食品スーパーマーケット、2月決算、2012年中間予想!
本ブログではすでに3月度決算の食品スーパーマーケットの東日本大震災の影響および資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う影響について取り上げたが、2月度決算の食品スーパーマーケットについては、まだ、この2つが決算に反映されていなかったために、決算結果のみを取り上げた。そこで、ここでは、2月度決算の食品スーパーマーケットについて、今期、すなわち、2012年度2月期の決算における、この2つの影響を推測してみたい。推測にあたっては、通期予想、特に中間決算を用いる。中間決算予想は、まさに、3月から8月までの6ケ月間の予想であり、この予想を3月度に立てているので、当然、3/11の東日本大震災の影響、そして、今期から適用される資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う影響を加味しているからである。
まずは、東日本大震災の影響が予想される売上高あるいは営業収入および営業利益の2012年2月期の主要食品スーパーマーケットの中間決算の予想を見てみたい。中間決算が増収増益予想であるが、スーパーバリュー売上高255.00億円(6.5%)、営業利益6.18億円(30.6%:売上対比2.42%)、マックスバリュ東海売上高807.79億円(5.5%)、営業利益 19.50億円(5.3%:売上対比2.41%)、サンエー営業収益730.39億円(1.2%)、営業利益52.15億円(3.1%:営業収益比7.14%)、東武ストア売上高430.00億円(6.0%)、営業利益7.00億円(93.4%:売上対比1.62%)、ベルク売上高566.20億円(5.5%)、営業利益26.26億円(1.9%:売上対比4.63%)である。
ついで、減収減益、ないしは、どちらかの中間決算が昨対を下回る予想の企業であるが、マルエツ営業収益1,655.00億円(0.0 %)、営業利益30.00億円(-13.7%:営業収益比1.81%)、ライフコーポレーション営業収益2,470.00億円(3.9%)、営業利益42.30億円(-10.8%:営業収益比1.71%)、アークス売上高1,548.00億円(2.4%)、営業利益45.00億円(-1.3%:売上対比2.90%)、カスミ営業収益1,096.00億円(-0.2%)、営業利益32.00億円(-0.1%:営業収益比2.91%)、ハローズ売上高378.03億円(6.0%)、営業利益12.75億円(-8.1%:売上対比3.37%)である。
こう見ると、ここでは、ランダムに10社取り上げてみたが、この中間決算で増収増益予想が5社、減収減益かどちらかが減少する予想が5社であり、半々となった。したがって、東日本大震災の影響は食品スーパーマーケット業界にとっては、深刻な影響ではないと主要食品スーパーマーケットは見ているといえよう。特に、減収予想はカスミの-0.2%のみであり、減収への影響はほとんどないといえる。また、減益については、マルエツが-13.7%、ライフコーポレーションが-10.8%、ハローズが-8.1%と、この3社が大きいが、他の食品スーパーマーケットはわずかである。したがって、東日本大震災が食品スーパーマーケットの経営に与える影響は、各食品スーパーマーケットは軽微であると予想しているといえ、今期の食品スーパーマーケットは営業面では堅調な決算結果が予想されよう。
一方、資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う影響が直接反映される当期純利益について見てみたい。先にあげた10社の食品スーパーマーケットの予想であるが、当期純利益が増益の食品スーパーマーケットはマルエツ1.50億円(12.4%)、スーパーバリュー2.17億円(42.6%)、サンエー32.22億円(6.2%)の3社のみである。ついで、減益予想の食品スーパーマーケットであるが、マックスバリュ東海4.18億円(-13.8%)、ライフコーポレーション14.30億円(-42.9%)、東武ストア0.35億円(-80.6%)、アークス24.00億円(-16.25%)、カスミ-20.00億円、ハローズ5.92億円(-18.7%)、ベルク13.61億円(-9.2%)である。
こう見ると、10社の内、7社が当期純利益が減益となる中間決算の予想であるといえ、今期、食品スーパーマーケットへの資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う影響はかなり大きいといえよう。もちろん、減益要因はこれだけではないといえるが、3月度食品スーパーマーケットの実際の数字で検証した結果は平均売上対比0.2%前後はあるといえるので、営業利益率が少なくとも0.2%以上の改善がない限り、当期純利益の減益決算は免れない状況にあるといえ、このような厳しい中間決算予想となったものと思われる。
このように、2012年度の食品スーパーマーケットの決算は、2月度決算の食品スーパーマーケットにとっては、3/11の東日本大震災の影響に加え、資産除去債務に関する会計基準の適用が為されるため、決算結果に少なからず影響が生じるものと思われる。実際、その影響が強く反映される中間決算の予想をランダムに選んだ2月度決算の食品スーパーマーケット10社で見てみたが、東日本大震災の影響は比較的軽微と予想している食品スーパーマーケットが多いといえる。ただ、資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う影響については、大半の食品スーパーマーケットが当期純利益に関しては減益予想であり、厳しい予想である。したがって、今期の食品スーパーマーケット業界の経営目標は営業利益率をいかに改善できるかが、最優先での経営課題といえ、そのためにも原価、経費の改善はもとより、既存店の活性化が鍵を握るといえよう。今後、各社、どのような経営方針を打ち出すか注目である。
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