日経MJで外食主要35社の大震災後の売上速報を公表!
日経MJ、4/25で外食産業主要35社の3月度の売上速報が公表された。見出しは、「外食主要35社3月」、「震災で13社、2ケタ減収」、「4月「回復の勢い鈍い」多く」、であり、それぞれの外食の全店売上高、既存店売上高、客数、客単価を集計したものである。その結果を見ると、見出しの通り、2桁減収があいついでおり、厳しい結果となった。先日、公表されたコンビニの堅調さとは対照的な結果といえ、3/11の東日本大震災が外食産業へ与えた影響が甚大な結果であったことが改めて鮮明になったといえる。
日経MJでは、これら35社の一覧表が掲げられているが、それを見ると、全体が大きく売上げが減少する中、牛丼関連の企業が他の外食企業と対照的に好調な数字となっているのが目につく。吉野家96.9%(既存店100.8%)、松屋フーズ112.6%(既存店107.5%)、ゼンショー(すき家)114.6%(既存店107.0%)であり、いずれも既存店が100%を超えた。この3社以外で既存店の売上げが100%を超えたのは、あきんどスシロー81.1%(既存店104.9%)のみである。ただ、あきんどスシローは西日本に店舗数が多いとのことで、これを除けば、この3月度は、牛丼関連企業の1人勝ちといえる結果である。
その牛丼関連企業3社の中身を客数、客単価でみてみると、吉野家(客数110.7%、客単価91.2%)、松屋フーズ(客数109.0%、客単価98.6%)、ゼンショー(すき家)(客数108.9%、客単価98.2%)であり、いずれも客数が2桁近い伸びであり、客数が大きく伸びたことが売上げを押し上げた要因である。したがって、3/11の東日本大震災以降、牛丼関連企業が外食では大きく客数を吸引したといえる。ただ、この中にはテイクアウトも含まれているといえ、計画停電等でのテイクアウト需要も大きかったのではないかと思われる。
この牛丼関連企業を除くと、ほぼ全業種が軒並み厳しい結果となったが、その中でも最も深刻な結果となったのは居酒屋である。大庄77.5%(既存店79.3%、客数83.8%、客単価94.6%)、ワタミ82.1%(既存店82.6%、客数80.6%、客単価102.5%)、コロワイド79.0%(既存店86.2%、客数90.8%、客単価95.0%)、テンアライド85.9%(既存店84.3%、客数85.9%、客単価98.2%)、ダイナック72.8%(既存店71.5%、客数76.1%、客単価94.0%)と、特に客数が20%前後落ち込むという厳しい結果である。
ついで、この3月度、厳しい売上げであったのがファミリーレストアランである。すかいらーく89.2%(既存店91.4%、客数91.4%、客単価100.0%)、ロイヤルホールディングス既存店93.3%(客数90.0%、客単価103.6%)、ジョイフル98.2%(既存店98.3%、客数98.5%、客単価99.8%)、サイゼリア92.6%(既存店89.8%、客単価98.9%)、ジョナサン既存店92.0%(客数93.0%、客単価98.9%)、セブン&アイ・フードシステムズ既存店85.9%(客数84.5%、客単価101.7%)という結果である。いずれも、既存店が10%前後の落ち込みである。
ただ、居酒屋も同様であるが、客数と客単価を比べると、客数の落ち込みが大きく、客単価については、100%を超える企業が多い。これは、この3月度の外食企業全体の傾向でもあり、震災の影響は客数の下げによるものといえ、客単価はいずれの外食企業も健闘しているといえる。むしろ、客単価が100%を超える企業が多く、集計企業全35社の内19社の客単価が昨対を超えており、半数を超えているのが実情である。
特に、客単価が好調な業種は焼肉であり、レインズインターナショナル91.0%(既存店95.4%、客数92.2%、客単価103.4%)、安楽亭92.7%(既存店92.7%、客数92.0%、客単価100.7%)、さかい(焼肉屋さかい)96.2%(既存店99.0%、客数91.6%、客単価108.0%)である。いずれも客単価は昨対を超えており、客数の下げが全体の売上げを引き下げた要因といえる。
これに対して客数が比較的好調であったのは、ファストフードであり、各外食企業が10%前後落ち込む中、5%前後でとどめているのが特徴である。日本マクドナルド87.2%(既存店92.7%、客数93.1%、客単価99.5%)、モスフードサービス96.3%(既存店97.3%、客数96.9%、客単価100.5%)、日本ケンタッキーフライドチキン100.4%(既存店99.1%、客数98.1%、客単価101.0%)であり、いずれも、客単価も堅調であるが、客数が5%前後の下げにとどめており、これが他の外食企業と比べ、比較的売上げが堅調な結果となっていることがわかる。
日経MJの記事ではこの結果を受けて、4月以降の動向を取材しているが、その中で、節電策の動向、ゴールデンウィークの旅行状況がどのようになるかにより、大きく変化するとのことである。また、これ以外にも変動要因が多く、見通しを立てにくいという経営者が多いとのことである。
このように、ここへきて、3/11の東日本大震災の影響を加味した統計数字が次々に明らかになりつつあるが、この外食企業の結果を見ると、牛丼関連企業を除き、全体の外食が10%前後の落ち込みであるといえ、業種によっては2割以上落ち込んでいる企業もあり、深刻な状況であったことがわかる。特に、客数の落ち込みが大きく、逆に、客単価は比較的堅調な結果であり、いかに客数を増やすか課題として浮かびあがったといえる。今後、停電、自粛ムードの継続と外食を取り巻く環境は不透明さが続くことが予想される中、テイクアウトを含め、客数をいかに増やす仕組み、商品づくりが外食企業にとっては当面の課題となろう。次回、4月の数字がどこまで回復する、その結果に注目である。
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