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April 05, 2011

マックスバリュ北海道、2011年1月期決算、増収増益!

   マックスバリュ北海道が3/16、2011年1月期の本決算を公表した。結果は、営業収益775.18 億円(1.2%)、営業利益4.82億円(17.3%)、経常利益4.77億円(9.5%)、当期純利益1.92億円(前期は赤字)となり、増収増益の好決算となった。マックスバリュ北海道自身も、「食品部門の動向は、昨年に引き続き100円を切る2桁売価の商品を豊富に品揃えする等、集客部門と位置づけた野菜部門(農産グループ)や簡便性と品揃えに対する支持が得られた惣菜部門(デリカグループ)、さらには6月中旬以降、気温の高い日が続いたことに対応できたアイスクリーム部門(デイリーグループ)等が好調に推移しました。」とコメントしており、食品の好調な部門が好業績に貢献したとのことである。

   そこで、マックスバリュ北海道の営業収益が堅調な結果となった要因であるが、新店として4月にマックスバリュ新花園店(苫小牧市)をオープンしたことに加え、既存店の業態転換、改装を積極的に実施したことが大きいといえよう。マックスバリュ北海道としては、「当社の属するスーパーマーケット業界では、引き続きお客さまの節約志向が強く、一点単価は依然として下落傾向にあり、業種・業態を越えた競争が一段と激化しており、・・」との厳しい認識をもっている。これに対し、マックスバリュ北海道は、価格競争に対抗すべく、今期は「「店舗競争力の強化」の取り組みとして、価格競争力を高めた新業態(ザ・ビッグ及びザ・ビッグ エクスプレス)への業態転換を5店舗で実施いたしました。また、既存店舗においても12店舗のミニ改装を行い、引き続き立地特性に合わせた品揃えや売場づくりの見直しを行いました。」と、ディスカウントストア、ザ.ビックへのシフトを鮮明にしたといえ、これが、営業収益を押し上げたといえよう。

   結果、各部門の数字であるが、農産(構成比11.8%、昨対5.9%)、水産(構成比8.3%、昨対1.1%)、畜産(構成比8.0%、昨対5.8%)、デリカ(構成比7.8%、昨対5.4%)、デイリー(構成比22.0%、昨対2.4%)、グロサリー(構成比35.8%、昨対-1.3%)インストアベーカリー(構成比1.3%、昨対-3.5%)となり、食品合計では昨対1.7%と堅調な結果となった。

   次に、営業利益であるが、率の面ではまだまだ厳しい面はあるが、昨対で見ると、結果は2桁増という好結果となった。そこで、その要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが76.36%(昨年76.46%)と、0.10ポイント改善している。特に、今期は、「イオンのプライベートプランドのトップバリュやイオングループの需要集約商品の仕入強化に努めてまいりました。」等に取り組んだことが、その要因といえよう。結果、売上総利益は23.64%(昨年23.54%)となった。

   一方、経費の方であるが、24.80%(昨年24.92%)と0.12ポイント削減している。これについて、マックスバリュ北海道は、「「ローコスト運営」については、取り組みの途上であり、新たにプロジェクトを発足させ来期の重点課題としてオペレーション業務改革や人事制度改革に取り組んでまいります。」とのことであり、今期よりも、来期の重点課題となるとのことである。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.16%(昨年-1.38%)となり、依然としてマイナスではあるが、その幅が縮まっており、マーチャンダイジング力が原価、経費双方から改善されているといえる。そして、これにその他営業収入として、1.79%(昨年1.93%)の不動産賃貸収入、その他の営業収入が加わり、結果、営業利益は0.63%(昨年0.55%)と、増益となった。原価、経費は改善できたが、その他営業収入がやや伸び悩み、営業利益としては、もうワンランク押し上げたいところであったとは思うが、増益となり、率では、営業収益の1.2%のプラスもあいまって、17.3%の営業利益の増加となった。

   これを踏まえ、来期の決算予想であるが、3/11の東日本大震災の影響が現時点では不確定要素ではあるが、営業収益800.00 億円(3.2%)、営業利益4.90億円(1.6%)、経常利益4.80億円(0.5%)、当期純利益0.20億円(-89.6%)と、増収とはなるが、利益は厳しい状況を予想している。特に、当期純利益は、来期から「資産除去債務に関する会計基準」が適用されるため、マックスバリュ北海道のみならず、すべての上場食品スーパーマーケットに適用されるため、厳しい予想となっている。

   このように、マックスバリュ北海道の2011年1月期の本決算は増収増益の好決算となった。特に、営業利益が原価、経費双方の改善が図られ、マーチャンダイジング力が改善したことが大きく、2桁増となった。ただ、その他営業収入が伸び悩んでおり、また、営業利益高では2桁の伸びであるが、営業利益率ではもうワンランク底上げを図りたいところであろう。来期から「資産除去債務に関する会計基準」も適用されるため、当期純利益への影響は必至であり、今後、営業利益率をいかに改善できるか、そのためには、さらに、マーチャンダイジング力、原価、経費の改善が当面の課題となろう。マックスバリュ北海道が今後、どのようにマーチャンダイジング力を改善してゆくかに注目である。

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