なでしこジャパン、53%対47%、すごい!
なでしこジャパンが「FIFA女子ワールドカップドイツ2011」において、決勝でアメリカと対戦、2対2となり、延長戦でも勝負がつかず、PK戦の上、3対1で勝利し、初の優勝を決めた。おめでとう。日本時間、7/18、未明にキックオフの試合であったが、最後までテレビで観戦し、応援した。この試合はすでに、新聞、テレビ等でも洪水のような報道がなされているが、その中で気になった記事があった。中国のネット新聞、網易の情報を翻訳して掲載しているSearchinaである。見出しは、「平均支配率56%! 日本はやはり「女子版バルサ」だった―中国」というものであり、興味深い内容である。
本ブログのタイトル「なでしこジャパン、53%対47%、すごい!」は、このアメリカ戦での日本対アメリカのボール支配率である。試合を見た全体的な印象では、日本がかなり押されていたように見え、ボール支配率は当然アメリカの方が高いように感じた。実際、シュート数は14本対27本でダブルスコアーでアメリカが圧倒しており、当然、ボール支配率もアメリカが圧倒しているように思えた。そこで、実際の数字をFIFAの公式ホームページで確認してみると、53%対47%で日本の方がボール支配率が高かった。意外な結果であった。まさに、日本が目指したパスサッカーを具現化したといえ、これは、押され続けた決勝戦のアメリカとの戦いでも、日本はパスサッカーを貫いていたということであり、その検証データといえる。その意味で、今回の勝利は、勝敗は時の運であるとはいえるが、日本に一貫した戦略があり、その戦略をなでしこジャパンはかたくなに、どんなに劣勢になろうとも貫いていたといえ、戦略の勝利といえよう。
そこで、今回の「FIFA女子ワールドカップドイツ2011」における日本の全試合のボール支配率を見てみたい。まずは、なでしこジャパンの予選、6/27、対ニュージーランド、2対1で勝利、ボール支配率61%対39%、7/1対メキシコ、4対0で勝利、ボール支配率56%対44%、7/5対イングランド、0対2で敗戦、ボール支配率55%対45%であり、ここまでが予選の戦いである。いずれも、ボール支配率は日本が圧倒しており、特に、今大会、雄一の黒星、イングランド戦においても、ボール支配率は55%対45%で日本が高く、まさに、パスサッカーを貫いていたといえる。
ついで、決勝トーナメントであるが、7/9準準決勝対ドイツ、1対0で勝利、ボール支配率54%対46%、この時のシュート数は9本対23本でドイツの猛攻の連続であり、日本は守勢に立たされながらも、ボール支配率は54%対46%でドイツを圧倒した。そして、7/13の準決勝対スウェーデン、3対1で勝利、ボール支配率は60%対40%、圧倒的差である。この時のシュート数は14本対4本であるので、完勝といえよう。そして、7/17、先に見たように、決勝対アメリカ、2対2、その後PKで3対1で勝利、ボール支配率53%対47%、シュート数は14本対27本でアメリカが明らかに押している試合であるが、ボール支配率は日本の方が高かった。
結果、予選リーグ3試合、決勝トーナメント3試合、合計6試合の単純平均でのボール支配率は日本61%、56%、55%、54%、60%、53%であり、平均は56.5%、対戦相手は39%、44%、45%、46%、40%、47%であり、平均は43.5%であり、今回の全試合で日本はたとえ負けた試合であっても、どんなに猛攻を受けた試合であっても、一度も、ボール支配率においては主導権を渡さず、日本が目指した一貫した戦略、パスサッカーを貫いたといえる。この大会で、ここまでボール支配率に頑なにこだわったのは、唯一、日本だけであったといえ、全くブレのない首尾一貫した戦略、パスサッカーを、なでしこジャパンは貫いたといえる。
先の記事、網易では、「06-07シーズンのバルサを上回っている、・・」、「「女子サッカー界のバルサというのはちっとも言い過ぎではない」と評価した。そして、決勝トーナメントを勝ち上がった日本の武器は体格やパワー不足を補う「ボールコントロールとパス」にほかならず、積極的に動いて相手にプレッシャーをかけつつ前線で一撃を放って相手を倒すというスタイルは「まさにバルサの成功哲学だ」と論じた」と報じているが、まさに、FIFAの公式記録は、これを裏付けているといえる。
こう見ると、今回のなでしこジャパンの「FIFA女子ワールドカップドイツ2011」での金メダルは、勝負は時の運という要素ももちろんあったといえるが、その運を呼び込む首尾一貫したぶれない戦略、パスサッカーを貫き、その戦略を支える戦術的な訓練を積み、全メンバーがその戦略を共有し、意識を統一して戦ったことにあるといえよう。数字は通常、結果としてのものであるが、今回のなでしこジャパンのボール支配率、全試合、どの試合、どんな試合においても50%以上となったのは結果ではなく、明らかにプロセス、仕組みとして、完成していたからこその数字であるといえ、全メンバーが意識してはじめて可能になる数字であるといえよう。今後、どのように、この戦略が受けつがれ、磨かれてゆくのか、次のオリンピックでの活躍に期待したい。
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