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November 05, 2011

家計調査データ、2011年9月期、食品98.7%!

   10/28、総務省統計局から、2011年9月期の家計調査データが公表された。結果は、外食を除く食品が1,915.83円(98.7%)となり、消費は依然として、厳しい状況にあるといえる。全体も9,000.33円(98.1%)と、さらに低く、食品だけでなく、全体の消費も厳しい状況であった。ただ、昨年は猛暑であったため、その反動もあり、この9月度は、特に厳しい数字であったといえ、そこを考慮する必要があり、次回、10月度の数字も加味して、この9月度を判断する必要があろう。

   なお、ここでは、月間の合計消費額を1日当たりに換算し、食品は食料から外食を引いた数字としている。この方が、食品スーパーマーケットの客単価(金額PI値)に近い数字となり、食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングと連動しやすいからである。また、家計調査データは10,000分比という指標が示されており、10,000人当たり何世帯が購入したかがわかるように工夫されている。そこで、ここから、購入世帯のみの消費額、購入世帯の割合も算出できるので、必要に応じて、これらの数字も本ブログでは活用してゆきたい。

   さて、まずは、2011年9月度の全体の消費が伸び悩んでいる要因であるが、伸びた部門は教育526.77円(126.0%)、住居639.67円(109.7%)、保健医療 414.30円(101.6%)であり、これ以外はすべて、昨年を下回り、いかに、この9月度は厳しい消費状況であるかがわかる。一方、特に、消費が大きく下がった部門であるが、交通・通信1,166.70円(90.4%)、光熱・水道640.60円(93.3%)、教養娯楽961.57円(94.6%)、その他の消費支出1,699.80円(95.6%)、被服及び履物310.60円(96.2%)であり、以上が5%前後下がり、消費が厳しい部門である。特に、光熱・水道は昨年の猛暑の影響も大きいといえよう。

   次に、伸びた部門と下がった部門の主要項目を見てみたい。伸びた部門の教育であるが、授業料等が430.47円(129.1%)と大きく上昇しており、その中でも私立高校が39.57円(153.6%)、私立大学が232.57円(155.9%)となり、これがその要因である。住居では設備修繕・維持が284.30円(116.5%)と伸びており、その中でも設備器具77.20円(126.5%)、修繕材料13.97円(128.9%)が大きく伸びている。そして、保健医療であるが、保健医療用品・器具71.20円(116.2%)が伸びており、中でも、眼鏡20.90円(130.6%)が大きく伸びている。

   これに対して、下がった部門の要因であるが、交通・通信は、この部門最大の消費額である自動車等関係費が611.87円(84.6%)となったことが大きいといえる。その中でも、自動車購入が114.70円(55.4%)と、半分近くに落ち込んだことが大きい。また、その中身であるが、消費世帯のみの数字は42,481.48円(110.9%)と増加しているが、消費世帯の割合が0.3%(50.0%)と半分になったことが要因である。光熱・水道であるが、昨年の猛暑、そして、節電の影響もあり、電気代が32.30円(86.4%)と、大きく下がった。その中身であるが、消費世帯のみの消費額は355.93円(87.0%)、消費世帯の割合93.4%(99.3%)であるので、明らかに猛暑、節電によるものといえよう。

   そして、教養娯楽であるが、テレビ、パソコンなどの教養娯楽用耐久財が86.77円(65.4%)と激減していることが大きい。その他消費支出では、諸雑費 734.30円(92.0%)が大きく、その中でも、たばこが35.87円(47.6%)と半減している。被服及び履物であるが、和服9.77円(72.2%)、洋服106.37円(96.1%)、履物類 47.00円(96.1%)が特に、消費が厳しかったといえる。

   では、食品はどのような状況であったかであるが、全体は先に見たように1,915.83円(98.7%)と下がっており、その要因は酒類103.20円(94.9%)、魚介類196.70円(96.3%)、飲料136.13円(96.9%)、果物109.07円(97.7%)、穀類219.57円(98.0%)、乳卵類110.17円(98.4%)、野菜・海藻276.93円(99.5%)、菓子類192.73円(99.6%)がマイナスとなったことである。特に、酒類、飲料、果物等は昨年の猛暑の影響も大きかったといえよう。なお、外食も400.70円(97.7%)とマイナスであり、食関連はこの9月度は、マイナス部門が多かったといえる。一方、プラスになった部門もあり、主食的調理食品115.53円(106.5%)、油脂・調味料 103.27円(101.8%)、肉類201.80円(100.3%)の3部門であり、これを見ても、食品の消費を押し上げる部門が少なかったことがわかる。

    ここでは、特に、この9月度、消費を引き下げた部門の中でも、消費額が大きく下がった項目をさらに見てみたい。しじみ1.17円(79.5%)、ほたて貝2.37円(74.7%)、にんじん6.47円(87.0%)、こんぶ 2.57円(89.5%)、梅干し 3.57円(89.9%)、もも3.97円(75.8%)、グレープフルーツ1.30円(79.6%)、みかん4.73円(85.0%)、ぶどう21.43円(86.0%)、まんじゅう4.00円(85.7%)、ココア・ココア飲料0.60円(72.0%)、ビール33.17円(90.5%)等であり、これらが、食品を大きく押し下げた項目である。

   このように、2011年9月度の家計調査データは、昨年が猛暑ということもあり、全体が98.1%、食品が98.7%と厳しい結果となったといえる。実際、光熱・水道に加え、食品では飲料、酒類、果物等が軒並み下がっており、猛暑が消費全体を押し下げた面もあるといえる。ただ、猛暑関連以外の部門でも下がっている項目も多く、さらに、すでに本ブログでも取り上げた消費者物価指数(CPI)を見ると、デフレ傾向は依然として続いており、昨年の猛暑を加味しても、消費全体は停滞気味であるといえよう。したがって、当面、消費は厳しい状況が続くといえ、食品スーパーマーケットとしては、売上げよりも、利益をいかに確保するかが当面の課題といえよう。

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