食品スーパー、販売統計、2011年5月度、100.3%!
6/21、日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、社団法人新日本スーパーマーケット協会の食品スーパーマーケット業界3団体合同のスーパーマーケット販売統計調査(5月実績速報版・4月実績確報版)が公表された。集計企業は全国280社、総店舗数7,565店舗であり、食品スーパーマーケット最大規模の販売統計である。結果は全体の売上高8,049.34億円、昨対100.3%、既存店98.0%となり、やや厳しい結果となった。4月度確報が101.2%(既存店99.4%)、3月度が103.6%であるので、徐々に数字が下がり気味で推移しており、気になる結果である。
この販売統計はエリア別、規模別にも集計されており、その結果を見ると、北海道・東北エリア99.6%(既存店99.9%)、首都圏エリア99.9%(既存店97.3%)、北信越エリア101.4%(既存店99.4%)、東海エリア98.2%(既存店96.6%)、関西エリア102.0%(既存店97.3%)、中国・四国エリア99.8%(既存店99.2%)、そして、九州・沖縄エリア100.4%(既存店97.8%)という結果である。気になる北海道・東北エリアであるが、特に既存店が99.9%となり、わずかに、昨対は下回ったものの、全エリアの中では、最も高い数字であり、回復基調であるといえ、東日本大震災の影響も数字上は一段落しつつあるといえよう。
一方、規模別での結果であるが、1~3店舗101.2%(既存店97.7%)、4~10店舗98.8%(既存店97.9%)、11~25店舗99.5%(既存店97.8%)、26~50店舗100.5%(既存店98.7%)、51店舗以上100.6%(既存店97.8%)という結果であり、1~3店舗の小規模企業が比較的健闘しているといえる。ちなみに、全体の規模であるが、503.52坪、売上高は月商1.06億円であるので、年商では約12億円となる。
そこで、この5月度、部門別にはどのような結果であったかを見てみると、最も伸びた部門は畜産の103.4%(既存店100.9%)であり、3/11の東日本大震災以降、畜産が食品スーパーマーケット全体を牽引しているといえる。畜産は4月度も104.7%(既存店102.8%)で惣菜と並びNo.1部門であり、3月度はNo.1ではないが、104.0%と高い数字であり、3ケ月連続、好調な部門である。ちなみに、畜産は昨年の9月までは昨対を割っており、10月以降昨対を上回り、今年に入り100%強で推移していた。したがって、この1年間上向きで推移してはいたが、3月以降、104%を超え、一段と高くなり、震災後プラスの影響が出ているといえよう。
畜産についで、伸び率の高い部門は、日配102.5%(既存店99.5%)、惣菜102.4%(既存店99.4%)であり、この2部門が好調といえよう。4月度は日配102.7%(既存店100.6%)、惣菜104.7%(既存店101.3%)、3月度は日配は集計されておらず、惣菜だけになるが102.0%であるので、この2部門も畜産についで、食品スーパーマーケット全体を震災以降、牽引している部門であるといえる。
これに対して、昨対を割った部門であるが、青果が97.2%(既存店94.8%)と、最も低い結果であり、4月度99.4%(既存店97.6%)、3月度104.2%と比べても、急激に数字を落としているといえる。特に青果は、この1年間食品スーパーマーケット全体の数字を力強く牽引してきた部門だけに、震災以降、急角度で売上げを下げており、今後の動向が気になるところである。昨年は7月以降、数字が急激に伸びていたこともあり、今期は厳しい結果となる可能性が高く、当面、青果をどう立て直すかが食品スーパーマーケットにはとっては課題といえよう。青果についで、厳しい部門は水産の98.1%(既存店95.7%)である。4月度99.2%(既存店97.3%)、3月度98.7%であり、しかも、昨年度は100%を超える月がなく、厳しい数字で推移しており、今期も厳しい数字であり、青果以上に、食品スーパーマーケットにとっては中長期的な課題部門といえよう。
結果、生鮮3品では畜産の一人勝ちといえる状況であり、これまで好調であった成果が急激に失速し、課題であった水産も依然として厳しい数字で推移しており、食品スーパーマーケットとしては、畜産を中核に1本柱の販売戦略を構築せざるをえない状況にあるといえる。
これ以外の部門であるが、惣菜102.4%(既存店99.4%)、4月度104.7%(既存店101.3%)、3月度102.0%、一般食品100.6%(既存店98.2%)、4月度101.1%(既存店99.3%)、3月度107.0%、非食品98.6%(既存店96.8%)、4月度99.1%(既存店98.3%)、3月度100.1%という結果である。この中で気になるのは、非食品の動向であり、特に、コンビニでは震災以降、急激に数字を伸ばし、いまや、コンビニの牽引役となりつつあるが、食品スーパーマーケットでは、この数字のように伸び悩んでおり、非食品は食品スーパーマーケットでは今後の課題のひとつといえよう。
このように、小売業でも最大規模の食品スーパーマーケット業界の販売統計データの最新、2011年5月度が公表されたが、結果は100.3%と、昨対は超えたが、3月の震災以降、伸び率は下がり気味で推移しており、ここへ来て、やや厳しい結果といえよう。特に、生鮮3品では水産部門に加え、青果部門も厳しい状況であり、生鮮3品では畜産のみが好調な結果といえ、バランスを欠いた状況であるといえる。特に、青果は昨年丸1年間、食品スーパーマーケット全体を牽引してきただけに、気になる数字である。次回6月、そしして、一気に夏場となるが、食品スーパーマーケットの中核は生鮮3品であり、青果、水産をどのように活性化してゆけるか、食品スーパーマーケットの今後の生鮮食品のマーチャンダイジング戦略に注目である。
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