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July 05, 2011

アオキスーパー、2012年2月期、第1四半期、増収増益!

   アオキスーパーが7/1、2012年2月期の第1四半期決算を公表した。今後、食品スーパーマーケット業界2月度決算の第1四半期決算が続々と公開される予定であり、現時点ではまだ数社の公表に留まっている。特に、2月度決算企業の第1四半期決算には、3/11の東日本大震災の影響が反映されており、経営にどのような結果が生じたかが推し量れる。また、今期から資産除去債務に関する会計基準が適用され、その影響が当期純利益に反映されるため、その影響度もつかめる。これらを踏まえ、アオキスーパーの結果であるが、営業収益217.23億円(2.6%)、営業利益5.04億円(143.9%)、経常利益5.28億円(123.2%)、当期純利益2.22億円(162.8%)と、増収、大幅増益となり、好決算となった。

   それにしても、上記2つの影響がありながら、営業利益、経常利益、そして、当期純利益とも2桁の増益であり、好調な決算である。そこで、まずは、東日本大震災の影響を原価、経費面から見てみたい。この四半期の原価であるが、82.75%(昨年84.54%)となり、1.79ポイントと大幅に下がった。アオキスーパーの、前期本決算時が84.39%であるので、明らかに、この第1四半期は異変が起きているといえよう。結果、売上総利益は17.25%(昨年15.46%)となり、粗利が大きく改善した。それにしても、この売上総利益17.25%は食品スーパーマーケット前期決算公開企業約50社の中ではトライアルカンパニーの17.21%につぐ低さであり、改善したとはいえ、それでもかなり低い数字である。

   アオキスーパー自身は、「当流通業界におきましては、業種・業態を超えた値下げ等による店舗間競争がさらに激化しており、また、震災の影響により、一時的に商品の確保が困難な状況となるなど、厳しい経営環境が続いております。」とコメントしている。依然として、価格競争は激化とのことであるが、一方で、震災の影響により、「一時的に商品の確保が困難な状況となるなど・・」とのことであり、これまでのように商品確保ができず、特売が十分にできなかった面もあったといえよう。

   これに対し、経費の方であるが、18.38%(昨年17.74%)と0.64ポイント上昇した。原価の大幅な下落とは一転、経費の上昇が見られる。ただ、原価の下落ほど経費の上昇は見られず、結果、差し引き、商品売買から得られるマーチャンダイジング力は、-1.13%(昨年-2.28%)となり、依然としてマイナスではあるが、大きく改善した。ちなみに、前期決算時は-1.75%であるので、前期決算時よりも改善しており、原価の大幅な下落がマーチャンダイジング力を押し上げたといえよう。

   そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.54%(昨年3.29%)となり、ここでも0.25ポイントの改善が図られ、結果、営業利益は2.41%(昨年1.01%)となり、まさに、利益が倍増した。これも前期決算時は1.50%であるので、明らかに、この第1四半期は営業利益が大きく改善しているといえ、好決算となった。

   したがって、当期純利益に影響を与える今期から適用される特別損失、資産除去債務に関する会計基準の適用が、今期1.40億円(売上対比0.66%)あったが、これを相殺し、結果、当期純利益も2.22億円(162.8%)と大幅な増益となった。通常であれば、資産除去債務に関する会計基準の適用は年間分が第1四半期決算にのるため、当期純利益はかなり厳しい状況になるはずであるが、この決算を見る限り、原価の大幅改善により、これを相殺しており、その影響を結果として受けず、好決算となった。こう見ると、東日本大震災の影響は原価に反映されたといえ、アオキスーパーにとっては、大きくプラスに作用したといえよう。

   一方、財務の方であるが、自己資本比率は62.9%(前期決算時53.1%)となり、何と10%近い改善となった。その要因は、純資産は152.14億円(前期決算時151.26億円)と大きな変化はなかったが、負債が89.69億円(前期決算時133.43億円)と43.74億円減少したためである。ただし、これは、「流動負債は、前連結会計年度に比べ、46億60百万円減少し、65億76百万円となりました。これは、主に前連結会計年度末であります平成23年2月20日が日曜日にあたり、取引先への商品仕入代金や経費の支払い47億44百万円が翌日の21日になったことにより、仕入債務等が減少したことによるものであります。」とのことであり、決済日の違いによるところが大きかったといえる。したがって、大幅な増益がもたらした自己資本比率の上昇ではないが、結果として、この第1四半期決算は、財務的にも安定した状況となったといえる。

   このように、アオキスーパーの第1四半期決算は、東日本大震災により、原価面がプラスの影響を受けたといえ、大幅に原価が下がり、結果、売上総利益が向上し、経費の上昇を相殺し、さらに、マーチャンダイジング力のプラスをもたらした。これにその他営業収入のプラス面も加わり、営業利益は143.9%と大幅な改善となった。その結果、資産除去債務に関する会計基準の影響も相殺し、当期純利益が162.8%と大幅な増益となった。アオキスーパーにとって、原価の改善がいかに、経営全体に大きなインパクトを与えたかが鮮明であり、次の中間、そして、通期決算、どこまで利益改善となるか、その結果に注目である。
   
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July 5, 2011 in 経済・政治・国際 |

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