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May 22, 2011

リフト値から販促を考える!

   前回のブログに続き、リフト値について考えて見る。そもそも、リフト値のリフトが日本語ではよくわからない言葉である。なぜ、リフトなのか、何をリフトするのかである。ここが明確に認識されていないがゆえに、リフト値はクロスマーチャンダイジングの象徴的な指標として、独り歩きしているといえる。特に、併売分析と混同されることが多く、こうなると因果関係が逆転し、わけがわからなくなる。ただ、それも真といえば、真であり、実は、リフト値と併売分析とは強い因果関係がある。 

   そこで、まずは、リフト値のリフトの意味であるが、これは文字通り、Liftから来ている言葉であり、持ち上げるという意味である。何が何を持ち上げるかであるが、実はこれが、かなり誤解されており、持ち上げるとは一方的な図式が成り立っていると思われているが、実際は相互である。たとえば、商品Aと商品Bがあった場合、リフト値を算出した場合、商品Aが商品Bをリフト値Lで持ちあげていることが分かった場合は、同時に、商品Bも商品Aをリフト値Lで持ち上げている。すなわち、逆も真であり、リフト値は一方的な関係ではなく、相互補完関係にある。したがって、リフト値よりも、相性値とした方がその本質に近いといえ、リフト値は商品同士の相性の強さを表したものであるといえる。

   次に、併売分析との関係であるが、リフト値は併売分析から生まれる指標であり、併売分析がないと算出できない指標である。もうひとつ重要な指標がPI値である。ただし、このPI値は客数PI値のことであり、この2つの指標から算出される。リフト値はアメリカで開発されたため、併売率のことを信頼度(Confidence)と呼ぶが、これは分母が全体の場合である。併売率には、もうひとつ、分母が商品になる場合もあり、これがリフト値と関連してくる併売分析である。ちなみに、客数PI値はsupportと呼ぶ。ここから、リフト値は併売率(商品)/客数PI値で計算され、1.0以上のものが、まさに、リフトすると判断され、1.0以下のものが逆にダウンすると判断される。

   さて、通常は、これでリフト値はお終いであり、様々な商品のリフト値を算出し、実戦に入ることになるが、ここで、このリフト値を別の角度から検討してみたい。まずは、リフト値の数式であるが、リフト値=併売率(商品)/客数PI値であるので、これを変形すると、併売率(商品)=リフト値×客数PI値となる。これは何を意味しているかであるが、併売率はリフト値と客数PI値の掛け算で構成され、理想的な併売率はリフト値も客数PI値も高い商品であり、ついで、どちらかが高い商品となる。いずれにせよ、併売率を引き上げるには、この2つの指標が鍵を握っているということである。

   したがって、そもそもリフト値を実戦投入する目的は対象商品の顧客から、どれだけ顧客を獲得できるかにあるので、見方を変えれば、併売率を上げることであるといえる。したがって、リフト値が低くとも、客数PI値が極めて高ければ、併売率は高まることになり、このバランスが販促には重要な課題であるといえる。ここがリフト値の実戦的な活用のポイントであるといえ、リフト値だけでなく、特に客数PI値、そして、併売率(商品)も見ることがポイントであるといえる。

   そして、もうひとつ、通常、リフト値はレシートをもとに算出されるが、販促という観点から考えると、IDのリフト値をまず算出することが要諦である。なぜなら、本来の目的は対象商品を通じて、顧客を増やすことにあるといえ、そのためには、まずはID、そして、次がレシート、さらには、点数、金額という順になるからである。この一連の流れが、真の販促であり、しかも、これを一瞬の内に結果を出すのではなく、段階的に時間をかけて、確実に結果を出すことがポイントであるといえる。

   ID-POS分析では、売上高=ID×ID金額PI値=ID×ID客数PI値×金額PI値=ID×ID客数PI値×PI値×平均単価と分解できる。したがって、この一連の流れに沿って、まずは、IDの獲得を確実に実行し、次に、ID客数PI値、すなわち、レシート枚数を増やし、そして、PI値のアップ、平均単価の改善に入ることにより、商品の売上高が確実にあがることになる。しかも、できるだけ、速く結果を出すためには、計画的な取り組みが必須であり、結果、52週、104週、156週のマーチャンダイジングが課題となる。

   このように、リフト値は単なる商品間の関連度合いを見るための一指標ではなく、実は、販売促進の根幹にかかわるID-POS分析ならではの決定的な指標であるといえる。ID-POS分析ができるのであれば、IDからリフト値の算出を行い、併売率を高めるためのIDの獲得をまずは優先し、PI値にも注目すべきである。そして、次に、ID-POS分析の原点にもどり、従来のレシートのみへの落とし込みから、まずはID、そして、レシート、すなわち、ID客数PI値、PI値、平均単価の改善に踏み込み、段階的に売上高を、しかも、確実に引きあげてゆく販促手法を開発すべきであるといえよう。ID-POS分析ができるのであれば、このIDのリフト値にトライして欲しいところだ。

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May 22, 2011 in 経済・政治・国際 |

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