり、大半は小規模農家や新規就農者であると言えます。その4つの直売の仕組みのうち、1つ目は商店街のアンテナショップが直売の仕組みを取り入れ、農産物をメインに据えるケースです。自治体とタイアップしているケースが多く、小規模生産者の方も多数参加しています。

   2つ目は2009年度後半から、全国大都市中心部で仮設型直売システムをはじめたマルシェです。出店する生産者は小規模農家や新規就農者が中心であり、自ら店頭に立つことにPR効果ややりがい、さまざまな学びを感じています。3つ目は、地域直売所の大都市中心部への参入です。大分から福岡市内に参入した「木の花(このはな)ガルテン」の事例では、大分県大山町の小規模農家も多数参加しています。そして、4つ目はインショップやネットビジネスであり、特に、インショップはJAも積極的に取り組んでおり、小規模農家でも都市部量販店、食品スーパー等で販売できるチャンスといえます。

   このように小規模農家や新規就農者にとって、都心部への参入のハードルは意外に低く、機会を見つけ、所得を上げるためにも、是非、トライして欲しいと思います。」という内容であり、これに、大都市中心部の直売システムの現状の概念図が加わった内容の記事である。

   今回、実際に、大都市、東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の中心部を調査してみて、この4つの直売システムが開発されつつあることが分かったが、いずれも、直売に取り組む生産者の大半が小規模生産者であり、大規模生産者がほとんどいない現状が浮き彫りになった。今回の調査では、特に、生産者へのヒアリングを重視し、数多くの生産者の方からお話をお伺いすることができたが、あらためて、その結果を集計してみると、小規模生産者の多さに驚かされた。

   たとえば、全国のマルシェに参加している生産者を含め、100人近くにヒアリングをさせていただいたが、その中で、浮き彫りになったことは農業従事者が数名の方が50%近い数字という結果であり、家族を基本にした小規模農家が大半を占めているといえる。また、経営規模をお聞きしたところ、70%以上が100アール未満であり、やはり、小規模生産者が多数を占めているといえる。

   では、なぜ、小規模生産者や新規就農者が大都市中心部で開発されつつある直売システムに多いかであるが、その最大の理由は、生産者ヒアリングからわかったことであるが、「販路の確保を強く求めている」ということである。小規模生産者は、積極的に大都市中心部の直売システムを活用しており、特にヒアリングからは、小規模農家が様々な販路の開拓をはかり、その有力な販路のひとつが、大都市中心部の直売システムと位置づけられているということである。

   大都市中心部の直売は、これまで新規就農者や小規模農家にとって、参入のハードルが高いと思われていたきらいがあるが、今回調査した実際のデータはむしろ逆、実は新規就農者、小規模生産者が新たな販路をもとめて積極的に参加している実態が浮き彫りになったといえる結果である。

   このように、大都市中心部では小規模生産者が軽トラックで100km先からも自ら生産物を運び、直売をする姿が見られ、小規模生産者にとっての有力な販売拠点となりつつあることがわかった。今後、先にあげた4つの角度から大都市の直売システムは開発されてゆくと思われるが、この動きは、小規模生産者にとっては、絶好の販売機会を得るチャンスといえよう。

   さて、次回、3/17は、本調査事業の核心、大都市中心部の直売システムを通じて、農業者の所得の向上の実態はどうかを報告する予定である。

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