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May 21, 2011

リフト値はおもしろい!

   ここ最近、リフト値に触れる機会が多い。リフト値とは商品同士の関係を指標化したものであり、その起源は古い。ID-POS分析が開発される以前からリフト値は使用されており、いまでも様々な小売業が活用している。特に、クロスマーチャンダイジングを実戦する上においては、必須の指標であるといえ、ある商品とある商品がクロスマーチャンダイジングに適しているかどうかは、リフト値を算出し、この指標で判断することが一般的である。

   この指標、リフト値が古くから、小売業で実戦投入されていたのは、ID-POS分析ではなく、通常のPOS分析でも可能であるからである。以前、あるメーカーで、ID-POS分析のデータを入手したが、リフト値をもとにクロスマーチャンダイジングにふさわしい商品を選定して欲しいという依頼があった。そこで、早速、そのID-POS分析のデータを見てみると、そこにはIDが一切なく、あるのは、レシートのみの分析データであった。メーカーにデータを提供した小売業も、そのデータを入手したメーカーもリフト値はID-POS分析特有の分析と思っていたようであるが、実は、そうではない。現在、広く実戦されているリフト値はその大半がID-POS分析ではなく、通常のPOS分析の延長である。

   そもそも、リフト値は極めて単純な集合論であり、一見、計算式が複雑なように見えるが、リフト値のイメージを理解してしまえば、極めて単純な指標であることがわかる。そのイメージとは、まずは、商品が2つあり、その2つの商品が双方同時に購入されている場合もある関係があるとする。次に、その商品が通常購入される比率とその商品がもう一方の商品と同時に購入される比率とを見比べる。この時、通常購入される比率ともう一方の商品と同時に購入される比率の関係がリフト値である。すなわち、その商品が全体の中で購入されるよりも、もう一方の商品と同時に購入される比率との関係のことであり、これを指標化したものがリフト値である。

   したがって、リフト値が1以上となれば、その商品は通常の売場で販売するよりも、もう一方の商品とクロスマーチャンダイジングをかけた方が、より売れる可能性が高く、逆に、1以下であれば、クロスマーチャンダイジングをかけると、逆に売れなくなってしまう可能性があるということである。リフト値は高ければ高いほど良いといえ、実際に算出すると、10倍、20倍、50倍、100倍となることもある。

   以上がリフト値の概略であり、ここにはID-POS分析の必然性はなく、商品同士の集合論であるので、レシートのみ、すなわち、通常のPOS分析でもリフト値は算出することができる。実際、現在、実戦投入されているリフト値の大半はID-POS分析ではなく、通常のPOS分析であり、IDを把握しなくとも、算出可能なリフト値である。

   ちなみに、リフト値は逆から見ても同じ数字となる。2つの商品があった場合、どちらのリフト値も全く同じ数値となり、2つの商品があった場合は、どちらかのリフト値を算出すれば良く、2つのリフト値を算出する必要はない。これは、実際に2つの商品の関係を図解し、その関係を計算してみれば、実証できることである。たとえば、全体をZ、ひとつの商品のみを購入している数字をA、もう一方の商品のみを購入している数字をB、双方を購入している数字をCとすれば、リフト値はAから見た場合は、C/(B+C)/(A+C)/Z=C*Z/(B+C)*(A+C)となる。一方、Bから見たリフト値は、C/(A+C)/(B+C)/Z=C*Z/(A+C)*(B+C)となり、分母も分子も同じとなるからである。

   さて、ここでID-POS分析のリフト値はないのかであるが、ある。あまり一般化してはいないが、本来、ID-POS分析をするのであれば、ID-POS分析のリフト値を算出すべきである。従来のリフト値のレシートの代わりにIDとすれば、全く同じ考え方で、IDのリフト値を算出することができる。すなわち、2つの商品のIDの数、双方を同時に購入するIDの数、全体のIDの数が分かれば、ここからIDのリフト値を算出することが可能である。

   というよりも、本来はこれがリフト値の本質であろう。すなわち、対象商品の購入顧客を増やすのが、目的であるはずであり、その後、継続的にリピートしていただくことで、商品の売上アップにつながってゆくからである。したがって、これまでのレシートのリフト値はIDのリフト値の中に含まれる関係となり、より、顧客の購入実態をイメージとして鮮明に把握することができ、真のクロスマーチャンダイジングにつながるものといえよう。

   このようにリフト値は、レシートのリフト値のみで終わることなく、IDのリフト値にまで踏み込み、本来の商品の購入顧客の購入実態に迫り、そこからクロスマーチャンダイジングを検討すべきではないかと思う。この2つは対立する関係ではなく、IDがレシートを包み込む関係にあり、双方を算出し、さらに、金額、数量にまで踏み込み、ID-POS分析そのものの一環として、リフト値をとらえ直すべきではないかと思う。その意味でリフト値は、奥が深く、実におもしろい指標であるといえる。 

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May 21, 2011 in 経済・政治・国際 |

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