ID-POS分析セミナー、in東京、終了、来期は?
11/10、ID-POS分析セミナー、in東京が終了した。in福岡(10/28)、in大阪(10/21)に続く、今年度、最後のID-POS分析セミナーであり、これで、今期のID-POS分析に関するセミナーは終了である。これに先立つ、10/6にはin東京でメーカー向け、ブランド育成のID-POS分析セミナーも実施しており、ここへ来て、ID-POS分析の時代の到来が真近に迫っていることを強く感じる。特に、今回のID-POS分析セミナーでは、食品スーパーマーケットだけでなく、ドラックストアも対象としており、さらに、今後の戦略カード、プリペイドポイントカード、そして、ID-POS分析の大量のデータを支えるIT、クラウドについても取り上げた内容であり、多角度からID-POS分析の最前線の状況をお伝えすることができたと思う。
ID-POS分析を実践するには原則3つの技術が必要である。顧客識別、商品識別、そして、大量のデータ分析である。そして、これに加え、この大量のデータを分析する上においては、ID-POS分析の理論、さらには、理念も必須であるといえ、これらがあいまって、ID-POS分析が推進されてゆくことになる。今回のセミナーでは、商品識別以外は、網羅した内容であり、しかも、食品スーパーマーケットでのID-POS分析事例、ドラックストアでのID-POS分析事例も取り上げ、そのまま、食品スーパーマーケット、ドラックストアへのID-POS分析での支援が可能な体制ができあがっているといえ、実践的なセミナーとなった。
今回取り上げなかった商品識別についてであるが、現状の13桁のJANコードでも当面は問題ないが、将来を考えた場合は、世界的な趨勢がGS1データバーの新バーコードの方向に動いており、これを検討することが必要といえよう。恐らく数年以内には、この新バーコードをID-POS分析の新たな商品識別コードとして活用してゆく時代になると思われる。特に、食品スーパーマーケットの中核商品である生鮮食品や日配、ドラックストアの中核商品である医薬品には必須のバーコードとなるものといえる。今回のセミナーでは、この点については十分に触れることができなかったので、次回、すなわち、来年については、この商品識別についても、ID-POS分析セミナーの中で取り上げてゆきたい。
さて、in東京のセミナーの内容であるが、これまでの2回のin大阪、in福岡の内容を踏まえ、ID-POS分析とこれまでのPOS分析との違い、すなわち、ID-POS分析はこれまでのPOS分析を100%包み込み、さらに、これまで分析できなかった顧客1人1人の購入明細、そして、購入履歴が分析可能となることにより、売上げを商品面からではなく、顧客面から引き上げてゆくことができることに力点をおいて解説した。
ちなみに、ID-POS分析とこれまでのPOS分析とを比較すると、いくつかキーワードがある。顧客(商品)、還元(値引き)、マーケティング(マーチャンダイジング)、永遠(瞬間)、ID(レシート)、店舗(商品部)、顧客での検証(商品での検証)、IDリフト値(レシートリフト値)等、その違いは明確である。ただ、いずれもID-POS分析を理解すれば、これまでのPOS分析はすべて理解できるため、ID-POS分析の時代となった場合は、これまでのPOS分析を理解し、その後、ID-POS分析を理解するのではなく、はじめに、ID-POS分析を理解し、その後、これまでのPOS分析を理解する方が、ものごとの本質をつかめるといえる。数年後の小売業はID-POS分析が当たり前の分析となっていると思われ、その時の新入社員ははじめからID-POS分析から入ることになろう。
したがって、現状でも、ID-POS分析が可能な環境となった場合は、いち早く、ID-POS分析の世界を理解し、これまでのPOS分析で得られた検証結果、ノウハウ等をすべて、ID-POS分析の観点から洗い直すことが最初のアクションとなろう。ここに十分時間をかけるべきであるといえ、その中で、ID-POS分析特有の新たなノウハウを構築してゆくことが望ましいといえよう。
今回は、前回までのセミナーでは、事例として掲載できなかったIDのリフト値についても取り上げたが、レシートのリフト値と比較すると、全く正反対の結論が算出されており、改めて、IDのリフト値の必要性が鮮明になったといえる。本来リフト値もIDでのリフト値が先であり、その中で、レシートのリフト値を取り上げるべきであるが、一般にリフト値というと、レシートのみ、しかも、同時購買のみに焦点が当たり、そこで終わってしまうケースがほとんどであるが、リフト値もID-POS分析とこれまでのPOS分析の関係と同様、まずはIDのリフト値、そして、次がレシートのリフト値であり、in東京では事例をもって解説でき、新たなリフト値の活用方法を提示できたのではないかと思う。
このように、in東京は今年最後のID-POS分析セミナーであり、一連のセミナーのまとめの意味も含め、論点を絞り、できるだけわかりやすくID-POS分析の全体像を解説したつもりである。そこで、来年度であるが、来年度は、引き続き、セミナーも実施してゆく予定であるが、さらに、一歩、大きく踏み込み、食品スーパーマーケット、ドラックストアとメーカー、卸、双方がID-POS分析を実際に体験でき、さらに、実践できる場としての協働研究フォーラムが実現できればと思う。ID-POS分析の時代は、すぐそこまで来ているといえ、来年度はまさにID-POS分析の実践元年となろう。
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