丸和、継続企業の前提に関する重要事象等の記載解消!
丸和が3/23、「「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載解消に関するお知らせ及び(訂正)「平成23 年1月期 決算短信」の一部訂正に関するお知らせ」を公表した。これにより、3/11に公表した決算短信に修正が入ることになり、継続企業の前提に関する重要事象等の記載が解消されることになる。3/23、この日に、この内容が公表された理由は、丸和が臨時株主総会において、親会社、ユアーズとの合併契約の承認を受けたためであり、これにより、債務超過が解消されることが確実となり、今後、5/1からユアーズに丸和の経営が継承されるためである。
丸和が3/11に公表した決算短信によれば、「2期連続して営業損失の計上となったことに加えて、当連結会計年度(平成23 年1月期)においても、経常損失270,669 千円および当期純損失2,593,286 千円を計上しており、当連結会計年度における純資産はマイナスとなっております。営業キャッシュ・フローは前連結会計年度には959,392 千円の支出となり、当連結会計年度においても1,812,598 千円の支出となっておりました。」という状況であり、極めて厳しい経営状況にあったといえる。まさに、この時点では、「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象」であったといえる。
この厳しい経営状況が、3/23、先にも触れたが、「本日開催の当社の臨時株主総会の決議及びユアーズの臨時株主総会の決議によって本合併に係る吸収合併契約の承認を受け、平成23 年5月1日を効力発生日として予定されております。本合併によりまして、当社はユアーズとの一体による事業再建及び経営効率のさらなる向上を目指し、事業再生計画を促進させるとともに、当該事業再構築をより効率的に進めるために、本部機能の一体化による管理コストの削減及び経営の一元化によるガバナンス体制の強化を図ってまいります。」と、丸和、ユアーズ双方の臨時株主総会で合併が承認された。
そして、その結果、「当社グループは、この度の臨時株主総会における合併契約の承認を受けまして、これらの各種施策の実施及び事業再生計画の具体的な展開を図るに対応できる体制の構築ができる見込みとなったことにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は解消されたと判断し、「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載を行わないことといたしました。」とのことである。
そこで、丸和が今期、特に取り組んだ事業再生の成果をもとに、その結果の決算結果を見てみたい。まず、2/21時点での、「事業構造改革の完了についてのお知らせ」にて公表された事業再生の内容であるが、「経営資源の選択と集中による全社の利益構造極大化を推進するため、エリアドミナント戦略の見直しを行い、自社競合による影響の回避、物流網、管理コスト等の効率化の観点より、複数のエリアで店舗統廃合の検討を行いました結果、スーパーマーケット事業において25 店舗の閉鎖を完了し、子会社である株式会社リテイル・アドバンテージにて運営しておりました持帰り寿司事業においても、平成23 年1月31 日付けにて事業譲渡を完了し、事業構造改革による食品スーパーマーケットへの事業集中を完了いたしました。」とのことで、食品スーパーマーケットへの事業集中が完了したとのことである。
その決算数字であるが、3/11公表の決算短信では、売上高336.59億円(-10.9%)、営業利益0.27億円(昨年は赤字)、経常利益-2.70億円、当期純利益-25.93億円となり、営業利益段階では黒字を確保した。したがって、経営的には極めて厳しい状況にあるが、営業利益はプラスとなり、リストラ後に食品スーパーマーケットへの事業集中を図れたことが、営業利益に黒字をもたらしたといえる。
では、営業利益が黒字になった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、73.76%(昨年74.05%)と、0.29ポイント改善しており、厳しい価格競争の中、原価を改善している。結果、売上総利益は26.24%(昨年25.95%)となった。一方、経費の方は、27.20%(昨年27.27%)と、0.07ポイント改善している。したがって、原価、経費双方が改善されており、結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.96%(昨年-1.32%)と、依然として、マイナスではあるが、その幅は1.0%を切り、縮まっている。そして、これにその他営業収入が1.05%(昨年1.03%)のり、結果、営業利益は、0.09%(昨年-0.29%)と、黒字転換した。
このように、3/11時点の決算短信では財務的には債務超過という厳しい状況にあったが、この1年でのリストラにより、営業利益は黒字転換しており、再生の兆しが見えていたといえる。今後、5/1以降、ユアーズと合併し、債務超過の解消が為されれば、営業利益のさらなる増加をはかり、食品スーパーマーケットとしての事業がまさに再生されるといえよう。ただ、気になるのは経費比率がかなり高めであり、営業利益を高めるためにも、この比率をいかに引き下げられるか、ここが当面の経営課題といえる。今後、丸和がユアーズと合併後、どのように、この経費比率を引き下げ、営業黒字の幅を拡大するか、その具体策に注目である。
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