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May 06, 2011

3/11、東日本大震災後の各地の家計消費データを見る!

   前回に続き、家計調査データについて取り上げたい。家計調査データには様々な集計結果があるが、その内のひとつに、「第4-1表 都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たりの支出金額,購入数量及び平均価格」という集計表がある。これを見ると、都道府県庁所在地別の消費額が集計されており、今回の3/11の東日本大震災の影響が各地域の消費にどのような影響があったのかがわかる。そこで、この集計表を昨年の3月度の数字と比較し、その実態を掘り下げてみたい。ただし、この3月度は被災地であった宮城県の仙台市、福島県の福島市についてはデータが集計されておらず、空白となっているので、この2地区については、その状況はわからない。

   さて、まず、全体の消費状況であるが、全国平均は前回のブログでも見たように91.6%であるが、各地区は消費が伸びた地区、逆に大きく下がった地区と様々である。伸びた地区であるが、青森市129.7%、宮崎市121.9%、高知市121.0% 、盛岡市115.7% 、大津市113.8%、松山市112.2%、広島市111.2%であり、以上の地区が110%以上消費額が昨年の3月度と比べ、伸びた地区である。青森市、盛岡市と東北地区が2件入っている。

   そこで、この2件、青森市と盛岡市の特に伸びた要因を見てみたい。まずは、青森市であるが、酒類134.8%、住居162.7%、交通・通信158.2%、教育417.0%である。ただし、教育については、各地区の集計世帯数が少ないため、異常値が出る場合があるが、まさに、実態を見ると私立大学の数字が異常値となっている。したがって、住居、交通・通信が特に消費額が実質増加した項目である。その中身であるが、住居では、設備修繕・維持680.4%、工事その他のサービス843.8%であり、交通・通信では、自動車等関係費219.4%であり、まさに、被災後の厳しい現実が浮かび上がっているといえる。一方、盛岡市では、その他消費支出278.9%、家具・家事用品114.6%、穀類114.4%である。中でも、その他消費支出であるが、寄付金612.6%、交際費1,503.7%、贈与金2,022.9%、理美容用電気器具234.0%、化粧水173.4%等が異常値である。また、家具・家事用品であるが、カーテン538.6%、炊事用電気器具475.7%等の消費が急増している。

   ここで、盛岡市で異常値となった寄付金の状況を見てみたい。この3月度は全国的に異常値となっており、958.3%が全国平均であるので、昨年の約10倍の寄付金が発生していることがわかる。10,000%を超えたのが、前橋市113,050.0%、富山市39,550.0%、松江市28,833.3%、堺市22,083.3%、福岡市16,253.3%、静岡市12,725.6%の6地区である。ちなみに、少ない地区でも山口市417.6%、神戸市379.6%、津市326.8%、浜松市218.5%であるので、まさに、大震災特有の項目といえよう。

   次に、消費が下がった地区であるが、静岡市78.9%、宇都宮市75.8%、前橋市75.6%、奈良市74.1%、札幌市71.9%、水戸市71.5%であり、以上が80%未満の地区である。そこで、特に札幌市と水戸市で消費が大きく下がった要因を見てみたい。

   まずは、札幌市であるが、酒類70.9%、外食76.7%、被服及び履物58.9%、保険医療58.6%、交通・通信37.1%、教育21.2%、教養娯楽75.2%である。この内、教育は先に見たように集計人数の関係で異常値が出やすいので、交通・通信、保険医療について、さらにその項目を見てみると、交通・通信では、鉄道通勤定期代1.8%、バス通勤定期代36.5%、航空運賃47.5%、有料道路料44.0%等に加え、自動車等関連用品4.3%、自動車整備費30.3%等が激減している。また、保険医療については、栄養剤23.5%、医科診療代77.0%、歯科診療代79.9%の消費が厳しかったといえる。

   次に、水戸市であるが、外食58.2%、被服及び履物58.9%、保険医療71.0%、交通・通信61.5%、教育21.2%、教養娯楽52.5%、その他の消費支出78.6%等である。この内、交通・通信と外食について見てみたい。まずは、交通・通信であるが、鉄道運賃6.8%、バス通勤定期代25.5%、自動車等関連用品12.3%、郵便料38.8%、移動電話通信料59.7%、運送料64.1%等である。また、外食であるが、飲酒代15.7%、洋食35.2%、和食50.2%、学校給食53.7%等である。

   最後に、食品について、特に、消費額が落ち込んだ地域であるが、前橋市89.2%、山形市89.1%、盛岡市88.4%、宇都宮市86.3%、水戸市82.6%であり、いずれも被災地の東北、北関東である。その要因であるが、特に、水戸市では、魚介類86.4%、肉類78.9%、野菜・海藻88.3%、菓子類76.0%、飲料88.2%、酒類73.7%と、大半の項目が大きなマイナスとなっている。ちなみに、プラスとなった項目であるが、果物109.8%、穀類104.2%の2項目のみである。

   このように、この3月度の家計調査データの地域別を見ると、全国データではわかりにくかった各地域の3/11の東日本大震災の影響を受けた消費項目が鮮明に浮かびあがり、様々な異常値が発生していることがわかる。特に、食品では全国の数字は100.5%と堅調な数字となったが、今回のデータが公表された被災地の食品は大きくマイナスとなっており、厳しい消費環境にあったことがわかる。今回は、仙台市、福島市の数字は公開されていないが、おそらく、さらに厳しい消費状況であったことと思われる。当面、この厳しい状況は続くと思われるが、4月以降、この数字がどのように変化するか、その行方が気になるところである。

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May 6, 2011 in 経済・政治・国際 |

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