ID-POS分析は従来のPOS分析を包み込む!
最近、ID-POS分析に取り組む機会が増えた。この秋にも、ID-POS分析関連のセミナーでの講演も予定しており、いまや、ID-POS分析がメインの業務になりつつある。一般に、ID-POS分析は従来のPOS分析と違い、その仕組みも、理論も複雑で難しいものであると思われている。しかも、システム的にも、新たなID-POS分析の体制を整えないとできないのではないかと思われ、通常のPOS分析に加え、ID-POS分析の新たな分析システムが必要であると思われている。実際、2系統の仕組みをもっている食品スーパーマーケットもあり、ID-POS分析はID-POS分析特有のシステムで分析し、従来のPOS分析は従来のPOS分析システムで分析しているケースもある。
これは過渡期であるため、システムが併存するのは仕方ない面があるが、理論的にはID-POS分析は従来のPOS分析を100%包み込むものであり、本来2系統もつ意味はない。ID-POS分析のシステムが構築できれば、従来のPOS分析は、その仕組みの中に100%組み込むことができ、その時点で、システムとしては、ID-POS分析のみの1系統で良くなる。将来的には恐らく、この方向でPOS分析システムは進んでゆくことになろう。ただ、ID-POS分析を食品スーパーマーケット側で自ら構築し、そのデータをすべて持つことが良いかどうかは議論の余地がある。
なぜなら、ID-POS分析の理論は日進月歩、その分析フォーマットは無限といってよく、しかも、そのデータは小売業側だけでなく、メーカーと共有することが必然となるため、ネットワーク型の仕組みが望ましいからである。しかも、最新の研究成果を入れ、最新のフォーマットを次々に導入してゆく必要があるからである。したがって、ID-POS分析は小売業側だけの人材では運営することは難しいといえ、理論、ノウハウ、システムの研究開発体制を前提にすることが望ましいといえる。
また、ID-POS分析は従来のPOS分析と比べ、比較にならない膨大なデータとの格闘となる。単純に考えても、1日当たり、0データを含め、顧客ID数×SKU数のデータが発生し、顧客1人1人の購入履歴を少なくとも2年は保存してゆくため、365×2=732日分の3次元のデータが必要となり、さらに、これを様々な角度から分析してゆくことになるので、1小売業が簡単にできることではない。
したがって、ID-POS分析は必然的にクラウドという結論になる。従来のPOS分析までは、小売業側が何とか可能であったといえるが、ID-POS分析は、この2点から小売業側で分析体制をもつことには無理があり、クラウドを活用し、研究開発体制をつくり、メーカーともネットワークをはり、しかも、日々発生する膨大なID-POSデータを蓄積し、分析してゆくことが求められる。
そこで、その分析の違いであるが、従来のPOS分析と全く違う内容であるかというと、その関係は、ID-POS分析が従来のPOS分析を包み込み、部分集合の関係となる。したがって、これまで取り組んできた従来のPOS分析は、すべて、ID-POS分析に移管され、ID-POS分析の中で、従来のPOS分析が取り組まれることになり、2つのPOS分析を2系統走らせる必要はなく、ID-POS分析1系統のみ作ればよく、この中に、従来のPOS分析を包み込んでしまえば良いといえる。したがって、ID-POS分析をみることによって、従来のPOS分析も見ることができ、さらに、ID-POS分析特有の様々な分析も見ることができるようになり、その違いを比べながら、ID-POS分析に取り組めば良いといえる。実際に分析するのは分かりやすく、使いやすいフォーマットの開発が必要であるが、理論的には、すでに決着した問題である。
その理論的な根拠であるが、従来のPOS分析とID-POS分析の決定的な違いは、本ブログでもすでに取り上げているが、ID=1かID≧1かの違いであり、ID=1が従来のPOS分析であり、ID≧1がID-POS分析であるからである。したがって、ID-POS分析はID=1の場合も当然分析でき、ID=2、3、・・、無限大まで分析が可能な分析であるだけであり、分析において、本質的な違いがあるわけではない。したがって、ID-POS分析の中に、従来のPOS分析は完全に包み込まれ、従来のPOS分析はID=1の時の特殊なケースを分析していることに過ぎないといえる。
ただ、ID≧1となったことで、ID=1の時には見えなかった世界が見えてくるので、従来のPOS分析では思いもつかなかった分析、たとえ、思いついていたとしても、検証ができなかった分析ができるので、新たなマーチャンダイジング、そして、新たなマーケティング戦略を作ることができるといえる。特に、マーケティングは顧客一人一人の需要を把握することができるため、従来の全体顧客へのマーケティングから次元の違うマーケティングができるようになる。ID-POS分析を実施することで、食品スーパーマーケットがはじめてマーチャンダイジングだけでなく、マーケティングの世界に踏み込むことが可能となろう。
このように、ID-POS分析は、従来のPOS分析に加え、2系統のPOS分析システムをもつことではなく、ID-POS分析の中に従来のPOS分析を包み込むべき分析であるといえ、将来的にはPOS分析はID-POS分析に一本化されることになるといえよう。しかも、その仕組みは、従来のように食品スーパーマーケット側が分析、データを保管するのではなく、クラウドを活用し、ネットワーク型になり、最新の研究成果を取り入れ、小売業側だけでなく、メーカーともネットワークされ、さらには、消費者もネットワークされることになるといえよう。
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