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July 29, 2011

ジョイス、2012年2月期、第1四半期決算、震災の影響?

    ジョイスが7/12、2012年2月期の第1四半期決算を公表した。ジョイスは3/11の東日本大震災の被災地、岩手県を中心に店舗展開しており、その結果が注目されていたが、営業収益95.50億円(-7.4%)、営業利益 5.87億円(399.5%)、経常利益 6.19億円(291.6%)、当期純利益-11.95億円となり、当期純利益は赤字となったが、営業、経常段階では減収大幅増益となった。被災店舗も多かったことから、営業収益、当期純利益に影響が出たが、営業利益、経常利益は昨年度が厳しかったこともあり、大幅な増益となった。ジョイス自身も、「東日本大震災による甚大な被害の発生や今後における被災地復興の遅れ、電力不足の懸念など極めて不透明な状況となっております。」とのことで、震災の影響が依然として続いているとコメントしており、厳しい経営環境であるとのことである。

    そこで、この第1四半期決算において、東日本大震災のジョイスへの影響について見てみたい。まずはジョイスの被災状況であるが、「今回の震災では当社も一部店舗が流失あるいは損壊するなど被害を受けましたが、・・」とのことで、店舗への深刻な影響があったとのことである。具体的には、「被災店舗の復旧状況につきましては、店舗の建物が損壊する被害を受けた「アピア店」(岩手県北上市)は地域のお客様の強い要望を受け、本年10月に建替え、オープンする予定です。同じく建物が損壊した「みたけ店」(岩手県盛岡市)につきましては、関係者と協議をすすめております。」とのことである。

   さらに、「また、店舗が津波により流失した大槌店(岩手県上閉伊郡)及び山田店(岩手県下閉伊郡)につきましては、本格的な復旧は、地域の復興計画が示された後となりますが、それまでの間、移動販売による営業展開を行っている他、宅配による販売についても準備を進めております。」とのことであり、特に、この2店舗は深刻な状況である。結果、売上高に影響が出ただけでなく、災害による損失-14.41億円を計上せざるをえなくなり、当期純利益が-11.95億円の赤字となった。なお、当期純利益については、この特別損失以外にも、今期から適用された資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額-3.72億円、減損損失-1.50億円、投資有価証券評価損-0.62億円が加わり、厳しい結果となった。

   一方、営業利益、経常利益、特に営業利益が大幅なプラスになった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、71.46%(昨年74.30%)と、2.84ポイントと大幅に下がった。結果、売上総利益は28.54%(昨年25.70%)となった。これについて、ジョイスは、「食品スーパーマーケット事業へ経営資源の集中や震災の影響によりチラシ特売を一時見合わせたことなどによる荒利益率の改善、・・」と、チラシの一時見合わせにより、相対的に売価が上昇したことが大きかったといえよう。さらに、このコメントにもあるように、「食品スーパーマーケットへの経営資源の集中の一環としてスーパーセンター仙南(秋田県仙北郡美郷町)を転貸し、・・」とのことで、ディスカント業態であるスーパーセンターが転貸されたことも、原価を下げる要因になったといえよう。

   これに対し、経費の方であるが、23.45%(昨年25.97%)と、2.52ポイントと、原価に加え、大幅に下がった。特に、チラシが大きかったとのことで、チラシの削減が原価、経費双方の改善をもたらしたといえる。また、「既存店舗の売上高が前年同期を上回った一方、震災により営業を休止した店舗があったこと、・・」とのことで、既存店が伸びたことも、固定費を相対的に下げた要因といえよう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は5.09%(昨年-0.27%)となり、マイナスからプラスへ、しかも、原価、経費双方がダブルで大きく改善されたため、大幅な増益となった。そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が1.14%(昨年1.43%)加わり、営業利益は6.23%(昨年1.16%)と、大きく改善した。原価、経費双方が大幅に改善されたことが、空前の営業利益、経常利益をもたらしたといえる。

   このように、2012年2月期のジョイスの第1四半期決算は、東日本大震災の影響がプラス、マイナス両面に大きく表れた結果となった。プラス面では、既存店が復興需要で伸び、チラシが打てなかったことにより、原価が大きく改善され、同時にチラシ経費が削減され、さらに、その他経費も圧縮されたため経費の大幅改善が進んだ。また、同時に、経営戦略をディスカウント路線から食品スーパーマーケット路線へ転換したことも原価改善に寄与したといえよう。一方、マイナス面では、4店舗が深刻な被災にあったことにより、売上高への影響に加え、特別損失が発生し、当期純利益が赤字となったことである。今後、ジョイスとしては、このプラス、マイナス両面を踏まえ、今後の経営戦略をどう策定していくかが大きな課題となろう。ジョイスが次の中間、そして、通期決算へ向けて、どのような経営戦略を打ち出すか注目である。

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