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April 18, 2011

マルエツ、2011年2月期、本決算、減収減益!

   マルエツが4/15、2011年2月期、本決算を公表した。結果は、営業収益3,322.27億円(-1.4%)、営業利益62.99億円(-19.8%)、経常利益57.80億円(-23.8%)、当期純利益27.64億円(-60.3%)となり、減収減益の厳しい決算となった。結果、EPS(1株当たり当期純利益)も22.15円(昨年55.80円)と大きく減少、株主にとっても厳しい結果である。

   このような厳しい結果ではあったが、今期マルエツは、「SMのインフラをゼロベースで再構築し経営効率を高めるため、平成22年6月に横浜常温物流センター(神奈川県)、8月に八潮常温物流センター(埼玉県)、9月に川崎複合センター(神奈川県)の3センターを開設しました。」とのことで、インフラを整え、次期への向けての成長戦略の布石を打ち、今後の成長へ向けての投資を行っている。実際、その成果として、「従来の小型店と異なり店舗に作業場を設けずセンターから商品を供給する40坪タイプの小型店の実験を開始しました。」とのことで、都心部の小型店戦略の準備が着々と進みつつあるといえる。

   そこで、今期、マルエツがこの物流センターを含めどのような投資を実施したかであるが、総額では142.39億円(昨年120.55億円)であり、その内訳は新店投資40.86億円(昨年51.57億円)、改装投資24.08億円、センター29.43億円(昨年0)、システム24.61億円(昨年23.53億円)、その他投資17.99億円(昨年10.61億円)である。また、これを裏付けるキャッシュフローを見ると、投資活動によるキャッシュフローは108.70億円(昨年53.47億円)と倍増しており、積極的にインフラに投資したことがわかる。

   さらに、これに伴い、店舗戦略もマルエツ屋号店舗とマルエツプチ屋号店舗に明確に分離し、これまでの様々な業態を2つに整理している。そのマルエツ屋号店舗であるが、新店は、「中野若宮店(東京都)、岩槻駅前店(埼玉県)、元住吉店(神奈川県)、成増南口店(東京都)、戸田氷川町店(埼玉県)、西大宮駅前店(埼玉県)、豊春店(埼玉県)の7店舗」である。そして、マルエツプチ屋号店舗は「人形町駅前店(東京都)、西新宿六丁目店(東京都)、神田司町店(東京都)、南荻窪二丁目店(東京都)、東日本橋三丁目店(東京都)、翁町二丁目店(神奈川県)、東池袋駅前店(東京都)の7店舗」の14店舗を出店している。これに、マルエツのはじめてのディスカウント業態、スーパーマーケット魚悦川間店(千葉県)を加え、今期は合計15店舗を新規出店している。結果、閉鎖6店舗があり、総店舗数は255店舗と、食品スーパーマーケット業界では最大の店舗数である。

   ただ、やや気になるのは、これだけの投資の結果、有利子負債が321.04億円(昨年299.80億円)と約20億円強増加し、総資産1,330.59億円の24.12%とやや重くなり、自己資本比率も45.7%(昨年46.6%)と若干下がっていることである。ちなみに、前期、決算公開企業約50社の有利子負債の総資産に占める割合の平均は27.3%であるので、平均よりも下回ってはいるが、増加したことが気になる点である。

   そこで、今期のキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは87.03億円(昨年79.47億円)と増加しているが、先に見たように投資活動によるキャッシュフローが108.70億円(昨年53.47億円)と倍増したため、結果、フリーキャッシュフローが-21.67億円(昨年33.56億円)とプラスからマイナスとなった。結果、財務活動によるキャッシュフローは13.73億円(昨年-21.37億円)となり、有利子負債を調達せざるをえなくなったといえる。ちなみに、現金及び預金であるが81.35億円(昨年89.29億円)であり、ほぼ昨年同様の数字である。このキャッシュフローを見る限り、今期は投資、特に、成長戦略を見越した投資戦略を優先するという強い意思が感じられる内容である。

   そして、もう1点気になる点は営業利益が-19.8%と大きく減少した点である。その要因であるが、原価は71.49%(昨年71.69%)と、0.20ポイント改善している。結果、売上総利益は28.51%(昨年28.31%)となった。一方、経費の方であるが、28.78%(昨年27.81%)と、0.97ポイント上昇しており、結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.27%(昨年0.50%)と、一転、プラスからマイナスへ転じた。これにその他営業収入が2.22%(昨年1.88%)加わり、結果、営業利益は1.95%(昨年2.38%)と減益となった。原価は改善したが、経費増が重く営業利益にのしかかった構図である。

   このように、2011年2月期のマルエツの本決算は減収減益という厳しい決算となったが、今期は成長戦略を優先した先行投資に加え、これまでの様々な業態をマルエツとマルエツプチ業態に整理しており、来期以降の成長を期した体制づくりへの投資を優先したといえよう。ただ、キャッシュを生み出す営業利益の減益要因は経費増によるものであり、この改善が進んでいない点は気になるところである。来期以降、今回の投資戦略がどこまで成長戦略につながってゆくのか、また、どのように上昇しつつある経費の削減を目指してゆくのか、マルエツの次の具体策に注目である。

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April 18, 2011 in 経済・政治・国際 |

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