Chain Store Age2011/7/1、震災後の消費動向を投稿!
Chain Store Age、2011年7月1日号に緊急レポート、「POSデータに見る、東日本大震災後の3月、4月度の消費動向」を投稿した。このレポートは、TOPNAVI-NETのPOSデータをもとに、全国の食品スーパーマーケットの震災後の販売動向を明かにし、今後の食品スーパーマーケットの有事の際に役立てていただくことを意図したものである。特に、全国を9つの地区、北海道、東北、京浜、関東、北陸、東海、近畿、中四国、九州に分けて、分析しているので、被災地東北の消費動向が震災後どのように変化したかが鮮明であり、さらに、東北と比べ、全国ではどのような消費動向であったかがわかる内容である。
今回分析したPOSデータは膨大な量であり、食品約250カテゴリー、雑貨約100カテゴリー、日用品約150カテゴリー、合計約500カテゴリーを分析対象にした。単品数では、約20万件となり、これを今年の3月度、昨年の3月度、さらに、今年の4月度、昨年の4月度とを比較し、その伸び率から、特に被災地東北において、昨年と決定的に消費構造に変化があったカテゴリーをピックアップした。
今回のレポートでは、明らかに消費構造に変化をもたらしたものとして、東日本大震災のあった3月度の被災地東北にて、昨対200%を超えるカテゴリーをすべてピックアップし、そこから、東日本大震災が消費行動にどのような変化を与えたかを明らかにした。また、同時に、次の4月度はどのような数字となったか、さらに、東北以外の地区ではどのような消費行動であったかを一目で見られるように一覧表にまとめた。
結果、図表は3つになった。ひとつめの図表1は食品の3月度東北で200%以上となった全カテゴリー、図表2は雑貨の3月度東北で200%以上となった全カテゴリー、そして、図表3は日用品の3月度東北で200%以上となった全カテゴリーである。120%、130%では誤差がでる可能性があるが、200%以上は明らかに、東日本大震災の影響といえると思われ、実際、POS分析の結果を見ると、食品スーパーマーケットが、今回のような未曽有の有事の際、絶対に抑えておかなければならないカテゴリーが上位に来ているといえる。また、今回は実際のPOSデータであるので、どのくらいの在庫を確保すべきかも明らかになった。食品スーパーマーケットとしては、この結果をもとに、消費者のライフラインを守るために、どのくらい在庫を確保すべきかが推し量れるといえる。
さて、その結果であるが、レポートの中でも詳しく解説したが、全カテゴリーの中で、圧倒的なNo.1カテゴリーは水であった。東北では3月度518.8%という異常値を記録した。これは3月度の丸1ケ月間の数字であるので、3/11の東日本大震災直後、1週間から2週間はさらに莫大な需要であったと推測される。全国平均も272.2%であるので、日本全国で水の需要が異常な状況であったことがわかる。東北以外では、同じく被災地となった関東も高く、512.0%であった。そして、4月度となっても、水の需要は衰えず、東北で550.1%、全国でも240.9%、関東では552.5%となった。
いかに、水が有事の際、重要なカテゴリーであるかがわかる。しかも、平均約500%であるので、通常月の5倍の在庫が発生するといえ、それが、2ケ月続くといえるので、食品スーパーマーケットとしては、いかに、日頃から水の確保、少なくとも月間在庫の5倍、2ケ月間を考慮すれば、10倍の確保が消費者のライフラインを守るためには必要といえよう。また、今回の東日本大震災では商品の供給ルートが各地で寸断されただけでなく、工場にも被害が及んだことから、日頃から、いざという時のために、複数の商品供給ルートを確保しておくことが必要といえよう。特に、水に関しては、このPOSデータが示す通り、最優先で日ごろから、その対策について取り組んでおく必要があるといえる。
水以外では、POSデータを見ると、300%以上のカテゴリーとして、食品では魚肉ハム347.5%(4月度221.0%)、包装餅317.2%(4月度227.4%)、雑貨ではマスク384.9%(4月度274.0%)、日用品ではフラッシュライト(懐中電灯等)369.9%(4月度1,016.4%)、ガス部品396.2%(4月度379.2%)がピックアップされた。水を含め、一旦、有事の際は、消費者は、このカテゴリーを期待して、店舗に来店するといえるので、こられのカテゴリーは日ごろから、食品スーパーマーケットの売場で有事コーナーとして、マーチャンダイジング戦略に組み込んで置くべきであろう。そして、一旦有事の際は、これらを主体にしたレイアウト構成にし、商品部は全力でこれらの商品を確保すると同時に、いつ有事があっても良いように、在庫を確保しておくべきであろう。
このように、東日本大震災がもたらした被害は甚大なものであったが、食品スーパーマーケットとしては、再度、大震災のあった3月度、そして、翌月4月度のPOSデータを分析し、有事に際しての対応マニュアル、有事に備えての在庫マニュアルを作っておくべきであろう。今回の、この緊急レポートを、是非、食品スーパーマーケットの有事の際の「備えあれば憂いなし」の経営体制づくりに役立てていただければと思う。
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