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July 17, 2011

マルエツ、2012年2月期、第1四半期、増収増益!

   マルエツが7/8、2012年2月期、第1四半期決算を公表した。結果は、営業収益828.07億円(2.9%)、営業利益23.77億円(15.1%)、経常利益23.19億円(15.4%)、当期純利益4.86億円(前期は赤字)と、増収増益の好決算となった。食品スーパーマーケットの2月期決算企業は、この第1四半期決算は3/11の東日本大震災の影響、及び、資産除去債務に関する会計基準の適用がなされ、特に当期純利益が減益となる場合が多いが、マルエツは昨年が赤字決算だったこともあるが、増益となり、好決算となった。

   そこで、まず、マルエツが増収となった要因であるが、今期は、「新店は、東京都にマルエツ屋号店舗として板橋駅前店を、マルエツプチ屋号店舗として本所四丁目店、渋谷鶯谷町店、中落合一丁目店、富ヶ谷一丁目店の合計5店舗を新設した結果、当第1四半期末の店舗数は260店舗となりました。」とのことで、5店舗の新規出店が大きかったといえる。ただ、この第1四半期決算時の3月度、4月度、5月度の売上速報を見ると、3月度112.8%(既存店108.2%)、4月度98.7%(既存店94.5%)、5月度97.9%(既存店94.1%)と、3月は大震災の特需が発生し、高い伸び率であったが、その後は厳しい状況が続いている。また、直近の6月度も97.1%(既存店94.0%)であり、特に、既存店の落ち込みが大きく、今後、増収が維持できるかどうかは厳しいといえよう。

   一方、増益となった要因であるが、まずは、当期純利益であるが、昨年は赤字と厳しい決算であり、今期も資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額6.78億円、災害による損失1.83億円と特別損失を計上しているが、営業利益15.1%増となったことにより、これをカバーし、黒字転換している。そこで、その営業利益が増益となった要因を原価、経費面から見てみたい。

   まずは、原価であるが、70.50%(昨年70.96%)と、0.46ポイント改善し、結果、売上総利益は29.50%(昨年29.04%)となった。これについて、マルエツは「「お手頃価格なのに、プラスワンの価値がある」PB商品「maruetsu365」の開発を継続して推進し、低価格型のマルエツ限定販売商品と併せてご提供に努めました。」とのことで、PBを積極的に推進したとのことである。一方、経費については28.71%(昨年28.69%)となり、0.02ポイントとわずかではあるが、上昇した。これについて、マルエツは「販売施策面では、「質の高い売上高の拡大」の実現に向け、特売チラシの回数を削減、・・」、「オペレーション改革では、「腰の低い経営体質の実現」を目指し、「MOP(マルエツオペレーションプランニング)」の深耕を進め、店舗オペレーションの標準化と人的生産性の改善に取り組みました。」とのことであるが、昨年の水準までは、一歩届かなかった。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は0.79%(昨年0.35%)と、原価改善が進んだ分、倍増しており、これが増益をもたらした要因といえよう。そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が2.15%(昨年2.28%)加わり、結果、営業利益は2.94%(昨年2.63%)と、増益となった。今期は、営業利益の3つの要素、原価、経費、その他営業収入の中で、経費、その他営業収入が下がったものの、原価の改善がそれを上回り、大きく下がったため、営業利益が増益となったといえる。

   これを受けて、今後の経営戦略がどのように進んでゆくのかをキャッシュフローをもとに見てみたい。まずは、営業活動によるキャッシュフローであるが、65.44億円(昨年46.95億円)と、増収増益であったことにより、大きく増加した。ついで、今後の成長戦略を決定づける投資活動によるキャッシュフローであるが、-38.61億円(昨年-20.92億円)と大きく増加している。その中身は、有形固定資産の取得による支出が-42.04億円(-18.55億円)と倍増しており、積極的な新規出店への投資である。今期は、「新たな低温・加工センター「三郷複合センター(埼玉県)」の開設準備に取り組みました。」とのことで、物流センターへの投資も加味されると思われるが、それを考慮しても、成長戦略への意欲が感じられる投資といえよう。

   そして、財務活動によるキャッシュフローであるが、-29.95億円(昨年-22.56億円)と、ほぼ昨年と同様の数字である。その中身は昨年同様、有利子負債の返済であり、26.38億円削減している。結果、トータル-3.13億円(昨年3.47億円)である。したがって、今期は増収増益の好決算で生み出されたキャッシュを成長戦略へ大きく配分し、残りをすべて財務改善に回したといえ、成長戦略を重視した経営決断であるといえよう。

   このように、マルエツの 2012年2月期の第1四半期決算は増収増益と好決算となった。特に、原価の改善が進んだことが大きいといえる。そして、その好決算で生まれたキャッシュを積極的に成長戦略に配分しており、成長重視の経営を打ち出しているといえる。ただ、4月以降、特に既存店の売上高が伸び悩んでおり、結果、相対的に固定費が上昇し、経費を圧迫し、増益を維持できるかは厳しい状況が続くものといえよう。次の中間、そして、通期に向け、この第1四半期同様、マツエツが今後とも積極的な経営戦略を維持できるかどうか、その動向に注目である。

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