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December 23, 2011

ダイイチ、2011年9月本決算、札幌戦略が課題!

   北海道、帯広、旭川を地盤とする食品スーパーマーケット、ダイイチの2011年9月期の本決算が11/4に公表された。本ブログでは2011年9月期決算企業については、PLANT、マミーマート、マルキョウをすでに取り上げたので、これで、9月期決算の上場企業は全部で4社であるので、最後となる。そのダイイチの2011年9月期の本決算の結果であるが、売上高298.88億円(2.3%)、営業利益7.17億円(13.3%)、経常利益6.55億円(14.3%)、当期純利益3.39億円(-14.2%)となり、当期純利益は資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う特別損失の計上、連結子会社の税金費用の発生などにより減益となったが、営業、経常段階では増収増益、特に、利益が大幅に増益となる好決算となった。

   ただ、気になるのは、自己資本比率であり、35.4%(昨年34.0%)と、昨年よりは改善したが、負債に大きく依存する財務構造であり、今後、いかに、財務基盤の安定化をはかるかが課題となろう。ダイイチは、現在、「帯広市を中心に11店舗、旭川市を中心に8店舗、札幌市に2店舗の合計21店舗」を展開しているが、それぞれの営業結果は、「地域別の売上高につきましては、帯広ブロックは145億3百万円(前年同期比2.0%増)、旭川ブロックは107億47百万円(同4.2%増)、札幌ブロックは46億25百万円(同1.0%減)となりました。」とのことで、札幌ブロックが課題となっている。

   今後、ダイイチとしては、来期、「札幌地区の基盤強化を目指し3店目となる「発寒中央駅前店」を開店いたします。同時に、他の既存店についても売上高の増加に全力を挙げ、企業の体質強化と業績の向上を進めてまいります。」とのことで、札幌ブロックに新規出店を計画している。財務に余裕があれば、他のブロックにも新規出店を計画したいところであろうが、現在の自己資本比率では、新規出店を絞らざるを得ず、札幌ブロックに照準を合わせたといえよう。実際、成長戦略については、「札幌地区においては、5店舗100億円の体制を早急に確立すべく努力いたします。新規出店はキャッシュ・フローと人材育成を重視し、1年に1~2店舗を安定的に出店する方針であります。」と、コメントしており、今後、札幌戦略が最優先で進められてゆくことになるとのことである。

   ダイイチはこのように堅実な新規出店を実施する一方、既存店の活性化にも、積極的に取り組んでおり、今期も、「当連結会計年度の重点目標である「帯広自衛隊前店および旭川花咲店の早期黒字化」に総力を挙げて取り組み、お客様からの高いご支持をいただき、自衛隊前店においては、売上高および経常利益ともに当初計画を大幅に上回りました。また、花咲店においては、次年度の黒字化が可能となりました。」とのことであり、これらの取り組みが、今期の増益をもたらした一因であるといえよう。

   その利益であるが、ダイイチの営業利益が大幅な増益となった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、76.78%(昨年76.95%)と0.17ポイント改善した。結果、売上総利益は23.22%(昨年23.05%)となった。一方、経費の方であるが、22.44%(昨年22.34%)と0.10ポイント上昇した。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は0.78%(昨年0.71%)となった。原価は改善したが、経費が上昇したため、マーチャンダイジング力の上昇はわずかとなったが、率で見ると109.85%であり、堅調な上昇率である。そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が1.62%(昨年1.47%)加わり、営業利益は2.40%(昨年2.18%)となり、増益となった。やや気になるのは、マーチャンダイジング力<その他営業収入であり、ダイイチとしては、さらに、原価、経費を改善し、マーチャンダイジング力の充実をはかりたいところであろう。

   ちなみに、食品スーパーマーケット、決算公開企業約50社のマーチャンダイジング力の平均は-0.3%であり、ほぼ半数の食品スーパーマーケットがマイナスであるので、ダイイチのマーチャンダイジング力は高い位置にある。また、その他営業収入の決算公開企業約50社の平均は2.57%であるので、食品スーパーマーケット業界全体がマーチャンダイジング力<その他収入という構図であり、マーチャンダイジング力>その他営業収入の企業は約10社ぐらいであり、いかに、マーチャンダイジング力をプラスにもってゆき、しかも、その他営業収入を上回ることが、いかに食品スーパーマーケットの経営にとって難しいことであるかがわかる。

   このようにダイイチの2011年9月期の本決算は、営業、経常段階では増収、増益となる好決算となったが、経費の上昇が見られ、原価の改善効果が薄れたため、課題を残す結果となったといえよう。また、自己資本比率が昨年よりは上昇したとはいえ、35.4%と、負債に大きく依存する財務構造であり、今後、課題の札幌ブロックでの新規出店を積極的に進めてゆく上でも、もう一段と、負債を圧縮し、自己資本比率を引き上げてゆきたいところであろう。来期、ダイイチがマーチャンダイジング力を強化し、財務の安定化をどのようにはかってゆくのか、その動向に注目である。

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December 23, 2011 |

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