食品スーパー、売上速報、2011年3月度、103.6%!
4/28、オール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、社団法人新日本スーパーマーケット協会、3社合同による2011年3月度の食品スーパーマーケットの売上速報が公表された。結果は売上高が7,513億5,133万円となり、昨対では103.6%となった。店舗数は7,120店舗、主要食品スーパーマーケットをほぼ網羅しており、現時点での食品スーパーマーケット業界の現状を表しているといえよう。特に、この3月度は、3/11の東日本大震災の影響がどのような結果となったかが注目されたが、103.6%となり、コンビニ同様、堅調な結果となった。
ただ、これを地域別にみると、北海道・東北エリアは93.7%と、唯一昨対を割っており、厳しい状況であったことがわかる。食品スーパーマーケットの復旧は急ピッチで進んでいるが、3月度時点では、被災店舗も多く、商品も十分に供給できない状況といえ、厳しい結果となった。次回、4月度、どこまで、この数字が回復するか、その結果を期待したところである。
ついで、関東エリアであるが、106.0%と、全エリアの中で最も数字が高い結果となった。特に、このエリアの大半は東京電力の管内であり、計画停電等の影響もあり、消費者のまとめ買い需要、停電関連商品の特需等も加わり、これらが通常の売上げを押し上げたといえよう。実際、3月度の東京の食品スーパーマーケットの売場は、ローソク、電池、紙製品、水、米、パン、カップ麺、菓子、納豆、ヨーグルト等、入荷してもすぐに欠品となる商品が続出していた時期であり、異常な消費が続いていたといえる。したがって、これらを含め、計画停電関連の商品群が特に売上げを押し上げたといえよう。
そして、東海・北陸エリア104.7%、関西エリア104.9%、中国・四国エリア102.2%、九州・沖縄エリア103.0%という結果となった。こう見ると、東日本大震災の被災地、東北に近いほど売上げが高い傾向にあったといえ、東海・北陸エリア、関西エリアは、この3月度はやや低い売上げであったといえる。
では、これを商品別で見ると、どのような結果となったかであるが、最も伸びた部は107.4%の一般食品・その他(構成比45.7%)である。ここには、日配も含まれているが、加工食品の伸びが特に大きかったといえる。先の計画停電関連の商品としても、水、米、パン、カップ麺、菓子、納豆、ヨーグルト等を含んでおり、これらの商品が全体の数字を押し上げたといえよう。やや意外だったのは、一般食品・その他同様に計画停電関連の商品を多く含む非食品(構成比15.2%)であるが、99.7%と昨対を下回ったことである。
これについで堅調な伸びを示した部門は、畜産(構成比9.7%)であり、104.3%である。当然、生鮮3品の中でも最も伸び率が高かったといえ、特に、畜産は保存もきくことも数字を引き上げた要因といえよう。畜産についで、堅調な数字となったのは青果(構成比12.5%)であり、昨対104.2%であり、畜産の104.3%と比べると、0.1ポイントの差であり、ほぼ同率といえよう。
一方、残念ながら、水産(構成比8.7%)は、98.6%と、非食品の99.7%よりも、厳しい結果であり、生鮮3品を含め、全部門の中でも水産が最も厳しい結果であったといえる。特に水産は、この統計がはじまった昨年の4月以降、今年の1月度まで昨対を割り続けており、1月度からやっと昨対を上回り、2月度も堅調な結果であっただけに、3/11以降、水産部門はまた厳しい局面に入ったといえよう。さらに、ここへ来て、放射能の海洋汚染による実際の影響だけでなく、風評被害もではじめており、水産は当面、厳しい状況が続くものといえよう。
そして、惣菜(構成比8.7%)であるが、101.8%と、青果、畜産等の高い数字と比べるとやや厳しい結果となった。この3月度は外食の売上げが激減しており、これが食品スーパーマーケットの惣菜を活気づけてはいないようで、むしろ、青果と精肉が伸びていることから、生鮮食品を購入し、自宅で調理する家庭が増えたのではないかと推測できる。
さて、この調査は売上速報に加え、スーパーマーケット景況感調査(4月調査)も公表している。それを見ると、今後2から3ケ月後の見通しであるが、4月度は、3月度と比べ、売上判断DI-8.9、収益率判断DI-7.2、客単価DI-6.7、景気判断DI-10.6と、いずれも厳しい判断である。特に、景気判断DIが最も低く、食品スーパーマーケットの経営者は今後景気が停滞局面に入ると見ているといえよう。
このように、3/11の東日本大震災の影響がダイレクトに表れた3月度の食品スーパーマーケットの売上速報であるが、全体としては、103.6%という堅調な結果となった。ただ、北海道・東北は93.7%と厳しい結果であり、今後、急ピッチで進む復旧により、どこまで回復するかが期待される。また、部門別にみると、一般食品、青果、畜産が好調であり、非食品、水産が厳しい状況であった。さらに、惣菜も伸び悩んだといえる。今後、DIを見ても、当面、この傾向は続くものといえ、食品スーパーマーケットとしては、消費動向をしっかり見極め、マーチャンダイジング戦略を大胆に見直して行くことが課題といえよう。次回、4月度、さらなる回復、特に東北エリアの回復を期待したいところである。
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