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December 18, 2011

神戸物産、2011年10月期、本決算好調、増収増益!

   業務スーパーを全国にFCで展開する神戸物産の2011年10月期の本決算が12/15、公表された。結果は、売上高1,506.82億円(9.0%)、営業利益35.96億円(26.1%)、経常利益35.81億円(26.0%)、当期純利益17.54億円(85.0%)となり、売上高もさることながら、利益がいずれの段階でも大きく増加し、増収増益の好決算となった。この結果について、神戸物産は、「当社グループは食品メーカーとして安全・安心な商品を安定供給する為、「第6次産業『真』の製販一体」という目標のもと、原材料の調達からオリジナル商品の製造、店舗での販売に至るまでを一貫して行える組織体制の強化に取り組んでまいりました。」と、コメントしており、製販一体となった組織体制の強化が好業績に貢献したとのことである。また、一方で、3/11の東日本大震災後の復興需要等も好業績に貢献したといえよう。

   神戸物産の直近11月度現在の数字を見ると、売上高108.1%、営業利益126.3%であるので、ほぼ、2011年10月期の本決算の数字を維持しており、現時点でも好業績が継続しているといえ、業務スーパーは好調な数字といえよう。ただ、同じ、業務スーパーを展開しているトーホーのC&C事業、Aプライス96店舗の11月度の結果を見ると、売上高98.8%(既存店92.8%)という結果であり、神戸物産の数字が際立っているといえる。ちなみに、神戸物産は11月現在580店舗であり、内、578店舗がFCであり、直営はわずか2店舗である。したがって、ビジネスモデルは、小売業よりも、コンビニに近いといえ、決算構造も、コンビニとほぼ同じ内容である。

   さて、神戸物産の2011年10月度の本決算が好調に推移した要因を、特に大幅な増益となった営業利益の中身を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、93.79%(昨年94.19%)と0.40ポイント改善した。それにしても90%を超える原価率であるが、これがFC特有の原価構造であるといえる。食品スーパーマーケットでは、75%前後となるのが通常ではあるが、FCでは、いわゆるフランチャイズフィーを引いたものであるといえ、これだけ高い数字となる。したがって、売上総利益が本部に入るフランチャイズフィーの大部分であるといえ、結果、売上総利益は6.21%(昨年5.81%)となった。

   一方、経費の方であるが、3.82%(昨年3.74%)と0.08ポイント上昇した。ちなみみに、神戸物産の経費構造の中で最大のものは、通常の小売業と違い、人件費ではなく、運賃となる。今期は、この運賃が1.31%(昨年1.27%)と若干上昇しており、人件費は0.96%(昨年0.97%)と若干減少しており、この運賃に、その他の経費の上昇が経費全体を押し上げたといえる。結果、差し引き、営業利益は2.39%(昨年2.07%)と、原価の改善が寄与し、大きく増加した。

   こう見ると、神戸物産のビジネス構造はFCが主体であるがゆえに、原価の改善をいかにはかるかが、経費の改善よりもはるかに大きく、しかも、経費項目の中でも、原価改善にもかかわる運賃を同時に抑えるかが、利益改善の鍵を握っているといえよう。したがって、まさに製販一体となった製造だけでなく、物流センターを含めた、物流改善も原価改善にかかわるテーマであるといえ、投資戦略も店舗ではなく、この一連のプロセス、工場、物流センター、物流、いわゆるロジスティックスへの投資が課題といえよう。

   実際、気になるのは、これらの投資が多額に及び、しかも、その大半を有利子負債で賄っていることである。神戸物産の2011年10月期の自己資本比率は28.7%(昨年30.5%)であり、70%以上を負債に依存した財務構造である。その負債の主要項目は、有利子負債であり、総資産484.73億円の35.34%(171.31億円)を占める。ついで買掛金114.83億円であり、総資産の23.68%である。したがって、財務的には利益を生み出す源泉である製造、ロジスティックスへの今後の投資がかなり圧迫されているといえ、いかに、財務改善をはかるかが大きな課題といえよう。

   そこで、キャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは21.47億円(昨年38.23億円)と、意外にも減少している。これは、たな卸資産の増加が原因であり、今期はキャッシュの入りは好決算により増加したが、出の特に、たな卸資産の増加が大きく、キャッシュをここに充てたためである。そして、問題の投資活動によるキャッシュフローであるが、-49.21億円(昨年-18.35億円)と大幅に増加し、しかも、営業活動によるキャッシュフローを大きく、上回っている。したがって、財務活動によるキャッシュフローで補わざるをえず、44.78億円(昨年66.94億円)となり、この大部分を長期借入金で賄っている。本来であれば、好決算を財務改善につなげたいところであったと思われるが、キャッシュの流れはむしろ逆流であり、厳しい財務状況であるといえよう。

   このように、神戸物産の2011年10月期の本決算は、営業面ではFCの店舗数も増加し、増収となり、また、今期は原価改善も図ることができ、大幅な増益となった。ただ、財務面では、この好調な営業成果を活かしきれず、投資を長期借入金で賄っており、結果、自己資本比率が30%を下回るという結果となった。神戸物産としては、今後、このアンバラスをどう解消し、好調な営業面を財務改善につなげられるかが課題といえよう。来期、神戸物産がどのような財務戦略を打ち出すか、その決断に注目である。

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