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November 29, 2011

消費者物価指数(CPI)、2011年10月、-0.2%!

   11/25、総務省統計局から、2011年10月度の消費者物価指数(CPI)が公表された。消費者物価指数には3つの総合指数があるが、その結果は、「(1)総合指数は平成22年を100として100.0となり、前月比は0.1%の上昇。前年同月比は0.2%の下落となった。(2)生鮮食品を除く総合指数は99.8となり、前月比は0.1%の下落。前年同月比は0.1%の下落となった。(3)食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は99.0となり、前月比は0.1%の下落。前年同月比は1.0%の下落となった。」となり、すべての総合指数が昨対マイナスとなり、依然として、デフレ傾向が続いているといえよう。

   実際、この結果を総務省が公開している折れ線グラフで見ると、(1)、(2)は、この数ケ月、昨年対比では若干プラスで推移していたが、この10月度は昨年を下回った。ただ、この数ケ月を除く、今年1月からの動向は、いずれも昨年を下回っており、全体としてはデフレ気味で今年は推移している。一方、(3)は、今年に入り、一度も昨年を上回ることなく、昨年を下回っており、デフレ傾向が鮮明である。(3)は食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数であり、生鮮食品、エネルギーのもととなる資源の相場などに影響されない物価指数であり、これが最も全体の傾向を表しているといえるが、今年に入って昨対マイナスが続いていることから、消費者物価指数はデフレが継続しているといえよう。

   そこで、その要因をまずは10大費目で見てみると、最も、デフレ傾向が鮮明なのは、家具・家事用品-5.8%(前月-6.0%)、教養娯楽-3.2%(前月-2.6%)、生鮮食品-2.0%(前月-4.6%)であり、この3部門の下落が大きい。一方、上昇したものもあり、光熱・水道4.2%(前月3.7%)、交通・通信1.4%(前月1.6%)である。

   まずは、下落した部門、家事・家具であるが、電気洗濯機(洗濯乾燥機)-44.3%、電気冷蔵庫-32.3%、電子レンジ-31.3%、電気掃除機-30.3%、電気洗濯機(全自動洗濯機)-22.4%、電気ポット-19.9%、ルームエアコン-18.7%、ガステーブル-11.7%、電気炊飯器-10.1%等が10%以上、下がった項目である。教養娯楽では、ビデオレコーダー-44.7%、パソコン(デスクトップ型)-42.4%、家庭用ゲーム機(携帯型)-40.2%、ビデオカメラ-39.9%、テレビ-29.2%、パソコン(ノート型)-26.7%、カメラ-23.2%、携帯オーディオプレーヤー-22.0%、ゴルフクラブ-20.0%、メモリーカード-17.8%、家庭用ゲーム機(据置型)-16.3%、電子辞書-12.6%等が10%以上下げた項目である。そして、生鮮食品であるが、いわし-22.1%、ねぎ-22.0%、レタス-19.1%、なし-16.5%、かき(果物)-15.5%、たまねぎ-13.9%、ながいも-12.7%、ピーマン-11.5%、じゃがいも-10.6%、にんじん-10.6%、グレープフルーツ-10.6%が10%以上、下げた項目である。

   次に上昇した部門であるが、光熱・水道では、灯油が14.0%と、10%を超えている。交通・通信では自動車保険料(自賠責)が12.1%と10%を超えているが、全体的に上昇気味であるが、10%を超える大きな上昇項目はこの2項目のみである。したがって、全体の物価が下がっている傾向が鮮明であり、この10月度も明らかにデフレ気味で推移しているといえよう。

   さて、食品スーパーマーケットと関係の深い食品であるが、先に生鮮食品について見たので、それ以外であるが、まずは、部門で見てゆくと、穀類0.0%、魚介類1.8%、肉類0.1%、乳卵類 -0.8%、野菜・海藻-3.1%、乾物・加工品類-1.2%、果物-8.3%、油脂・調味料-0.8%、菓子類-1.1%、調理食品1.0%、飲料-2.3%、酒類-3.3%という結果である。生鮮食品では、果物、野菜・海藻、が下がっているが、逆に魚介、肉類はむしろ上昇しており、青果部門の下落が生鮮食品全体を押し下げているといえる。ちなみに、外食は-0.1%であり、ほぼ、昨年なみの水準で物価が推移している。

   ついで、先に解説した生鮮食品を除き、食品の各項目の中で、10%以上変動のあったものを見てみると、果汁入り飲料-14.7%、酢-10.6%、炭酸飲料-10.0%の3項目のみが-10%以下であり、ぎょうざ13.4%、うなぎかば焼き12.0%の2項目が10%を超えた。したがって、生鮮食品以外は大きな変動はないといえる。ちなみに、10%までは変動していないが、気になる項目であるが、食用油-9.2%、マヨネーズ-7.4%、しょう油-3.9%、カレールウ-3.2%、ふりかけ-2.9%、ソース-2.8%等、調味料関連の項目が軒並み下がっている。これらはちらしにも良く掲載されることが多く、価格競争が厳しくなっているのではないかと思われる。

   このように、2011年10月度の消費者物価指数(CPI)は-0.2%の下落となり、依然としてデフレ傾向が続いているといえる。特に、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は今年に入り、一度もプラスに転じたことがなく、デフレ基調が継続しており、家具・家事用品、教養娯楽が厳しい状況にあるといえる。この10月度は、これに加え、生鮮食品、特に、果物、野菜・海藻が相場の影響により、下がったことが大きく、全体の消費者物価を押し下げたといえよう。今年も年末に近づきつつあるが、今期2011年度はデフレ基調が続くものといえよう。食品スーパーマーケット業界としては、当面、デフレ基調の中でのマーチャンダイジング政策をいかにうち出すかが課題といえ、今期前半の好調さとは対照的な後半となりそうである。

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