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March 05, 2011

菓子パンはおもしろい!

   最近、菓子パンを診断する機会が増えた。定期的に診断しているものもあれば、スポットとして診断しているものもあり、各社、各様、様々な結果が生まれ、中々興味深いといえる。菓子パンはコツさえつかめば誰でも高い実績を出すことができ、しかも、菓子パンのマーチャンダイジングは様々な商品への応用が利き、マーチャンダイジングの根幹となる商品のひとつといえる。

   特に、今回取り組んでいる菓子パンの無料診断は、RDSデータを活用しての診断であるゆえ、自社の販売データではけっしてつかむことができない地域データとの比較ができ、これに取り組むだけで菓子パン担当者の視野がいっきに広がり、品揃えの基本を一から学ぶこともできる。実にマーチャンダイジングと相性の良い商品であるといえる。

   では、このRDSデータを活用し、どのように菓子パンの診断をしてゆくか、その基本原則をまとめてみたい。まず第1番目は重点商品の選定である。重点商品とは文字通り、重点販売する商品であり、原則、定番化し、毎日発注をしっかりかけ、欠品を24時間、365日出さない商品である。その選定のポイントは3つ、自社の金額PI値が300円(1人当たり0.3円)以上の商品、自社の商品とRDSと重なる商品で、RDSの金額PI値が300円以上の商品、そして、客数PI値(客数導入率)が50%以上の商品である。このどれかに該当する菓子パンはすべて重点商品と見なして良い。

   そして、ここから、3つ重なったらA、2つ重なったらB、ひとつのみはCとしてABCの順に重点管理してゆけば良い。これが第1ステップである。特に、この中でもA、Bが重要であり、おおよそ、20品ぐらいとなる。この約20品がまさに、重点の中の重点といえ、特に重視したい菓子パンの珠玉の商品といえる。

   通常の商品はほぼこれで十分マーチャンダイジングの強化が可能であるといえるが、菓子パンはここからがスタートである。この重点管理は菓子パンのマーチャンダイジングの入り口でしかない。したがって、次の課題がポイントとなるが、それは、カット商品を決めることである。菓子パンは品揃えが命ともいえ、いかに新たな商品を増やすかが最大の課題であるといえる。そして、そのためには、商品をカットし、品揃えのための受け入れ態勢を作る必要があるからである。

   そこで、カット基準であるが、まずは単純に自社の商品で金額PI値100円以下を選定する。100円を下回ったものはすべてカット候補である。ちなみに、金額PI値100円は1人当たり0.1円であり、2,000人の平均的な食品スーパーマーケットで1日200円、販売数量では1個から2個売れる商品である。この辺がひとつのカット基準である。そして、ここでRDSが登場する。この自社の金額PI値100円以下の商品の中で、RDSデータが100円を超えた商品、これは絶対にカットしてはいけない。特に、その中でも、客数PI値の高いものは、最優先でのマーチャンダイジングの改善が必要といえよう。かなりの確率で、その商品のマーチャンダイジングに問題がある可能性が高いといえるからである。

   今後、その商品を強化することによって、RDSの金額PI値にまで近づき、場合によっては超える可能性もあるからである。したがって、これ以外の100円以下の商品をカット候補として、どんどんカットしてゆけば良い。大胆にバサッといきたいところである。これで、重点商品とカット商品が決まった。このままだと、商品が絞りこまれ、品揃えが減ってしまう。

   そこで、仕上げ、ここからは一転、商品の導入である。まずはカット分を入れ、できればそれ以上に品揃えを充実させたいところである。どのくらいか、まずは月間200SKUぐらいまでは増やしたい。できれば300SKUを目指したいところである。通常はほぼ100から150SKUぐらいが多いのが実態であるので、200SKU、300SKUはかなり意識的に取り組まないと絶対に達成できない品揃えといえる。

   その導入基準だが、まずは、単純にRDSで金額PI値100円以上はすべて新規導入対象といってよい。そして、ここから導入の優先順位であるが、まずは、客数PI値で30%以上、金額PI値100円以上は最優先で品揃えに加えたいところである。次は、客数PI値を少し下げ、20%以上、金額PI値100円以上の商品である。これでおおよそ100SKUぐらいとなるが、さらに、その他、客数PI値に関わらず、金額PI値100円以上の商品である。これは、かなり多いといえるので、様子を見ながら取り組めば良い。

   以上が菓子パンの診断のポイントであるが、整理すると、まずは重点商品を自店とRDSの金額PI値300円、客数PI値50%を目安に選定し、次に、金額PI値100円以下をカットしてゆく。ただし、RDSで金額PI値100円以上はむしろ再度積極的なマーチャンダイジングの改善をはかる。そして、最後が金額PI値100円を目安に新規導入を大胆に行ってゆくことである。RDSは菓子パンだけで、およそ1,000SKUはあり、これを見ても菓子パンは品揃えが極めて重要な商品であることがわかる。

   このように菓子パンはこの3つの角度、重点商品、カット商品、新規導入商品に分けて取り組んで行けば良い。実際にやってみると、様々な発見があり、実におもしろい商品であり、しかも、やればやるほど実績も確実に上がってゆき、知らず知らずのうちに、マーチャンダイジングの基本が身について行くといえる。このような手順で是非トライし、菓子パンの売場を根本から見直して欲しいところだ。

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