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October 31, 2011

ベルク、2012年2月期、中間、増収増益!

   ベルクが10/5、2012年2月期、中間決算を公表した。結果は営業収益611.43億円(11.7%)、営業利益36.63億円(42.1%)、経常利益37.74億円(40.9%)、当期純利益19.94億円(33.1%)となり、増収、大幅増益となる好決算となった。特に、当期純利益は、2月期決算企業は、今期から適用された資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額が発生し、ベルクも-2.37億円計上しているが、これを吸収しての大幅な増益である。しかも、この中間決算は各食品スーパーマーケットがいずれも売上げが伸び悩んでいるが、ベルクは営業収益が11.7%と、2桁の増収であり、バラスン良く、収益を伸ばしており、理想的な中間決算となった。

   そこで、まずは、営業収益が11.7%増収となった要因であるが、「店舗展開におきましては、平成23年6月埼玉県さいたま市に「さいたま吉野町店」及び埼玉県川越市に「川越むさし野店」2店舗を新規出店するとともに、競争力の強化及び当社が目指す標準化の推進のため既存店3店舗の改装並びに夏季の電力不足への対策を実施いたしました。」とのことで、新規出店に加え、既存店の改装も並行して実施しており、これらが増収に大きく、寄与したといえよう。

   次に、営業利益が42.1%と驚異的な伸びとなった要因を原価、経費面から見てみたい。ちなみに、ベルクの昨年度、2011年度2月期の中間決算の結果であるが、営業収益547.48億円(3.0%)、営業利益25.77億円(10.6%)、経常利益26.79億円(8.5%)、 当期純利益14.98億円(10.6%)であり、昨年度も増収増益の好決算であった。したがって、今期はそれ以上の好決算であるので、いかに、この中間決算の数字が驚異的な数字であるかがわかる。ちなみに、ベルクの株価であるが、この中間決算が公表されるまでは1,100円前後で推移していたが、公表直前あたりから株価はにわかに上昇しはじめ、中間決算後には1,200円を超えた。ただ、ここ最近はやや下がり気味であり、1,150円前後で推移している。

   さて、原価であるが、74.11%(昨年74.39%)と0.28ポイント減少した。結果、売上総利益は25.89%(昨年25.61%)と改善した。これについて、ベルクは「スーパーマーケットとして地域社会のお客様の生活をサポートするという社会的役割を果たすため、企業集団の総力を挙げ、自社物流センターを最大限に活用した商品調達を行い、安定的な商品供給を行いました。」とのことで、物流センターの活用が大きかったとのことである。

   一方、経費の方であるが、21.22%(昨年22.33%)と1.11ポイントと、大きく減少した。これについて、ベルクは「店舗運営におきましては、当企業集団の最大の特長である標準化された企業体制を基盤に、LSP(作業割当システム)の定着化、適正な人員配置を図り、効率的なチェーンオペレーションを継続的に推進しております。これにより販売管理費を削減するだけでなく、購買頻度の高い商品群のさらなる価格強化及び売場づくりの活性化を図り、地域社会の皆様のニーズに応えております。」とのことで、効率的なチェーンオペレーションが寄与したとのことである。

   余談だが、ベルクの中間決算のコメントは的確であり、数字の意義をよく理解した内容である。本来決算書のコメントは、特にP/L(損益計算書)においては、原価、経費面から数字の変化の要因をコメントすべきであると思うが、なかなか、ベルクのような的を射たコメントが少ないのが現状である。株主へのディスクローズの一環としても、上場企業は決算書において、的確なコメントを望みたいところである。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、4.67%(昨年3.28%)と、大きく改善した。原価、経費、双方、特に、経費の大幅改善がマーチャンダイジング力を力強く押し上げたといえよう。そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が1.44%(昨年1.53%)加わり、営業利益は6.11%(昨年4.81%)と、高収益となった。ちなみに、ベルクはその他営業収入に加え、営業原価も提示しており、ディスクローズが徹底している。なかなか、ここまで数字を正確に計上するケースはなく、精度の高い決算書といえる。

   この好決算を受けて、キャッシュフローも好調であるが、興味深いのはベルクが大きく増加したキャッシュを投資と内部留保、現金に充てていることである。もともと、財務状況が良好であるので、攻めと守りの双方にキャッシュの配分が可能であるといえるが、これをみる限り、ベルクは後半以降も高い成長率と、高収益が期待できるのではないかと思う。

   このように、ベルクの2012年2月期の中間決算は増収大幅増益の好決算となった。特に営業利益は42.1%増と驚異的な伸びであり、営業利益率も6.11%と極めて高い数字である。原価の改善に加え、経費が大きく削減されており、これが高収益をもたらした最大の要因といえる。しかも、営業収益も11.7%増と、成長性も維持しており、理想的な中間決算といえる。さらに、キャッシュフローの配分も攻めと守り双方にバランスよく配分しており、今後、後半に向けての経営体制が整ったといえる。ベルクがこの中間における好決算を踏まえ、今後、どのような経営戦略を打ち出すか、その動向に注目である。

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