食品99.3%、家計調査データ、2011年4月度!
前回のブログに引き続き、家計調査データ2011年4月度を取り上げる。前回が4月と3月度を比較対照させながら、消費全体の動きを取り上げたので、ここでは、食品に絞って取り上げてみたい。家計調査データは食料という項目で食品スーパーマーケットで扱かっている食品関係の消費データを集計している。ただ、この中には、エンゲル係数を算出するために、外食も含まれており、食品スーパーマーケットの実際の商品とはズレがある。そこで、本ブログでは、食料から外食を外し、新たに食品という新しい項目をつくり、家計調査データを集計し直している。
その食品の2011年4月度の家計調査データの結果であるが、1,885.40円(99.3%)という結果となり、わずかに昨年を下回った。ただ全体が9,751.97円(97.5%)であるので、全体よりは下げ幅は少なく、食品は比較的堅調な数字といえよう。ちなみに、3月度は全体が9,457.45円(91.6%)、食品が1,918.48円(100.5%)であるので、全体は回復基調にあるが、食品は逆に若干下がっており、やや気になる結果である。なお、ここでの家計調査データの数字は、食品スーパーマーケットの金額PI値と連動を図るために、1回当たりの購入金額に近い数字として、月間の消費額を1日当たりに換算しているので、実際の家計調査データよりは、この4月度は1/30の数字となる。
では、この4月度、食品が伸び悩んだ要因であるが、大分類で、昨対を割ったものを見てみると、穀類205.93円(96.3%)、魚介類200.23円(92.6%)、乳卵類107.07円(99.4%)、野菜・海藻276.50円(95.6%)の4分類である。ちなみに、3月度は、魚介類210.61円(94.0%)、乳卵類104.29円(98.1%)、菓子類213.97円(92.3%)、酒類97.84円(96.2%)の4分類であった。いずれも4分類であるが、魚介類、乳卵類は共通しているが、4月度は穀類、野菜・海藻類が、菓子類、酒類と入れ変わった状況である。特に、生鮮食品の根幹ともいえる野菜・海藻類の落ち込みが気になるところである。
そこで、野菜・海藻について、さらに、その中身を見てみると、豆類1.00円(53.6%)、わかめ3.63円(70.3%)、レタス5.43円(79.5%)の3項目が昨対80%を下回る。ついでキャベツ8.27円(81.8%)、他の葉茎菜18.07円(83.9%)、他の野菜のその他 4.40円(84.1%)、干ししいたけ1.17円(85.4%)、はくさい2.40円(86.7%)、だいこん4.43円(87.5%)、生しいたけ4.97円(87.6%)、ねぎ6.43円(88.1%)、もやし3.30円(88.4%)、ほうれんそう5.83円(88.8%)、他のきのこ11.63円(89.5%)が90%を下回る。
これに対し、プラスになったものは、じゃがいも10.90円(113.1%)、なす5.37円(121.1%)、さやまめ6.83円(121.3%)、にんじん7.87円(123.6%)が110%以上伸びた項目である。これ以外で100%以上の野菜を見ると、たまねぎ12.43円(101.6%)、トマト18.70円(102.0%)、れんこん2.03円(105.2%)、ブロッコリー3.57円(108.1%)であり、プラスがいかに少ないかがわかる。
また、穀類も、この4月度は厳しい消費であったが、その中身は、米67.27円(89.3%)、小麦粉2.03円(85.9%)、他のめん類1.83円(85.9%)、カップめん8.43円(93.4%)、生うどん・そば9.40円(94.6%)、スパゲッティ3.70円(95.7%)、他の穀類のその他6.27円(96.4%)である。一方、食パン25.67円(100.0%)、即席めん4.50円(100.0%)、他のパン57.70円(101.9%)、中華めん11.83円(102.6%)、もち2.17円(106.6%)、乾うどん・そば5.10円(114.2%)はプラスであり、パン関連が比較的堅調な動きであったといえる。
以上が、この4月度、食品の消費額全体を押し下げた部門であるが、反対に、食品全体を押し上げた部門を見てみたい。肉類206.20円(103.1%)、果物81.83円(100.2%)、油脂・調味料104.17円(100.6%)、菓子類207.33円(100.3%)、主食的調理食品114.70円(103.8%)、飲料121.40円(103.6%)、酒類109.07円(101.6%)である。この内、特に肉類は3月度が101.1%であり、4月度は103.1%と良く伸びている。そこで、その要因を見てみると、他の加工肉5.77円(122.7%)、ベーコン6.80円(107.4%)、ハム11.73円(103.5%)、ソーセージ20.27円(101.8%)と、加工肉の消費が高いといえる。また、豚肉67.50円(105.3%)、牛肉50.97円(104.6%)、合いびき肉5.67円(103.0%)、生鮮肉も高いが、鶏肉32.33円(94.8%)、他の生鮮肉5.17円(98.1%)と、この2項目は昨対を割った。
この肉類に加え、主食的調理品、すなわち、惣菜も103.8%と高い数字であり、3月度も104.0%と高い数字である。そこで、その要因を見て見ると、うなぎのかば焼き5.77円(116.9%)、他の主食的調理食品24.53円(112.7%)、やきとり5.33円(108.8%)、ぎょうざ6.20円(108.1%)、天ぷら・フライ25.63円(106.7%)、他の調理食品のその他61.37円(105.7%)が105%以上の項目である。また、飲料も103.6%と伸び率が高いが、その要因は110%以上の項目がミネラルウォーター10.63円(184.4%)、炭酸飲料9.50円(114.9%)緑茶13.73円(110.2%)と3つあり、これらが震災以降、特需となっているためといえよう。
このように、3/11の東日本大震災以降、3月度、4月度の家計調査データを見ると、食品は比較的堅調な動きであるといえ、他の消費が厳しい中、安定した数字を維持しているといえる。特に、肉類、主食的調理品、すなわち、惣菜、そして、飲料の伸び率が高いといえ、震災特有の特需の部門といえよう。気になるのは4月に入って、穀類、野菜・海藻の消費が下がっていることである。次回、5月度、食品に関しては、ほぼ震災後の流れが固まりつつあるといえるが、昨年のゴールデンウィークとの差がどのような結果となるか、気になるところである。
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