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April 13, 2011

ベルク、2011年2月期決算、増収増益、好調!

   ベルクが4/11、2011年2月期の本決算を公表した。結果は、売上高1,095.19億円(6.9%)、営業利益50.32億円(14.6%)、経常利益52.43億円(13.2%)、当期純利益26.66億円(9.2%)となり、増収増益、特に、利益は2桁増の好決算となった。また、今期決算では、各社の売上高が伸び悩んでいるが、ベルクは6.9%増と堅調な数字であり、バランスのよい好調な決算となった。さらに、財務面では、EPS(1株当たり当期純利益)も当期純利益が増加したことにより、127.79円(昨年117.05円)、自己資本比率も54.8%(昨年53.7%)、キャッシュフローもフリーキャッシュフローはプラス、現金及び現金同等物期末残高も38.58億円(昨年33.81億円)と、堅調な伸びを示しており、営業数値に加え、経営数値も好調な決算となった。

   そこで、まずは、売上高が6.9%となった要因であるが、既存店が「競争力の強化及び当社が目指す標準化の推進のため既存店12店舗の改装を実施」したことにより、101.5%と昨対を上回ったことに加え、新規出店として、高崎大八木店(2010年3月、群馬県高崎市)、佐野田沼店(2010年8月、栃木県佐野市)、行田城西店(2010年9月、埼玉県行田市)、東松山新郷店(2011年11月、埼玉県東松山市)と、4店舗出店したことが大きいといえる。結果、ベルクの店舗数は66店舗となった。

   一般に食品スーパーマーケットの成長は既存店の活性化よりも、新規出店で決まるといえ、ベスクも4店舗は全66店舗の106.06%に当たり、新店が今期の売上高を押し上げたといえ、これが好調な決算をもたらしたといえる。ちなみに、今期の設備投資であるが、新店に関しては今期16.96億円(昨対58.9%)、来季へ向けては18.56億円(昨対275.4%)であり、合計35.42億円となり、これは、ベルクの投資活動におけるキャッシュフローの中の有形固定資産の取得による支出-45.50億円の約80%弱となり、積極的な新店への投資である。しかも、今期よりも、来期の方に重点を置いており、来期も、今期同様の堅調な成長が期待できるといえよう。

   一方、今期は売上高もさることながら、利益はさらに好調な結果である。そこで、特に営業利益について、14.6%増となった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、74.23%(昨年74.18%)となり、0.05ポイントと、やや原価が上昇しているが、ほぼ、昨年並みの水準を維持したといえよう。原価改善に関しては、「イオングループのプライベートブランド商品である「トップバリュ」を積極的に拡販いたしました。」とのことであるが、「競合各社の積極的な出店及び販売施策を実施する中、不透明な所得や雇用環境、消費税増税論議等による将来的な不安感から個人消費の持ち直しが遅れ、厳しい経営環境が続いております。」とのことで、経営環境が厳しかったとのことである。結果、売上総利益は25.77%(昨年25.82%)となった。

   これに対して、経費の方であるが、22.60%(昨年25.65%)と、大きく下がっている。ただ、これは、今期からベルクの「物流費用の計上区分の変更」があったため、前期との比較は、この段階ではなく、営業利益段階で評価しないと、今期に関しては、経費削減がなされたのかどうかは難しい判断となる。ちなみに、変更のポイントであるが「従来、物流関連費用については、販売費及び一般管理費に計上しておりましたが、当連結会計年度より、営業収入に計上している「物流収入」(仕入取引先から当社物流センターへ納品される商品の店舗への配送業務に対して仕入取引先から受け取る収入等)より控除する方法に変更いたしました。」とのことであり、その他営業収入とのかねあいとなる。

   その、その他営業収入であるが、1.95%(4.12%)と、大きく減少しており、昨年と違いその他営業収入、すなわち、物流収入の経費がその他営業収入、一般管理比双方から引かれているのがわかる。したがって、その結果である営業利益は、4.59%(昨年4.28%)と増加しているので、恐らく、原価が横ばいであるので、経費が削減されたものと思われる。来期からは、この数字の比較が正確に判断できるようになるため、原価、経費の差、マーチャンダイジング力も判別できるが、今期は、この営業利益で判断せざるをえないが、マーチャンダイジング力も経費の削減により、改善されているといえよう。

   さて、来期であるが、売上高1,149.90億円(5.0%)、営業利益51.01億円(1.4%)、経常利益53.12億円(1.3%)、当期純利益27.92億円(4.7%)の予想であり、今期と比べ、3/11の東日本大震災の影響が不透明であり、利益面がやや厳しい予想である。

   このように、2011年2月期のベルクの本決算は増収増益、特に、利益が好調な決算となり、営業数値だけでなく、財務面でも、EPS、自己資本比率、そして、キャッシュフローも安定した堅調な結果となった。これまで公表された各食品スーパーマーケットの決算は利益は好調な企業もあるが、売上高は厳しい結果の企業が多かったが、ベルクは双方バランスのよい結果であり、しかも財務も堅調な結果となり、食品スーパーマーケット業界の中でも、屈指の好調な決算となったといえる。来期は震災の影響等、不透明感が漂うが、今期の好調な決算結果を踏まえ、ベルクが今期のように好調な経営を維持できるか注目である。

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