食品スーパーマーケット、売上速報、3月、4月度!
食品スーパーマーケット、上場企業22社の2011年3月度、4月度の売上速報を集計した。3/11以降、3月、4月度の売上がどのように推移したか、その速報値である。集計企業は、3月度の昨対で見た売上伸び率順に、Olympic:フード、ヤオコー、バロー、アークランドサカモト、マックスバリュ東海、スーパーバリュー、マルエツ、マックスバリュ西日本、ヤマザワ、ハローズ、いなげや、PLANT、マックスバリュ北海道、ダイイチ、マックスバリュ中部、マックスバリュ東北、オオゼキ、エコス、ユニバース、トーホー、イズミ、カスミの22社であり、総店舗数は1,823店舗となる。
この中には、すでに上場廃止となったオオゼキも入っている。オオゼキはMBOで上場廃止になった後も、売上速報は公表しており、今回の集計に含めた。また、PLANT、アークランドサカモトはホームセンターが主力業態であるが、食品部門も展開しており、今回の集計に含めた。特に、3/11の東日本大震災の影響度が如実に反映される3月度はホームセンター業界の状況を見る上でも参考になるため、食品スーパーマーケットの売上速報の一環とした。
さて、全体の結果であるが、3月度は110.2%(既存店105.0%)と、大きく売上げが増加した。集計22社の中で、昨対を割った食品スーパーマーケットは1社もなく、すべての食品スーパーマーケットが昨対を上回る結果となった。ただ、既存店に関しては数社、昨対を割る食品スーパーマーケットもあったが、まさに、3/11の東日本大震災がもたらした特需の結果といえよう。特に、120%以上となった食品スーパーマーケットは、Olympic:フード123.3%(既存店98.0%)、ヤオコー120.4%(既存店109.6%)、バロー120.2%(既存店107.3%)であり、特に、ヤオコー、バローは既存店も含め、高い伸び率である。
ついで、110%以上の食品スーパーマーケットであるが、アークランドサカモト116.5%(既存店108.8%)、マックスバリュ東海113.9%(既存店106.9%)、スーパーバリュー112.8%、マルエツ112.8%(既存店108.2%)、マックスバリュ西日本111.3%(既存店100.7%)、ヤマザワ110.5%(既存店107.7%)、ハローズ110.5%(既存店103.8%)という結果である。こう見ると、食品スーパーマーケットもさることながら、ホームセンター関係も特需が発生したといえ、3月度の食品スーパーマーケット業界は3/11の東日本大震災の影響、計画停電、原発の風評被害等のマイナス要因を吸収し、逆に、特需が発生し、売上ベースが底上げされる結果となったといえる。
なお、売上げが伸び要因を客数、客単価で見てみると、ここまで数字を公開している食品スーパーマーケットは少ないが、その結果は、客数106.1%(既存店102.15)、客単価105.7%(既存店105.0%)であり、客数、客単価ともにバランスよく伸ばしているといえる。さらに、PI値、平均単価まで見ると、PI値102.3%(既存店101.3%)、平均単価100.6%(既存店102.2%)であるので、既存店の平均単価が堅調であるといえ、これまでのデフレ、価格競争が震災により、緩和されたようである。
そこで、次に、4月度であるが、結果は全体が105.0%となり、落ち着いた数字となった。ただ、特需の反動が発生していると思われるが、その影響が大きくは表れてはおらず、堅調な数字となった。既存店も100.8%と昨対を上回っており、大きな落ち込みはなかったといえる。特に売上げが伸びた食品スーパーマーケットであるが、Olympic:フード123.3%(既存店98.0%)、バロー116.0%(既存店105.3%)、アークランドサカモト116.0%(既存店110.0%)であり、この3社が115%以上売上げが伸びた。3月度120.4%伸びたヤオコーは4月度は111.9%(既存店104.9%)であり、やや下がったが、それでも110%以上伸びており、4月度もトップグループは大きく売上げを伸ばしているといえる。
さらに、103%までの食品スーパーマーケットを見てみると、ヤオコー111.9%(既存店104.9%)、ハローズ107.6%(既存店101.5%)、マックスバリュ西日本107.2%(既存店98.8%)、マックスバリュ北海道106.0%(既存店104.9%)、スーパーバリュー 105.9%、マックスバリュ東海104.9%(既存店99.9%)、ダイイチ104.8%(既存店97.2%)、ヤマザワ104.7%(既存店103.6%)、マックスバリュ中部103.6%(既存店102.6%)、オオゼキ103.2%(既存店97.8%)、イズミ103.0%(既存店102.5%)という結果である。
なお、3月度、4月度やや伸び悩んだのは、今回の集計企業の中では、茨城県という被災地に店舗展開をしているカスミであり、3月度101.5%、4月度98.2%という結果であった。また、同じく、被災地に店舗展開をしているマックスバリュ東北であるが、3月度106.1%(既存店106.7%)、4月度96.2%(既存店96.9%)と、3月度は堅調な数字であったが、4月度は厳しい結果となった。
このように、食品スーパーマーケット業界の上場企業で月次売上速報を公表している22社、1,823店舗の3/11の東日本大震災のあった3月度、及び、翌月の4月度の結果は3月度が110.2%(既存店105.0%)、4月度が105.0%(既存店100.8%)となり、3月度は明らかに特需が発生したといえよう。そして、4月度もその余韻が残っており、堅調な結果となったといえる。したがって、商品の動向に大きな構造変化が起こったものといえ、今後、もとにもどるというよりも、新たな消費動向に変化しつつあると思われ、食品スーパーマーケット業界としては、この3月度、4月度の消費動向をしっかり見極め、今後の営業戦略を決めてゆく必要があろう。次回、ゴールデンウィーク後、5月度の結果がどのような数字となるか、その動向に注目である。
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