アークス、ユニバースの株式交換による経営統合!
6/29、アークス、ユニバースが株式交換による経営統合を公表した。株式交換比率はユニバースの普通株式1 株に対してアークスの普通株式1.205 株を割当てることにより、アークスがユニバースを吸収し、ユニバースは10月に上場廃止となる予定である。また、それを前提に、ユニバースは自社株買いを公開買付けで行い、その後、アークスとの株式交換となる予定である。アークス、ユニバースは、ともにCGCグループであるため、以前から企業間の交流はあったものの、アークスは北海道、ユニバースは青森と商圏が別であり、しかも、北海道と本州の食品スーパーマーケットであり、独立自尊の関係にあったといえる。また、どちらも、今期2011年度の決算結果を見ても増収増益と好決算であり、財務も良好、差し迫った経営統合の理由はなかったといえる。したがって、中長期的な戦略を見据えた上での経営統合であるといえよう。
ちなみに、日経MJが同日、6/29に公表した小売業売上高ランキングによれば、アークスは37位(3,036.08億円)、ユニバースは99位(1,025.82億円)であり、双方が統合すると単純合計で4,061.90億円となり、25位となる。食品スーパーマーケット業界では、イズミの14位(5,023.79億円)、ライフコーポレーションの17位(4,808.21億円)につぐ、3番目の売上高となり、食品スーパーマーケット業界はもちろん、小売業界においてもトップクラスの売上規模となる。
さて、双方が公表した「本経営統合の目的」を見ると、「アークス及びユニバースは比較的相対優位を保ってまいりましたが、少子高齢化や人口減少により一層厳しい環境を迎えております。このような事業環境を克服するために、両社はより一層お客様満足度の向上を目指し、経営指標、経営効率の向上を図っていかなければなりません。」と、中長期的に、経営指標、経営効率の向上を目指すとのことである。さらに、「現状を維持するだけでなく、企業としての拡大、成長を図ることが、両社の優先すべき課題、使命であると考えております。」とのことで、企業の拡大、成長を上げている。そして、これらを踏まえ、「両社の経営資源、経営手法を融合させ、全体最適の実現とグループシナジーの特大化により、一層の競争力強化を図り、従来の展開エリアを越えて、広く東日本を視野に入れた流通企業グループの形成を目指すものであります。」と、北海道から東日本を視野に入れた流通グループを目指すとのことである。
したがって、この目的を見る限り、今回の経営統合は、当然、アークスとユニバースの2社のみの経営統合に留まらず、経営指標、経営効率の向上を図り、企業の拡大、成長を目指し、東日本を視野に入れた流通グループを目指すためには、さらなる経営統合へと向かうことになるものといえ、食品スーパーマーケット業界においての新たな広域流通グループの誕生といえよう。
そして、経営統合後の新アークスの概要であるが、社名は株式会社アークス、資本金200億円、代表者は代表取締役会長、三浦紘一氏、代表取締役副会長、福原朋治氏、代表取締役社長、横山清氏の3名、所在地は北海道札幌市となる予定である。また、事業内容は、「スーパーマーケット事業等を行う国内外の会社の株式または持分を取得、所有することにより当該会社の事業活動を支配、管理する純粋持株会社」であり、純粋持株会社となる予定である。この事業内容を見ると、国内外とうたっており、将来的には海外の食品スーパーマーケットの経営統合も視野に入っているといえよう。
なお、今後の段取りであるが、「本株式交換契約承認取締役会(アークス・ユニバース) 平成23 年 6月29 日(水)、本株式交換契約締結(アークス・ユニバース) 平成23 年 6月29 日(水)、臨時株主総会基準日公告日(アークス・ユニバース) 平成23 年 6月30 日(木) (予定)、臨時株主総会基準日(アークス・ユニバース) 平成23 年 7月22 日(金) (予定)、臨時株主総会(アークス・ユニバース) 平成23 年 9月 7日(水) (予定)、最終売買日(ユニバース) 平成23 年10 月17 日(月) (予定)、上場廃止日(ユニバース) 平成23 年10 月18 日(火) (予定)、本株式交換の効力発生日 平成23 年10 月21 日(金) (予定)」と進んでゆく予定であり、今年の秋、10/21に経営統合がなされる予定である。
それにしても、今回のアークスとユニバースの経営統合は、食品スーパーマーケット業界の競争環境が近隣の食品スーパーマーケット同士の競争から、商圏の異なる地域間での経営統合がなされ、地域間競争の段階に入ったといえる。これを機会に、日本全体の食品スーパーマーケットの再編に発展する可能性が高いといえ、いつ、次の地域間統合が起こっても不思議ではないといえる。
今回の売上高の規模が約4,000億円であることからも、5,000億円、そして将来的には、1兆円の食品スーパーマーケットの誕生が視野に入ったといえ、食品スーパーマーケット業界が本格的な再編の時代に入りつつあるといえよう。今後、セブン&アイH、イオン、ウォルマート(西友)等の大手小売業からの再編、各地域で年商2,000億円を超える食品スーパーマーケットを主体とした再編、さらには、異業種からの再編も起こる可能性もあり、今回のアークス、ユニバースの経営統合は、食品スーパーマーケット業界の本格的な再編の時代の先鞭をつけた動きといえよう。
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