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June 04, 2011

家計調査データ、2011年4月度、震災後は?

   総務省統計局から5/31、2011年4月度の最新の家計調査データが公表された。前月、3月度の3/11、東日本大震災後の消費動向を探る上において、貴重な統計データである。前回は被災地、仙台市、福島市の数字が震災の影響により、集計されていなかったが、今回、4月度も福島市の数字は依然として集計されていないが、仙台市については、4件であるが、集計されており、はじめて、被災地、仙台市の消費実態も部分的ではあるが、明らかになった。また、同時に公表された「東日本大震災の発生に伴う消費支出の地方別対前年同月実質増減率及び主な費目別内 訳の寄与度」を見ると、被災地の消費実態も東北地方及び関東地方として全国、他の地方との比較が主要費目であるが、分析されており、今回の震災が与えた消費への影響が伺える。

   そこで、まずは、この震災の消費への影響から見てみたい。本ブログでは名目での比較をしているが、この寄与度は実質での数字であり、ブログの数字とは若干違うが、その結果を見ると、全国の全体の消費額は-3.0%であるのに対し、東北地方及び関東地方は-3.5%であり、0.5ポイントマイナスである。他の地方が-2.6%であるので、他の地方と比べると、0.9ポイントのマイナスであり、被災地の消費が厳しい状況にあることがわかる。

   その中身であるが、東北地方及び関東地方の消費額を実質の寄与度で見ると、主要費目では、住居が-1.27%(全国-0.47%、他の地方0.18%)であるので、住居関連が大きくマイナスとなっているのが特徴である。特に、他の地方がプラスに対して、東北地方及び関東地方が大きくマイナスであり、この住居が決定的な消費を引き下げている要因といえる。一方、逆に消費額がプラスになっている主要費目もある。交通・通信0.66%(全国-0.31%、他の地方-1.12%)であり、対照的な消費額である。さらに、家具・家事用品0.25%(全国0.02%、他の地方-0.16%)、被服及び履物0.17%(全国0.18%、他の地方0.18%)であり、この3つの主要費目が東北地方及び関東地方がプラスになった項目である。特に、交通・通信は東北地方及び関東地方のみの消費額がプラスになっており、まさに、震災後の大きな特徴といえよう。

   これ以外では、教養娯楽-0.65%(全国-0.37%、他の地方-0.15%)、光熱・水道-0.57%(全国-0.35%、他の地方-0.17%)、そして、食料-0.44%(全国-0.03%、他の地方0.29%)である。こう見ると、東北地方及び関東地方が大きくマイナスとなったのは住居であり、逆にプラスとなったのは交通・通信であり、この2つの主要費目が震災の影響、マイナス面とプラス面であるといえよう。

   さて、ここからは、全国の家計調査データをもとに、この4月度の消費状況を見てみたい。まずは、全体の1日当たりに換算した消費額であるが、9,751.97円(97.5%)と、厳しい結果となった。内、外食を除く食品は1,885.40円(99.3%)と比較的堅調な結果となった。ちなみに、外食は393.53円(95.1%)と、全体以上に厳しい結果である。それでも、3月度は363.58円(84.0%)であるので、回復基調にはあるといえるが、依然として、厳しい消費状況といえる。

   食品、外食以外では、マイナスとなったものは、住居601.57円(92.5%:3月度83.2%)、光熱・水道784.20円(98.7%、3月度102.4%)、家具・家事用品296.30円(97.7%、3月度93.4%)、交通・通信1,226.07円(99.2%、3月度87.3%)、教育676.53円(89.0%、3月度79.7%)、教養娯楽1,020.90円(95.2%、3月度80.9%)、その他の消費支出2,030.67円(98.3%、3月度93.66%)である。この内、教育は、3月度まで大きくマイナスであった国公立高校30.73円(106.8%、3月度33.5%)、私立高校55.33円(63.9%、3月度69.6%)と、国公立高校が1年を経過し、プラスに転じた。ちなみに、たばこであるが、30.40円(91.8%、3月度102.2%)と、マイナスに転じており、消費の中身が変わりつつあるといえる。

   一方、プラスになったものは、被服及び履物393.20円(104.1%、3月度83.99%)、保健医療443.63円(103.4%、3月度106.7%)の2つであり、この4月度も3月度同様、厳しい消費状況が続いているといえる。そのプラスになった主な項目であるが、被服及び破履物では、シャツ・セーター類84.23円(112.4%、3月度83.6%)、下着類31.73円(110.8%、3月度92.9%)、履物類54.90円(105.4%、3月度84.4%)である。また、保健医療であるが、医薬品78.07円(104.9%、3月度108.1%)、保健医療サービス262.07円(118.0%、3月度111.0%)である。したがって、消費がプラスになったのは、この4月度も依然としてわずかであるといえ、消費は厳しい状況にあるといえる。

   このように、これで、前月の3月度、そして、今回の4月度と3/11の東日本大震災後の家計調査データが明らかにあった。結果は、全体の消費額はマイナスとなり、全国的に厳しい消費環境が続いているといえよう。ただ、依然として、3重苦、地震、津波、原発の真っただ中にある福島市の消費額は集計されておらず、その数字は加味されていない。その意味で、震災は継続しているといえ、もうしばらく、すべての家計調査データが揃うまでには時間がかかりそうである。来月はゴールデンウィーク後の5月度の数字が明らかになるが、どのような結果となるか、その結果が気になるところである。

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