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December 22, 2011

マルキョウ、2011年9月決算、自己資本比率77.5%!

   食品スーパーマーケット業界2月期、3月期の中間決算の公表が終わり、次の第3四半期決算の公表がはじまろうとしているが、9月期決算企業は11月、12月に決算発表がある。9月期決算の上場食品スーパーマーケットは、マミーマート、ダイイチ、PLANT、マルキョウの4社であるが、本ブログではPLANT、マミーマートについてはすでに取り上げたので、今回は、11/15に決算発表があったマルキョウについて取り上げたい。

   マルキョウは食品スーパーマーケット業界の中では屈指の自己資本比率の高さを誇る企業であり、今期77.5%(昨年75.8%)と、ヨークベニマルの79.9%につぐ高さであり、ほぼ限界に近い数字である。決算公開企業約50社の単純平均が40.8%であるので、70%を超える数字がいかに高いかがわかる。しかも、マルキョウは昨年の75.8%をさらに引き上げており、財務の安定化が経営戦略の最優先課題となっているといえよう。

   そこで、マルキョウの自己資本比率の高さの要因をP/L、キャッシュフロー、B/Sの財務3表から見てみたい。まずは、P/Lであるが、今期の結果は、売上高909.74億円(1.3%)、営業利益17.72億円(-1.4%)、経常利益19.47億円(1.4%)、当期純利益9.24億円(-22.1%)と、増収減益とやや厳しい決算であった。各食品スーパーマーケットの今期決算は、特に利益が好調であるが、マルキョウはやや苦戦しているといえよう。ただ、当期純利益は資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額が1.90億円発生したための数字であり、営業活動によるキャッシュフローは、この分が加わり、29.31億円(昨年28.62億円)と増加している。したがって、今期のキャッシュフローはやや厳しい決算結果ではあったが、キャッシュは増加しており、経営面ではプラスとなった。

   では、この増加したキャッシュをどう配分したかであるが、投資活動によるキャッシュフロー-17.94億円(昨年24.31億円)であり、ほぼ50%を投資に充てている。なお、昨年の数字がプラスになったのは、定期預金の払戻による収入が41.34億円(今年6.35億円)あったためであり、これを差し引くと、昨年も-17.03億円であり、ほぼ、昨年同様の投資への配分である。その投資の中身であるが、新規出店にかかわる有形固定資産の取得による支出は-6.19億円(昨年-7.04億円)であり、それほど大きい配分ではない。最も大きな配分は定期預金の預入による支出-19.35億円(昨年-11.35億円)であり、この項目が最大の投資項目である。これは投資というより、むしろ財務の安定化をはかる投資であるといえ、実質、純資産の増加へ寄与しているといえよう。

   そして、財務活動によるキャッシュフローであるが、-22.46億円(昨年-40.13億円)と、何と、この2年で60億円強の配分であり、しかも、有利子負債への配分が-20.04億円(昨年-37.04億円)と大半である。マルキョウが昨年、今年と財務の安定化に経営戦略をシフトしていることが鮮明である。結果、負債が削減され、純資産が増加し、自己資本比率が上昇したといえる。

   実際、B/Sの総資産は529.53億円(昨年532.10億円)と削減され、純資産は410.14億円(昨年403.38億円)と増加しており、自己資本比率の増加が理想的に改善している。この2年間のキャッシュの思い切った財務の安定化への配分の結果といえ、強い経営の意思が感じられる決算内容である。

   そのB/Sであるが、負債はわずか総資産の20%強にまで圧縮されており、有利子負債は21.37億円(昨年41.42億円)と半減、恐らく、来期は無借金経営になる可能性が極めて高く、自己資本比率も、さらに数%上昇し、ヨークベニマルを抜き、食品スーパーマーケット業界No.1となるのではないかと思われる。ちなみに、マルキョウの純資産の資本金は総資産の11.32%であり、決算公開企業約50社の平均が17.3%であるので、資本金が増加しての財務の安定化ではなく、利益剰余金が増加しており、いわゆる内部留保が年々増強してゆく形での自己資本比率の上昇である。

   一方、資産の方であるが、マルキョウの最大の特徴は新規出店関連の資産にあり、土地、建物、敷金保証金(その他)は、409.39億円、これは総資産の77.31%であり、1店舗当たり4.22億円(全97店舗)と、決算公開企業約50社の平均6.07億円の7掛け、資産を持たない新規出店を可能にしていることも大きいといえる。結果、自己資本比率で割った出店余力は0.19%とプラスであり、決算公開企業約50社の平均が-21.9%であるので、出店余力も十分といえる。

   このように、マルキョウの2011年9月期の本決算は増収減益とやや厳しい決算となったが、キャッシュフローは資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額が発生したことにより、実質プラスとなり、キャッシュは増加した。そして、その増加したキャッシュを有利子負債の削減に思い切って配分し、財務の安定化に経営戦略の優先度を置いたといえる。結果、自己資本比率が増加し、食品スーパーマーケット業界屈指の安定した財務基盤を確立した。恐らく、来期も同様に財務の安定化をはかり、無借金経営をめざし、結果、決算公開企業約50社のNo.1の自己資本比率を達成するのではないかと思われる。来期、マルキョウが、今期同様、財務基盤の確立を目指した経営戦略を打ち出すのか、注目である。

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