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July 30, 2011

IDには2つの特徴、広さと深さ!

   ID-POS分析はIDに焦点を当てた分析であるため、通常のPOS分析と何が違うのかがよく問題になる。よく議論されるのは、ID-POS分析はIDの属性が把握できることが特徴であり、性別、年齢、住所、職業などの属性に応じたマーチャンダイジングが可能になることがID-POS分析のメリットであるという議論である。ここから女性の支持の高い商品、年齢に応じた支持の高い商品、あるいはその組み合わせ等、その属性に応じた商品を抽出し、その属性へ直接働きかけるマーケティングを行うということになる。これはこれで確かにID-POS分析の特徴といえ、通常のPOS分析と大きく違う点である。

   ただ、ID-POS分析にはID特有の属性とは違うもうひとつの特徴がある。その特徴とは頻度である。これは属性とは焦点の当て方が違い、IDを把握できるがゆえに、通常のPOS分析では不可能な分析が可能になるところに焦点を当てたものである。属性がいわば、ID-POS分析の分析の広さに焦点を当てたものであるのに対し、頻度はID-POS分析の分析の深さに焦点を当てたものであるといえる。この2つがIDがもつID-POS分析ならではの特徴であるといえ、ID-POS分析は常にこの2つの角度から分析を試み、結果、IDを通じたマーチャンダイジングの構築、そして、ID特有のマーケティングを実戦してゆくことが、ID-POS分析の醍醐味といえる。

   そこで、ID-POS分析の属性については、通常、ID-POS分析では一般的に取り組まれているので、ここではID-POS分析のもうひとつの特徴、頻度について、どのようにID-POS分析において取り組んでゆけば良いかを考えてみたい。また、この頻度に取り組むことは必然的にID-POS分析のもうひとつの特徴、属性の分析にも影響を与え、これまで分析できかなった属性の新たな分析が可能となり、属性での分析も深まることになる。

   では、頻度とは何かであるが、頻度とはIDが把握できることによって初めて分析が可能となる分析指標であり、数式では回数/IDとなる。この回数はID-POS分析ではレシート枚数のことである。通常のPOS分析も回数を把握することはできるが、それは、商品ごとの回数であり、IDの回数ではない。商品ごとの回数とは、いわゆるPI値、ここでは客数PI値であり、ある商品の回数/全体の回数、あるいは全体の回数を部門の回数、カテゴリーの回数、単品の回数とに落としてゆくことである。ちなみに、分子に数量を入れれば数量PI値であり、売上高を入れれば、金額PI値となり、ここまでは、通常のPOS分析でやろうと思えばできる一般的に可能なPOS分析である。

   問題はここからである。この回数/IDのIDで割るということであり、このIDがID-POS分析特有の分析であり、これが頻度である。先のPI値の分析はいずれのPI値もすべてIDの回数は全体となっており、ID個々の回数ではない。全体の回数は文字通り、全体の回数であり、部門の回数は部門全体の回数であり、カテゴリーの回数はカテゴリー全体の回数であり、単品の回数は単品の回数であり、ここにはIDが存在しない。したがって、頻度が存在しないといえる。頻度は、この全体がIDの回数になった時にはじめて算出される指標であり、IDが把握できない限り、把握することができない指標である。

   なぜなら、頻度とは、あるIDがある商品を2回買った、3回買ったという情報であり、しかも、ID個々にこの購入回数が把握できてはじめてつかめる情報であるからである。したがって、この頻度はID-POS分析ならではの分析指標であり、通常のPOS分析ではけっして把握することができない分析指標であり、これがID-POS分析のIDのもうひとつの特徴、深さを示す分析であるといえる。

   このID-POS分析ならではの特徴、すなわち、頻度が把握できることにより、ID-POS分析のマーチャンダイジングも従来のマーチャンダイジングと違い、新たな展開がはじまる。その展開とは、まずは、IDを把握し、IDを極限まで増やしてゆくことがスタートである。次に、IDの中身に入り、ここに頻度が登場する。IDが極限まで来たら、次はこの頻度であり、頻度を極限まで高めることになる。そして、頻度が極限まで高まれば、次は、点数にうつる。頻度が回数を表しているので、回数の次は点数となる。次が価格となるが、点数と価格は極限まで上げることが目的とはならない。なぜなら、点数×価格は売上高となるが、この売上高は点数が高い場合もあれば、価格も高い場合もあり、あるいは双方、高い場合もあるので、そのバランスをとることがポイントとなるからである。

   このように、ID-POS分析には2つの特徴があり、属性と頻度である。属性がID-POS分析の広さに対応しているのに対し、頻度はID-POS分析の深さに対応しているといえ、これはID-POS分析の両輪である。どちらか一方だけの分析ではなく、分析の深さが深まれば、それに応じて広さの分析も中身が深まってゆくことになる。一般的にID-POS分析は広さばかりに注目が集まり、深さについてはあまり論じられることが少ないといえるが、本来、この深さこそ、ID-POS分析が追求すべき分析課題といえ、ここをさらに深く掘り下げることが、ID-POS分析を理解し、実戦に活かすことにつながるといえる。ID-POS分析に取り組む際は、この2つの特徴、特に深さを前提に分析を試みたいところだ。

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