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May 16, 2011

ドコモ、テザリング解禁か?

   5/14の日経、1面トップに、「「光」並み通信、携帯で中継」、「ドコモなどがパソコン向け、固定回線不要に」という見出しの記事が掲載された。小見出しは、「無線・有線すみ分け崩れる」であり、図解を踏まえ、大きく取り上げている。さらに、この記事は3面、11面にも解説記事が掲載されており、力の入った内容である。5/14は土曜日であるので、株式市場は開かれておらず、その反応は、5/16(月)以降になるといえ、どのような結果となるか、興味深い動きが予想されよう。

   この記事のポイントは、携帯電話会社のみへの影響に留まらず、通信関連全般、インターネット関連全般、特に、パソコン関連、そして、家電等に関わってくるといえ、幅広い影響が各分野で起こるものといえ、実現すれば少なからぬインパクトが多方面へ波及するといえよう。M&A、業務提携、しかも、世界的な規模で起こる可能性もあるといえよう。
  
   さて、その内容であるが、日経11面に解説記事が掲載されており、それを見ると、「ドコモ携帯で通信中継、高速接続「光」主役に転換」という見出しでの解説記事である。この手法は、「テザリング」と呼ばれており、記事を見ると、「スマートフォン経由でパソコンをインターネットに接続する手法は「テザリング」と呼ばれ、ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルなどの携帯電話大手は利用を原則禁止してきた。」とのことで、その理由は、回線のパンクが起こりかねないということだそうだ。したがって、これまでは、このテザリングは構想としてはあっても、その実現が技術的に難しいという状況であったとのことである。
  
   それが、「ドコモがテザリングを本格化することにより、広範な地域で高速中継サービスが可能になり、光回線に対抗する有力な「ラストワンマイル」が生まれることになる。」とのことである。そして、「新サービス利用者はスマートフォン1台あれば、あらゆる機器でインターネット接続できるようになり、・・」とのことである。ここにスマートフォンが登場することになる。要は、スマートフォンが通話とデータの利用であった機器から、インターネット通信の通信基地との経由機器をかねるということである。スマートフォンさえあれば、これまでのように、インターネット回線にケーブルでつなぐ必要がなくなり、しかも、1台のスマートフォンで複数のパソコン、ゲーム機、家電等につなぐことができるとのことである。
   
   当然、NTTとしては、打撃を受けることになる。記事の中でも、「NTT東・西では光回線などのネット接続サービスが売上高の約4割を占め、収益の柱となっている。携帯会社との競争によって料金引き下げなどを迫られ、収益を圧迫される可能性もある。」とのことで、今後は携帯回線か光回線のどちらかを選択できるようになるとのことである。
   
   ドコモはNTTの子会社ではあるが、そのドコモが本格的にテザリンングに踏み切らざるを得ないほど、市場激変がおこりつつあるということであり、NTTとしても、トータルでの判断が働いているものと思われる。
  
   では、その市場激変とは何かであるが、2つの変化といえよう。ひとつは、国内、そして、もうひとつは海外である。国内では、ちょうど2011年3月期の携帯電話の決算が公表されたが、注目すべきは、ソフトバンクの総合ARPUが昨対を超えたことである。ここ数年、携帯電話会社の総合ARPUは低下傾向であったが、ソフトバンがiphoneを投入したことにより、データ(パケット)ARPUが急上昇し、音声ARPUの低下を補い、とうとう、この決算で世界ではじめて、データ(パット)ARPUが音声ARPUを逆転、しかも、総合ARPUをも押し上げる決算となったことである。ドコモ、auも同様なトレンドではあるが、総合ARPUはまだ昨対を割っており、この点ではソフトバンクが抜けた出しといえるからである。したがって、今後、急速にデータ(パケット)ARPUの時代となることは必須であり、その戦略商品がスマートフォンとなり、ここで、ドコモは後れをとれないという判断があったものと思われる。
   
   そして、海外では、Googleの開発した携帯電話のOS、Android(アンドロイド)にはすでにテザリング技術が組み込まれており、記事の中でも、「海外では米グーグルの携帯電話向け基本ソフト「アンドロイド」を搭載した機種などがネット接続の中継機能を備える。日本より光回線の普及が遅れている米国では、携帯を中継機にしたネット接続が主流になるとの見方もある」とのことで、海外、特に、米国で先に本格普及する可能性もあるからである。
   
   このように、記事の内容が正しければ、2012年度がテザリングの本格普及の年となる見通しであり、日本の生活が一変するだけでなく、ビジネスそのもののスタイルが大きく変わる可能性を秘めているといえ、業務提携、同業種、異業種のM&Aはもちろん、新たな、様々なサービスが登場するのではないかと思う。まさに、ARPUの時代到来といえ、今後、ARPUの動向には注目といえよう。

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