スーパーマーケット販売統計調査、4月度、101.2%!
日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、社団法人新日本スーパーマーケット協会の3社合同によるスーパーマーケット販売統計調査(4月実績速報版)が5/24、公表された。この調査は3団体、280社、7,622店舗の食品スーパーマーケットの販売統計調査であり、食品スーパーマーケット業界では最大規模の調査である。その4月度の速報値であるが、全体が101.2%(既存店99.4%)となった。同時に3月度の確報値が公表されているが、結果は全体103.6%であり、4月度はやや落ち着いた数字となった。
3月度は、3/11の東日本大震災の影響が懸念されたが、全体は103.6%と堅調な数字であった。ただ、地域別に見ると、被災地を含む北海道・東北エリアは98.1%と、震災の影響が大きかったといえる。これ以外の地域は、関東エリア105.7%、東海・北陸エリア104.4%、関西エリア104.9%、中国・四国エリア1020%、九州・沖縄エリア103.6%という3月度の結果であり、北海道・東北エリアとは対照的な数字であった。
これに対して、今回の4月度であるが、北海道・東北エリアは99.8%(既存店99.4%)と、依然として、昨対を下回っているが、3月度の98.1%よりも上回っており、営業も正常にもどりつつある店舗が増えているのではないかと思われる。逆に他のエリアであるが、首都圏エリア100.6%(既存店99.3%)、北信越エリア103.0%(既存店101.1%)、東海エリア100.2%(既存店97.4%)、関西エリア102.8%(既存店98.7%)、中国・四国エリア101.8%(既存店101.3%)、九州・沖縄エリア101.8%(既存店99.3%)と、3月度よりも数字が下がっており、4月度はやや厳しい結果といえよう。
ちなみに、この販売統計では、同時に、景況感調査も行っており、4月度は、今後、2~3ケ月後の見通しを主要食品スーパーマーケットにヒアリングしている。その結果であるが、景気状況39.6、購買意欲38.9、競合状況39.8、地域の景気38.5と、いずれも40.0を割っており、今後の先行きは厳しい状況になると踏んでいるといえる。この数字は、「回答構成比(%)に、以下の点数を乗じてDIを算出。かなり改善+1.0、やや改善+0.75、変わらない+0.5、やや悪化+0.25、かなり悪化+0.0、50以上なら改善との見方が多く、50以下なら厳しい見方が多い。」とのことである。したがって、4月時点の今後の2~3ケ月後の見通しが40.0を切ったことは、かなり厳しい数字であるといえる。
一方、部門ごとでは、この4月度はどのような結果であったかを見てみたい。まずは、生鮮関連であるが、生鮮3部門合計は100.9%(既存店99.2%)となり、伸び悩んだといえる。その内訳であるが、青果99.3%(既存店97.7%)と、昨対を割った。青果は生鮮3品の中で13.0%と最も高い売上構成比であり、この食品スーパーマーケットの中核部門の数字が昨対を切ったことが、全体へも波及したといえよう。ついで、売上構成比9.2%の水産であるが、99.1%(既存店97.4%)と、青果よりも厳しい数字となり、生鮮3品の中でも、全部門の中で最も厳しい結果となった。
これに対して、この4月度、堅調な数字となったのが、売上構成比10.3%の畜産であり、104.7%(既存店102.8%)と、好調な結果となった。生鮮3品の中では、既存店を含め、昨対をクリアーした部門であり、4月度は、畜産が生鮮3品も、食品スーパーマーケット全体も牽引したといえよう。ただ、生鮮3品ではないが、さらに、売上を伸ばした部門がある。惣菜であり、全体が104.8%(既存店101.4%)という結果となった。売上構成比は8.5%と、集計部門の中では最も低い数字であるが、伸び率は好調な畜産を抜いて、トップとなった。したがって、この4月度は畜産と惣菜が、食品スーパーマーケット全体を牽引した部門であったといえる。
この好調な2部門についで、比較的堅調な数字となったのが、売上構成比16.9%の日配であり、全体102.8%(既存店100.7%)という結果であった。そして、売上構成比28.2%と最も高い部門、食品であるが、全体101.1%(既存店99.3%)となり、伸び悩んだといえる。これ以外では、売上構成比5.1%の非食品であるが、全体99.1%(既存店98.3%)と厳しい結果となった。
こう見ると、4月度は、3月度の結果とは一転、大きな変化が見られ、3月度は一般食品・その他が107.0%と、食品スーパーマーケット全体を力強く牽引したが、4月度に入ると、一般食品は101.1%と落ち着き、変わって、畜産、惣菜が104.7%、104.8%と全体を牽引しており、部門間の構造変化が見られる。気になるのは、青果、水産が昨対を割っていることであり、特に、青果は生鮮3品の中核部門であるだけに、食品スーパーマーケット全体への影響も大きいといえる。
このように、2011年4月度の食品スーパーマーケット業界の販売統計調査が明らかになったが、3月度の数字とは一転、厳しい面が伺われる結果となった。特に、震災直後のまとめ買い需要等も一段落したといえ、一般食品の伸びがピタッととまったことが大きいといえよう。今後の景況判断を見ても、厳しい予想がなされていることから、次の、5月度、そして、その後、夏にかけて、さらに、厳しさが増す可能性は高いといえ、次回、連休明けの結果、5月度がどのような数字となるか、気になるところである。
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