食品スーパー売上速報、2011年5月度、101.9%!
主要食品スーパーマーケットの5月度の売上速報が明らかなり、独自に集計した。結果は全体が101.9%、既存店が99.8%となり、3月度、4月度と比べ大きく伸び率が下がった。3月度は110.2%(既存店105.0%)、4月度は105.0%(既存店100.8%)であるので、5月度は明らかに売上げが鈍化しており、3/11の東日本大震災の特需が一段落し、昨年並みの水準に消費はもどりつつあるといえよう。
今回集計した食品スーパーマーケットは、一部、スーパーセンターを展開しているホームセンターも含め、22社である。その内訳は、ヤマザワ、アークランドサカモト、バロー、ヤオコー、ハローズ、マックスバリュ西日本、ユニバース、マックスバリュ東海、イズミ、オオゼキ、マックスバリュ北海道、ダイイチ、スーパーバリュー、カスミ、マックスバリュ中部、いなげや、マックスバリュ東北、マルエツ、PLANT、エコス、Olympic:フード、トーホーであり、総店舗数は約1,800店舗となる。
それにしても、いかに、3/11の東日本大震災が食品スーパーマーケット業界へ与えた影響が全国的規模で大きかったかがわかる。また、その影響がやや下がったとはいえ、4月度も継続していたといえる。そして、5月度であるが、特に、ゴールデンウィークが含まれていることから、消費者の自粛ムードがどのように反映されるかが注目されたが、結果を見ると、伸び率は3月、4月度と比べ下がってはいるが、101.9%と昨対をわずかに上回り、堅調な数字を維持しており、食品に関しては、このゴールデンウィークも昨年同様の消費であったといえよう。
そこで、この5月度、特に、売上げを伸ばした食品スーパーマーケットであるが、110%以上は3社である。ヤマザワ112.1%(4月度104.7%、3月度110.5%)、アークランドサカモト111.8%(4月度116.0%、3月度116.5%)、バロー110.2%(4月度116.0%、3月度120.2%)であり、ヤマザワは4月度やや売上げが下がったが、いずれも、3月度、4月度と2桁の売上げである。ただ、全体の売上げには新店が入っているため、既存店で見ると、ヤマザワ110.2%(4月度103.6%、3月度107.7%)、アークランドサカモト106.6%(4月度110.0%、3月度108.8%)、バロー101.6%(4月度105.3%、3月度107.3%)であろ。3社とも既存店も堅調であり、この3社は震災以降も安定した売上げを維持しているといえる。
特に、ヤマザワは山形県と宮城県を中心に店舗展開しており、被災地でもあり、しかも被災した店舗もある中での、この22社の中で、この5月度No.1の売上高の伸び率であり、被災地域の消費の回復が伺える数字である。ただ、同じ、被災地に店舗展開をしている秋田県を地盤とするマックスバリュ東北であるが、5月度98.2%(4月度96.2%、106.1%)と、この5月度は昨対を割っており、厳しい状況であり、明暗が分かれたといえる。
また、この5月度No.2にスーパーセンターを展開しているホームセンターのアークランドサカモトが入ったが、同じ、業態のPLANTを見ると、PLANT 5月度97.1%(4月度101.6%、3月度109.6%)という状況であり、明暗が分かれた。特に、PLANTは福島原発事故の影響で大熊店(福島県双葉郡大熊町)の営業が見込めない状況であり、営業店舗数が減少したことも大きいといえる。福島県に展開している食品スーパーマーケットは、いずれも原発事故の影響があり、厳しい状況が続いているといえる。
この3社についで、この5月度、堅調な売上げとなった食品スーパーマーケットであるが、ヤオコー109.5%(4月度111.9%、3月度120.4%)、ハローズ105.1%(4月度107.6%、3月度110.5%)、マックスバリュ西日本104.6(4月度107.2%、3月度111.3%)、ユニバース104.1%(4月度100.7%、3月度104.0%)、マックスバリュ東海103.6%(104.9%、3月度113.9%)、イズミ103.0%(4月度103.0%、3月度102.5%)、オオゼキ 102.9%(4月度103.2%、3月度105.8%)である。中でも、ヤオコーは3月以降、好調な売上げを維持しており、先の3社に匹敵する安定した数字である。
一方、この5月度、売上げが伸び悩んだ食品スーパーマーケットであるが、マルエツ97.9%(4月度98.7%、3月度112.8%)、PLANT97.1%(4月度101.6%、3月度109.6%)、エコス96.0%(4月度97.7%、3月度105.8%)、Olympic:フード92.2%(4月度123.3%、3月度123.3%)、トーホー91.1%(4月度95.9%、3月度103.3%)という結果である。マルエツ、エコス、Olympic、トーホーと比較的都心部に立地している食品スーパーマーケットが多いといえる。
このように、震災後3ケ月目となった食品スーパーマーケットの売上げであるが、3月度、4月度の特需が一段落し、堅調な売上げとなったといえる。全体も101.9%と落ち着いた数字となり、数字で見る限り、通常の営業状況に戻ったといえよう。ただ、個々に見ると、110%の成長を維持している食品スーパーマーケットから、昨対を割る食品スーパーマーケットと、明暗が分かれており、震災後、2極化が起こりつつあるともとれる数字である。来週以降は2月期決算企業の第1四半期決算が公表され、ちょうど、この3月から5月までの決算であり、震災の影響が組みこまれるため、より、食品スーパーマーケット業界への震災の影響、その後の現況が明らかになるといえよう。今後、その結果を踏まえ、食品スーパーマーケットの経営戦略がどう変化するか注目である。
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