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April 30, 2011

カスミ、2011年2月期決算、増収増益!

   カスミが4/11、2011年2月期決算を公表した。結果は、営業収益2,186.01億円(0.8%)、営業利益 67.94億円(22.4%)、経常利益 73.84億円(21.1%)、当期純利益 32.21億円(16.7%)と、増収幅はわずかではあったが、増収増益となる好決算となった。特に、利益はいずれの段階でも2桁の伸びとなった。

   そこで、まずは、カスミの利益が好調な結果となった要因を原価、経費面から見てみたい。今期、カスミの原価であるが、74.24%(昨年73.76%)なり、0.48ポイント上昇した。結果、売上総利益は25.76%(昨年26.24%)と下がった。これについて、カスミは、「営業面では「なっとくの品質を1円でもお安く」をテーマに、定番商品の価格を見直すと共に、曜日毎に特定の品目をお買得価格で提供する「曜日市」の充実、鮮度と価格面からその日一番お買得な青果物を提供する「一番野菜」「一番果実」の展開など、販促企画の強化を行いました。」とのことで、価格訴求を徹底したことが、原価を下げた要因のひとつといえよう。また、「平成23年6月に創立50周年を迎えるにあたり、これまで当社を支えて下さったお客様への感謝の気持ちを込めた記念セールやプレゼント企画、イベントなどを開催しました。」とのことで、50周年企画の販促を強めたこともその一因といえよう。

   一方、経費の方であるが、26.05%(昨年26.96%)と、0.91ポイントと大きく改善した。これについて、カスミは、「ローコスト化の取り組みでは、店内作業において時間帯毎の作業量に応じた適正な人員配置を行うことで、売場のサービスレベル向上と総労働時間のコントロールに取り組みました。また、業務の見直しによるコスト削減を継続強化しました。

   さらに、管理者のマネジメント能力向上を目的とした実践教育を継続強化し、その対象を営業現場の第一線を担うチーフ職にまで拡大しました。」とコメントしており、特に、人件費の見直しに取り組んだとのことである。実際、今期のカスミの経費の状況を見てみると、人件費が259.53億円(昨年265.13億円、-2.1%)と5.60億円下がっている。また、それ以上に、設備費が180.83億円(昨年191.72億円、-5.7%)と、10.89億円下がっており、設備の削減も大きかったといえる。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.29%(昨年-0.72%)と、依然としてマイナスではあるが、その幅は大きく改善しており、経費削減の効果が鮮明であるといえる。ただ、経費比率26.05%は、昨年の決算公開企業約50社の平均が25.6%であるので、依然として高めの水準であるといえ、今後、さらに、経費比率を改善し、マーチャンダイジング力をいかにプラスにもっていけるかが課題といえよう。そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.52%(昨年3.38%)加わり、結果、営業利益は3.23%(昨年2.66%)と、利益が大きく改善した。

   こう見ると、今期、営業利益が大きく改善した要因は、経費改善の効果が極めて大きく、原価の上昇をカバーしており、経費削減がカスミにとっては利益の源泉であったといえよう。気になるのは、原価の上昇であるが、カスミはイオングループであるため、当然、原価改善のためにイオンのプライベートブランド、トップバリューを導入している。今期の状況を見ると、95.42億円(昨年104.41億円、91.4%)であり、その構成比は4.6%となった。したがって、トップバリューの比率が下がっており、これも原価を下げる要因となったといえよう。特に、今期は先に見たように価格訴求を重視しており、結果、構成比の上がったナショナルブランド(NB)の原価が下がったものと思われる。

   さて、結果、利益は大きく上昇したことにより、キャッシュフローは実質増加しているが、今期は法人税の支払いが増加し、営業活動によるキャッシュフローは72.84億円(昨年95.18億円)と減少した。ただ、投資活動によるキャッシュフローも-21.96億円(昨年-48.16億円)と半減しており、結果、フリーキャッシュフローは50.88億円(昨年47.02億円)と若干増加している。これは、新規出店等の成長戦略への投資を削減したことによる。実際、今期の新店を含む設備投資は昨年の72.14億円から37.30億円へと大きく削減しており、結果、営業収益も0.8%の増加に留まっている。そこで、財務活動によるキャッシュフローであるが、-40.82億円(昨年-29.17億円)とフリーキャッシュフローをめいっぱいあている。その中身であるが、-31.76億円(昨年-20.08億円)を有利子負債へあてており、財務改善にキャッシュを振り向けていることがわかる。

   このように、カスミの2011年2月期の決算は増収増益、特に利益は原価の上昇を大幅な経費削減によりカバーし、2桁の上昇となった。そして、その改善した利益を財務改善にあてており、今期は成長よりも、財務改善を含む内部体制の充実に経営資源を配分したといえる。そして、来期はさらに、投資を抑制し、有利子負債の削減を目指しており、当面、カスミの経営戦略は経費削減によりキャッシュを生み出し、生み出されたキャッシュを成長戦略よりも財務改善に充てる方針といえよう。特に、来期は3/11の東日本大震災の影響も不透明であることから、成長戦略を打ち出しにくい経営環境にあるといえる。今後、カスミが、財務体質を改善し、いつ成長戦略を打ち出すか、その反転に注目である。

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April 30, 2011 in 経済・政治・国際 |

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