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June 01, 2011

食品スーパーマーケットの経営目標を見る!

   食品スーパーマーケット業界の2011年2月期、3月期、そして、4月期の決算の公表がすべて終了した。現在、その集計に入っており、いずれ、財務3表連関分析2011として、リリースする予定である。ここでは、決算短信を読み込む中で、気になる項目があったので、その項目についてまとめてみたい。その項目とは、「目標とする経営指標」である。

   決算短信においては、その大半の企業が、「目標とする経営指標」を公表しているが、その中身がまちまちであるのに驚かされる。食品スーパーマーケットの経営はP/L、B/S、そして、CFに集約されるが、この内、経営と最も関係の深い財務諸表はB/Sであるといえる。したがって、当然、「目標とする経営指標」もB/Sを中心に各食品スーパーマーケットが目標を作っているのではと思われるが、実際の決算短信を見ると、B/Sを真正面から取り上げ、「目標とする経営指標」にしている食品スーパーマーケットは決して多くはない。

   多くの食品スーパーマーケットがP/Lをもとに「目標とする経営指標」を設定しており、特に多いのが経常利益率である。そのいくつかの代表的な食品スーパーマーケットを上げると、ユニバース(当社は、売上高経常利益率を経営の最重要指標と位置付け、・・)、スーパーバリュー(当社グループは、事業の収益性を表す指標として売上高経常利益率を設定し、売上高経常利益率4.0%を当面の目標として掲げ、・・)、サンエー(売上高経常利益率7%台を維持することを目指し収益力の向上に努め、・・)、ライフコーポレーション(当面の目標である250店舗、売上高5,000億円、経常利益率3%(150億円)を目指して成長戦略を進め、・・)、東武ストア(当社グループ連結の経常利益率3.0%を確実に達成できる企業を目指し、・・)、ベルク(連結売上高経常利益率を重要な経営指標と捉え、4.5%以上の確保に向けて、今後の事業戦略に反映させ、・・)、オークワ(営業収益経常利益率を本業の収益性が的確に表れた指標として捉え、この目標を4%に設定し、・・)等である。

   また、経常利益率ではなく、同じくP/Lであるが、営業利益率を上げている食品スーパーマーケットもある。いなげや(当社は、安定した収益性の堅持を経営目標とし、中長期的に営業利益の増大を目指し、・・)、平和堂(収益性の指標として、売上高営業利益率4%を目標として収益力の向上に取組んで、・・)であり、さらに、一部、営業利益率を上げている食品スーパーマーケットとしては、マックスバリュ北海道(目標とする経営指標目標とする経営指標としましては、売上高営業利益率の他、・・)、マクスバリュ中部(目標とする経営指標としましては、売上高営業利益率の他、・・)等である。

   以上が、P/Lを「目標とする経営指標」にしている食品スーパーマーケットであるが、次に、B/Sを上げている食品スーパーマーケットを見てみたい。B/Sも実はまちまちであるが、大きく、2つに分かれる。ひとつはROA(総資本利益率)、そして、もうひとつはROE(株主資本利益率)である。

   まずは、ROA(総資本利益率)を「目標とする経営指標」とする食品スーパーマーケットであるが、バロー(当社は、総資産経常利益率(ROA)の向上を経営目標としております。当面の目標として10%を掲げ、総資産回転率と経常利益率の改善に努め、・・)、原信ナルスH(当社グループは総資本経常利益率(ROA)を経営の重要指標と位置付け、15%を長期目標に掲げています。また、当面の目標として10%を上回るべく総資本回転率と利益率の改善に努め、・・)、ヤマナカ(当社グループは、総資本経常利益率を重要な経営指標とし、収益性及び経営効率の向上に取り組んで、・・)、マックスバリュ東海(経常ROA(総資産経常利益率)については10%以上を、目標数値とし、・・)、アークス(当社グループは、主要経営指標のなかでも特に、総資産経常利益率(ROI)と総資産回転率を重視しており、ROI10%以上、総資産回転率3回転以上を中長期的な目標、・・)、カスミ(当社では、総資産経常利益率を目標とする経営指標とし、持続的な成長を続けながら、収益力の強化と資本の効率化を図り、中長期的な向上を目指し、・・)、マックスバリュ北海道(経常ROA(総資産経常利益率)ならびに経常ROE(自己資本経常利益率)を効率分析の重要指標として位置づけ、・・)、マクスバリュ中部(ROA(総資産当期純利益率)、ROE(株主資本当期純利益率)を経営分析の重要指標と位置づけ、・・)である。

   この中でも、異色なのは、ハローズであり、(当社の経営上の目標指標は、総資産経常利益率(ROA)であります。当社は、この指標を達成するため、売上高経常利益率及び総資産回転率の向上を目指しております。売上高経常利益率におきましては、高収益商品の開発、情報システム及び物流システムの改革並びに固定費の削減等に取り組み、売上高経常利益率4.0%を目指しております。また、総資産回転率におきましては、用地の取得形態を賃借物件3に対し、取得物件1の割合を基準とし、主に事業用定期借地契約を行うことにより、新規出店に伴う設備投資額を抑え、総資産回転率2.5回を目指しております。以上の取り組みにより、当社は、当業界内で高い水準である売上高経常利益率を確保しつつ、資産を有効活用したうえで、総資産経常利益率10%以上を目指してまいります。)とのことで、ROA=売上高経常利益率×総資産回転率としてとらえ、双方の改善目標と具体策を明確にしているところである。

   これ以外では、ROEを上げている食品スーパーマーケットもいくつかあるが、B/Sでは大半がこのROAであり、総資産からどれだけ利益を生み出すかを重視した経営目標を掲げている食品スーパーマーケットが多いといえる。こう見ると、食品スーパーマーケット業界はP/L重視派とB/S重視派に分かれるといえ、B/S重視派も大半はROAであり、ROEが少数派であるといえ、株主重視に経営目標をおいている上場食品スーパーマーケットが極めて少数派であるといえるのが実態である。

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June 1, 2011 in 経済・政治・国際 |

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