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July 18, 2011

2011年度決算、MD力、出店余力、出店意欲ベスト5!

   食品スーパーマーケットの2011年度決算は、5月度決算の食品スーパーマーケットの本決算が先週公表され、ほぼ終了である。残りは9月度決算企業となるが、その公表は年末となるため、この5月度決算で2011年度決算の食品スーパーマーケット業界の大勢が判明したといえる。現在、この5月度決算の食品スーパーマーケットの経営分析にも取り組んでいるが、ここでは、1月度、2月度、3月度、そして、4月度決算の結果をもとに、2011年度の決算を独自の視点で見てみたい。

   食品スーパーマーケットの経営分析には様々な手法が開発されているが、その大半は投資、ないしは融資面から開発されたものが大半である。そこで、ここでは、「食品スーパー2011、財務3表連環分析」をもとに経営戦略に焦点を当てた独自に開発した経営分析指標、マーチャンダイジング力、出店余力、そして、出店意欲の3つの角度から、2011年度の食品スーパーマーケットの経営戦略を見てみたい。なお、これについては、詳細な解説をプレミアム版でも取り上げているので、参照いただければと思う。

   まずは、それぞれのベスト5と全体平均であるが、マーチャンダイジング力、アークランドサカモト6.9%、オーケー5.6%、ベルク3.2%、原信ナルスH3.1%、アークス3.1%、出店余力、ヨークベニマル24.7%、サンエー17.0%、東武ストア12.9%、マックスバリュ東海12.1%、アオキスーパー6.6%、そして、出店意欲、ハローズ23.2%、マックスバリュ西日本21.7%、ヤオコー18.3%、アオキスーパー15.3%、東武ストア13.9%である。残念ながら、3つともベスト5に入った食品スーパーマーケットは0である。特に、マーチャンダイジング力と出店余力のベスト5は全く重なっておらず、出店余力と出店意欲は2社、東武ストアとアオキスーパーが重なっている。

   ここで改めて経営戦略の分析指標、マーチャンダイジング力、出店余力、出店意欲の概要であるが、マーチャンダイジング力は食品スーパーマーケットのキャッシュを生み出す質をP/L(損益計算書)から指標化したものである。数式は原価から売上総利益を算出し、ここから経費を引いたものである。一見、営業利益のように見えるが、営業利益はこれに不動産収入、物流収入等のその他営業収入が加わるので、商品売買以外の利益が加わるため、マーチャンダイジングによる利益を表していない。これがP/L上に計上されていれば、マーチャンダイジング力をわざわざ指標化することはないが、残念ながら、現在のP/Lではこのマーチャンダイジング力は算出されておらず、独自に計算して指標化した。

   ついで、出店余力であるが、これは食品スーパーマーケットがキャッシュを生み出す量、すなわち、新規出店に着目し、その余力をB/S(貸借対照表)から指標化したものである。純資産比率(自己資本比率)と出店関連の資産から算出し、純資産でどのくらい出店にかかわる資産、土地、建物、敷金・保証金等を賄っているかを指標化している。プラスであれば出店をさらに推し進める余裕があり、マイナスであれば、負債の圧縮を優先せざるをえなくなり、新規出店が厳しい状況にあることを示している。

   そして、出店意欲であるが、この指標はごく最近開発した指標であり、従来、経営分析には経営の意思を反映した指標はあまりなかった。その最大の要因はP/L、B/Sの各項目をもとに分析していたためであるといえる。経営の意思は、この2つの財務諸表にも表れるが、それ以上にダイレクトに表れるのがキャッシュの配分を示したCF(キャッシュフロー計算書)である。ここには、マーチャンダイジング力により獲得したキャッシュを何にどのくらい配分したか、すなわち、経営の意思が反映されているといえる。

   そこで、この配分の中で投資活動によるキャッシュフローに着目し、新規出店への投資へどのくらい配分しているかを算出し、さらに、1店舗当たりの新規出店にかかわる資産をB/Sから算出し、現状の店舗数の何%の新規出店を目指しているかを推定するものである。ここから、現在、そして、中長期的に向けての成長戦略へ向けての経営の意思を読み取ることができる。本来、出店余力と出店意欲は重なることが望ましいといえるが、実際は、先に見たように、ベスト5でも2社のみであり、3社は出店余力があるにも関わらず、消極的な経営をしていると見なすこともでき、今後、経営戦略の再検討が必要と思われる。

   このように、食品スーパーマーケットの経営戦略は、この3つの指標、マーチャンダイジング力、出店余力、出店意欲をP/L、B/S、そして、CFから読み取るとことによって、食品スーパーマーケットがどのようにキャッシュを獲得するための質の向上を目指し、量を確保しようとしているか、そして、その意欲は十分かがわかり、まさに、経営戦略の核心をつかむことができるといえる。財務3表は一見すると、数字の羅列であり、無味乾燥なもののように見えるが、工夫次第では、思いもかけない経営戦略を垣間見ることができる。今後も、さらに、食品スーパーマーケットの経営の本質に迫る経営分析指標の開発を進めてゆきたい。

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