家計調査データ最新、2011年2月度、食品99.9%!
総務省統計局から、3/29、家計調査データ、最新、2011年2月度が公表された。結果は、外食を除く食品が1日当たり、1世帯当たりの消費額が1,913.86円、昨対99.9%とほぼ昨年と同様の数字となった。外食を含む食料は100.0%、すべの消費額は99.9%であり、この2月度は全体、食品、外食を含む食料ともにほぼ昨年と同様の数字となったといえ、やや消費がプラスに転じる兆候も見える。ただ、3/11に発生した東日本大震災の影響は今後の動向が読めないといえ、3月以降、家計の消費がどのような結果となるか、予断を許さない状況が続くといえよう。
そこで、まずは、この2月度の全体の動向であるが、大分類でプラスになった項目は、外食412.79円(昨対100.4%)、住居586.32円(昨対112.6%)、光熱・水道1,018.57円(昨対107.2%)、保健医療436.11円(昨対103.2%)の5項目である。特に、住居が2桁増であり、消費が好調である。その要因であるが、全体の60%強を占める家賃地代が375.43円(108.7%)と大きく、さらに、設備修繕・維持が210.89円(120.2%)と120%消費が伸びたことが大きい。その中でも、植木・庭手入れ代10.25円(昨対410.0%)、設備器具58.46円(昨対131.9%)と、異常な伸びを示しているものもあり、これらが住居を大きく押し上げたといえる。
一方、伸び悩んだ項目であるが、食品1,913.86円(昨対99.9%)、家具・家事用品287.11円(昨対99.2%)、被服及び履物331.68円(昨対93.4%)、交通・通信1,239.18円(昨対97.9%)、教育358.89円(昨対85.7%)、教養娯楽1,019.11円(昨対98.4%)、その他の消費支出1,710.39円(昨対98.2%)である。この中で気になる項目であるが、落ち込みが最も大きい教育は高校授業料の無償化が大きく、国公立高校9.68円(昨対27.5%)、私立高校36.43円(昨対83.3%)という結果である。この項目は消費者物価指数(CPI)にも大きな影響を与えているが、家計調査データでも、同様に影響が大きいといえる。
また、値上げ後のたばこの動向であるが、たばこ29.96円(昨対84.1%)、消費世帯のみ252.65円(昨対116.1%)、消費世帯の割合11.9%(昨対72.4%)という結果である。たばこを続けている世帯は消費額が増加しているが、たばこをやめた世帯が30%弱いると見られ、これがたばこの消費額を15%強下げた要因といえる。
そこで、食品スーパーマーケットに最も関係の深い食品であるが、全体は先に見たように、1,913.86円(昨対99.9%)と、ほぼ、昨年と同じ数字となったが、個々に見ると、伸びた項目、伸び悩んだ項目があるので、その結果を見てみたい。まずは、伸びた項目であるが、野菜・海藻275.57円(昨対101.6%)、果物92.25円(昨対101.6%)、油脂・調味料109.96円(昨対102.8%)、主食的調理食品122.29円(昨年104.2%)、飲料117.61円(昨年107.9%)である。
これまで好調であった生鮮食品、特に、野菜・海藻、果物の伸びが止まったといえる。これに代わり、この2月度は飲料が107.9%と最も伸びた項となった。その要因であるが、コーヒー18.25円(昨対133.4%)、ミネラルウォーター6.86円(昨対128.9%)、紅茶2.86円(昨対114.3%)等が大きく貢献しているといえる。
これ以外の項目で、特に伸びたものは、冷凍調理食品15.96円(昨対110.4%)、風味調味料5.89円(昨対111.5%)、砂糖4.07円(昨対122.6%)、グレープフルーツ1.14円(昨対118.5%)、オレンジ1.29円(昨対116.1%)、ぶどう0.18円(昨対125.0%)、かき(果物)0.61円(昨対170.0%)、キャベツ8.36円(昨対113.6%)、はくさい4.32円(昨対114.2%)、じゃがいも8.71円(昨対111.9%)、にんじん6.89円(昨対122.9%)、たまねぎ10.96円(昨対112.0%)、れんこん3.11円(昨対113.0%)、きゅうり7.50円(昨対110.5%)、なす2.82円(昨対114.5%)、ピーマン4.57円(昨対110.3%)、だいこん漬3.32円(昨対110.7%)である。こう見ると、依然として野菜、果物等の相場の高い項目の消費が高い傾向はあるが、全体としては落ち着いてきているといえよう。
一方、伸び悩んだ項目であるが、穀類199.75円(昨対95.6%)、魚介類209.89円(昨対95.2%)、生鮮肉165.64円(昨対99.4%)、乳卵類 107.29円(昨対99.0%)、菓子類223.29円(昨対97.9%)、酒類98.82円(昨対96.4%)である。特に、穀類、魚介類、酒類が95%強と厳しい状況といえる。
そこで、特に昨対を大きく下回った項目を見てみると、かつお2.43円(昨対87.2%)、たい2.57円(昨対83.7%)、たこ2.86円(昨対80.8%)、かに2.50円(昨対75.3%)、しじみ1.18円(昨対86.8%)、ほたて貝3.32円(昨対72.7%)、しらす干し3.39円(昨対87.2%)、煮干し0.86円(昨対82.8%)、まんじゅう3.50円(昨対80.3%)、ビール23.82円(昨対88.9%)、ウイスキー2.86円(昨対84.2%)となる。これらが、90%を下回った項目であり、この2月度、消費を押し下げた要因といえよう。
このように、2011年2月度の家計調査データは、食品だけでなく、外食を含めた食料、そして、全体の消費もほぼ昨年同様の数字、100%前後となり、ここ数ケ月の数字が1月度98.0%、昨年12月度99.2%、11月度98.1%、10月度99.5%、9月度98.5%、8月度98.6%と比べても、若干消費が上向いきはじめた感があり、堅調な結果といえよう。特に、これまで相場高の影響で生鮮食品の野菜、果物の消費額が高かったが、この2月度は、高い項目もあるが、全体としては落ち着いており、食品全体への影響度は下がったといえる。それでも、上向きになりつつあるのは、それ以外の消費も活発になりはじめたからであるといえる。ただ、この3/11の東日本大震災の今後への影響は予想できない状況であり、この2月度、やや上向きはじめた消費額が、来月、3月度、どのような結果となるか、その動向に注目である。
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