家計調査データ2011年5月度、食品97.9%!
総務省統計局から7/1、家計調査データ、2011年5月度が公表された。結果は全体の消費額が1日当たり8,908.35円、昨対は98.4%と微減、消費環境の厳しさが反映された結果となった。また、外食を除く食品は、1日当たり2,341.03円、昨対は96.8%、さらに厳しい結果となった。3/11の東日本大震災後の初めての大型連休、ゴールデンウィークの消費動向が含まれるだけに、その結果が気になるところであったが、厳しい結果といえよう。なお、先月、4月度から復活した被災地、仙台は集計世帯数が、前回の4世帯から54世帯へと大きく増加し、通常の集計世帯数にもどりつつあるが、同じく被災地、福島市は依然として0世帯であり、原発事故の影響が家計調査にまで及んでいるといえる。
ちなみに、仙台市のこの5月度の消費動向であるが、全国平均に対し、全体の消費額は81.5%、食品は97.7%と、双方厳しい状況といえるが、全体の方が、より消費は厳しい状況にあるといえよう。そこで、全体の大分類を見てみると、外食77.6%、住居60.3%、光熱・水道81.8%、家具・家事用品134.8%、被服及び履物58.3%、保健医療63.3%、交通・通信77.0%、教育26.0%、教養娯楽66.1%、その他の消費支出94.0%である。こう見ると、家具・家事用品のみ134.8%と突出しており、異常値である。ホームセンター業界の第1四半期決算が好調であるが、これを裏付ける結果といえよう。また、さらに、その中身を掘り下げてみると、家庭用耐久財211.9%、冷暖房用器具308.5%、一般家具261.3%と、これらが家具・家事用品全体を押し上げているといえる。
さて、全国の5月度の消費動向であるが、仙台市と反対に食品の方が厳しい結果であった。そこで、全国の食品の消費動向について詳しく見てみたい。まずは、食品の大分類であるが、穀類201.97円(94.9%)、魚介類201.13円(93.5%)、肉類206.35円(101.2%)、乳卵類109.23円(100.3%)、野菜・海藻274.29円(94.4%)、果物83.81円(101.5%)、油脂・調味料107.06円(100.2%)、菓子類211.94円(97.7%)、主食的調理食品112.71円(101.1%)、飲料136.32円(99.8%)、酒類107.94円(97.2%)という結果である。プラスとなった項目は、肉類、乳卵類、果物、油脂・調味料、主食的調理食品(惣菜)であり、これ以外はマイナスであった。特に、穀類、魚介類、野菜・海藻が大きく消費が厳しい項目である。
そこで、この3つの大分類について、さらに、その要因を掘り下げてみたい。まず、穀類であるが、米62.68円(85.1%)、もち1.42円(81.5%)が80%台と大きく下がり、ついで、食パン24.42円(96.8%)、中華めん12.97円(98.8%)、スパゲッティ 3.58円(99.1%)等が昨対を割った。今後、小麦粉の値上げもあり、穀類は当面、厳しい状況が続きそうである。次に、魚介類であるが、かに1.03円(46.4%)、しじみ1.16円(73.5%)、ほたて貝2.84円(71.5%)、いわし1.35円(84.0%)、たい3.58円(88.1%)、さんま1.10円(89.5%)が大きく下がった項目である。全体的に鮮魚107.19円(92.2%)、貝類が10.06円(85.0%)と落ち込みが大きく、塩干魚介38.52円(98.0%)、魚肉練製品20.84円(97.9%)は比較的堅調な消費であったといえる。
そして、もうひとつ、野菜・海藻であるが、多分に相場の影響を強く受けているといえるが、キャベツ6.52円(71.6%)、ほうれんそう 4.71円(77.2%)、はくさい1.58円(77.8%)、レタス5.13円(78.3%)、だいこん3.55円(78.0%)等が70%台と厳しい状況であった。ついで、ねぎ6.10円(87.1%)、もやし3.03円(88.7%)、ピーマン5.35円(87.8%)が80%台である。逆に、100%を超えた野菜は、じゃがいも12.52円(115.1%)、にんじん7.13円(106.3%)、ごぼう2.71円(109.1%)、れんこん1.55円(114.3%)、たけのこ3.32円(117.0%)、さやまめ 8.10円(105.5%)の6項目のみであり、残りはすべて昨対を割り、野菜全体が厳しい消費であったといえる。ちなみに、外食であるが、ハンバーガー11.87円(104.0%)以外、すべてマイナスであり、特に、中華食12.90円(83.3%)、飲酒代34.87円(86.2%)、すし(外食)37.13円(89.2%)等が厳しかった項目である。
一方、消費が比較的堅調であったのは、対照的に果物であり、すいか5.10円(122.5%)、メロン6.87円(142.0%)、もも0.10円(150.0%)、りんご8.42円(108.3%)、キウイフルーツ5.35円(108.5%)等が果物全体の消費を押し上げたといえる。また主食的調理品も比較的堅調であり、カツレツ4.74円(115.7%)、やきとり5.87円(110.3%)、サラダ8.35円(105.7%)、天ぷら・フライ24.58円(105.1%)、しゅうまい2.81円(104.8%)、冷凍調理食品15.32円(103.5%)等が消費を押し上げたといえる。また、これ以外では、油脂・調味料の乾燥スープ5.90円(115.1%)、菓子類のチョコレート8.48円(112.9%)、飲料のミネラルウォーター7.77円(131.0%)等が110%以上となった項目である。
このように、2011年5月度の家計調査データを見ると、東日本大震災の影響が続いているといえ、ゴールデンウィークの中、自粛ムードが消費動向に影響を与えたのではないかと思われる。特に、生鮮食品の青果、鮮魚が伸び悩み、これに加え、穀類が厳しかったことが大きいといえる。ただ、このような厳しい消費環境の中でも比較的堅調であったのが、果物、主食的調理食品(惣菜)であり、調理なしですぐに食べられる点が評価されたようである。次回、6月、そして、その後、本格的な夏場に入るが、今回の結果を受け、今後、消費がどのような方向に動くか気になるところである。
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