セブン&アイH、3/11東日本大震災の影響!
4/7、セブン&アイHが2011年2月期の本決算を公表したが、その中で、2012年2月期の本決算予想を公表した。この予想には3/11の東日本大震災の影響が組み込まれており、今期の増収増益から一転、減収、営業利益、経常利益は今期をわずかに上回る予想であるが、当期純利益は大震災関連の特別損失が発生し、78.2%となる厳しい予想である。ただし、来期から2月度決算企業は、資産除去債務に関する会計基準が適用されるため、その影響も加わるため、2重の当期純利益への影響となり、これも大幅な減益を余儀なくされる大きな要因である。
そこで、まずは、今期決算結果と来期の予想であるが、営業収益来期予想4兆6,000.00億円(今期5兆1,197.39億円:89.8%)、営業利益来期予想2,480.00億円(今期2,433.46億円:101.9%)、経常利益来期予想2,453.00億円(今期2,429.07億円:101.0%)、当期純利益来期予想875.00億円(今期1,119.61億円78.2%)である。それにしても、これだけの大震災であるにもかかわらず、営業利益は昨対をクリアーするとのことであり、セブン&アイHの強い復興の意志が感じられる来期の決算予想であるといえよう。
その事業部ごとの内訳であるが、営業収益予想が89.8%となる最大の要因はセブン&アイHの構成比約40%を占めるコンビニエンスストア事業が76.2%となる予想となるためである。これ以外の事業はスーパーストア事業98.4%(構成比約40%弱)、百貨店事業96.2%(構成比約15%強)、フードサービス事業98.5%(構成比約1.5%強)、金融関連事業121.5%(構成比約2%)、その他の事業146.0%(構成比0.7%)であり、大きな落ち込みはなく、ほぼ、今期並みか、今期よりも上向く予想である。ただし、コンビニエンスストア事業の76.2%の予想は、来期から、北米の営業収益の計上方法に変更があるためであり、震災の影響ではない。今期と同様に計算すると、103.0%となり、昨対をクリアーする。
一方、営業利益が101.9%となる要因も、同じくコンビニエンスストア事業に負うところが大きく、営業利益の予想は、コンビニエンスストア事業103.7%(構成比約80%)、スーパーストア事業76.4%(構成比約6.5%)、百貨店事業74.7%(構成比約2%強)、フードサービス事業(赤字)、金融関連事業95.3%(構成比11%強)、その他の事業(赤字)という結果であり、対照的な内容である。この予想を見ても、いかに、コンビニエンスストア事業がセブン&アイHの柱と、特に営業利益については、なっているかがわかる。
そこで、4/7に、この本決算と同時に公開された東日本大震災がもたらしたセブン&アイHへの現時点での影響を見てみたい。まずは、セブンイレブンであるが、「セブン-イレブンでは、地震発生当初、停電や、商品・備品の落下および建物の損傷等による休業が東北地方および茨城県を中心に約600店舗ございました。」とのことである。そして、4/7時点では、「4月7日現在での 営業店舗は95%以上となり、休業店舗は60店舗となっております。」となり、現時点では大半が営業再開となった。ちなみに、東北地区での店舗の内訳であるが、岩手県68店舗(休業0店舗)、宮城県331店舗(休業34店舗)、山形県140店舗(休業店舗0店舗)、福島県379店舗(休業24店舗)、茨城県534店舗(休業2店舗)の合計1,452店舗(休業60店舗)である。
次に、イトーヨーカ堂であるが、東北地区には10店舗が展開されているが、店舗は数店舗が被災したものの、営業は翌日には再開しており、4/7時点でもすべての店舗が営業再開している。再開にあたっては、3/11の14時46分に地震が発生してから、4分後の14時50分には 対策本部を設置しており、すばやい対応がなされている。イトーヨーカ堂は店舗よりも物流網が仙台中心であったため、この問題の方が影響が大きかったといえ、すぐに、北海道、関東から東北への物流網を再構築し、営業再開を果たしている。
そして、その他のセブン&アイHの状況であるが、ヨークベニマルは被災時は約100店舗が営業停止となったが、4/7現在では10店舗のみとなっており、大半が営業再開を果たしている。百貨店はすべての店舗が営業をしており、4/7現在、茨城県等の一部の店舗での部分営業があるが、全店営業している。
以上がセブン&アイHの東日本大震災の被災状況と4/7現在の営業状況であるが、予想以上に復旧が進んでおり、グループ各社の大半の店舗が営業し、寸断された物流網も再構築され、商品供給体制も整いつつあるといえる。
なお、イトーヨーカ堂の全店ベースの3/28から4/3までのお客様の需要と商品供給の対応状況を見ると、このような大災害の時、何が重点商品となるかがわかる。その結果であるが、飲料水大型、通常時の800%(供給200%)、カセットコンロ600%(供給600%)、乾電池350%(供給80%)、懐中電灯300%(供給200%)、ヨーグルト200%(供給80%)、牛乳200%(供給120%)、子ども用紙おむつ120%(供給90%)、トイレットペーパー90%(供給110%)、カップラーメン80%(供給80%)、米70%(供給60%)である。
このように、セブン&アイHは3/11の震災4分後には対策本部を立ち上げ、いち早く、被災地、東北への支援体制を構築し、各グループの被災状況の把握、必要な支援体制を構築し、店舗の再開を果たし、4/7現在では、セブンイレブンの60店舗、ヨークベニマルの10店舗のみが休業状況であり、残りのすべての店舗が営業再開しており、復旧が急ピッチで進んでいる。来期は当期純利益が厳しい結果となると予想されるが、どこまで、収益を改善できるか、今後のセブン&アイHの動向に注目である。
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