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June 19, 2011

RDS-MD評価表完成度アップ、重点商品、品揃え改善!

   昨年来取り組んできたRDSのPOSデータを活用したMD評価表の完成度がさらにアップし、帳票1枚でマーチャンダイジングの現状が把握でき、今後、どのように商品力の強化を図ってゆけば良いかがわかるようになった。昨年、RDS-POSデータ活用セミナーで発表したのが最初の帳票であるが、その後、RDS参加企業、数社の協力を得て、実際のPOSデータで検証を重ね、帳票の改良を重ねてきた。最終的な完成までには、もうしばらく、検証が必要といえるが、近いうちに、RDS参加企業が、この帳票を活用し、自社のマーチャンダイジングの改善に活かしていただくことが可能となろう。ちなみに、現在も菓子パンにつては無料診断を実施しており、菓子パンに関しては、受け入れ態勢ができているので、食品スーパーマーケットの方は、是非、この帳票を体感して欲しい。

   さて、この帳票の特徴であるが、MD評価表という名称であり、マーチャンダイジングを評価する帳票である。マーチャンダイジングを評価するとは、最終的には売上げアップを目指すことになるので、その売上げの根幹、数量と金額、そして、POSデータ特有のレシートをもとに評価をしてゆくものである。一般的に売上げは売上高=レシート枚数×(売上金額/レシート枚数)からはじまる。このレシート枚数が客数、(売上金額/レシート枚数)が客単価と呼んでいる指標である。客単価のことを、金額PI値とも呼ぶ。したがって、売上高=レシート枚数×(売上金額/レシート枚数)=客数×客単価=客数×金額PI値となる。

   さらに、この金額PI値は分子が売上金額であるので、売上金額=売上数量×平均単価(売上金額/売上数量)となるので、ここから、金額PI値=(売上数量×平均単価)/レシート枚数となり、さらに、金額PI値=(売上数量/レシート枚数)×平均単価と変形できる。そうすると、この(売上数量/レシート枚数)は数量PI値であるので、結果、金額PI値=数量PI値×平均単価となる。

   これがいわゆる、MD方程式であり、まとめると、売上高=客数×PI値×平均単価となり、売上高は、通常のPOSデータでは、この3つの軸で成り立ち、この3つの軸から売上げを引きあげてゆくことが要諦であることを示している。そして、これがまさにマーチャンダイジングそのものであるといえる。したがって、マーチャンダイジングの改善とは、この3つの軸に沿って、商品、カテゴリー、部門、店舗全体を改善してゆくべきものであり、この関係をたった1枚の帳票に表わしたものがMD評価表である。MD評価表とは、まさに、MD方程式に立脚し、マーチャンダイジングを評価するために生まれたマーチャンダイジング改善のための帳票である。

   さて、問題は評価であるが、この評価を何と比較するかがポイントとなる。通常、POSデータは自社のPOSデータをもとにマーチャンダイジングを改善することになるので、自社のPOSデータを活用する場合は当然、自社のPOSデータとの比較となる。この場合は、2つあり、自社の過去のPOSデータと比較することであり、いわゆる時間での比較である。そして、もうひとつが、自社のチェーンの他の店舗との比較であり、いわゆる、空間での比較である。原則、比較はこの2つしかない。これ以外にあるとすると、未来、すなわち、目標、意思との比較であり、これは少なくとも、時間、空間の限界を超える時に現れるものであり、通常はこの時間と空間でPOSデータを比較してゆくことになる。

   そこで、RDS-MD評価表であるが、これは空間の延長であり、自社のチェーンの代わりにRDS参加店舗のPOSデータとの比較となる。特に、今回は自社の地域の参加企業とのPOSデータとの比較となるので、自社のその地域での位置づけが鮮明になる。MD方程式にもとづいて評価しており、売上高=客数×金額PI値=客数×PI値×平均単価であるので、まずは、客数が比較される。ただし、ここでは客数PI値を用いており、その商品の導入店舗の客数/全店舗の客数で表わし、その商品が参加店舗のどのくらいの客数の割合、すあわち、信頼度が高いかを見ている。当然、客数PI値が高い商品ほど、その地域でメジャーな商品であり、あとに続く金額PI値、PI値、平均単価の信頼度も高いといえる。そして、金額PI値の比較、PI値の比較、平均単価の比較と続き、それぞれの指標で全カテゴリー、全単品が比較されることになる。

   このようにRDS-MD評価表がほぼ完成しつつあり、自社のPOSデータを地域のPOSデータと比較検討し、マーチャンダイジングの改善が、たった1枚の帳票、すなわち、MD評価表で可能となりつつあるといえる。もうしばらく、協力企業で検証を繰り返し、マーチャンダイジングの改善、特に、重点商品の選定強化、品揃えの改変がスムースに行えるような体制作りをすすめ、できるだけ早い機会に、RDSに参加されている食品スーパーマーケット各社が活用可能な仕組みを提案できればと思う。POS分析もいよいよ自社の分析から、ネットワークを活用した地域のPOSデータ活用という、新たな時代に入りつつあるといえる。

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