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December 31, 2011

消費者物価指数(CPI)、2011年11月、昨対-0.5%!

   12/28、総務省統計局から、2011年11月度の消費者物価指数(CPI)が公表された。消費者物価指数は相場等を加味し、3つの総合指数がある。それぞれの総合指数の結果であるが、(1)総合指数は平成22年を100として99.4、前月比は0.6%の下落、前年同月比は0.5%の下落、(2)生鮮食品を除く総合指数は99.6、前月比は0.3%の下落、前年同月比は0.2%の下落、(3)食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は98.7、前月比は0.4%の下落、前年同月比は1.1%の下落となった。すべての数字がマイナスであり、いわゆる時間軸でみた短期、長期、そして、平成22年度比、すべてがマイナスとなる厳しい結果となった。

   消費者物価指数は、数字だけでなく、グラフでも公表されているが、それを見ると、すべての総合指数が10月度で急降下しているのが鮮明である。グラフは、平成22年度との比較、平成23年度の1月度から、11月度までの推移が3つの総合指数で示されているが、3つのグラフとも、10月度から11月度にかけて、急降下し、しかも、平成22年度のグラフを下回っており、まさに、すべてがマイナスへ動いていることがわかる。ここまで、すべての指数がマイナスで一致することは珍しいといえ、次回、12月度、そして、平成24年、1月度以降、消費者物価指数が厳しい状況になることが予想されるといえ、消費環境は今後極めて、厳しい局面を迎えるのではないかと懸念される。

   そこで、この11月度、すべての消費者物価の総合指数がマイナスとなった要因を見てみたい。前年同月比、すなわち、昨対で見た時、大きくマイナスとなった項目は食料の中の生鮮食品-8.3%(寄与度-0.34)、家具・家事用品-6.1%(寄与度-0.21)、教養娯楽-4.1%(寄与度-0.46)の3つが顕著である。ただ、このような状況の中でも、プラスになった項目もある。光熱・水道4.9%(寄与度0.35)、交通・通信1.6%(寄与度0.22)等である。この2つの項目は特にプラスの顕著な項目であるが、これ以外は教育0.2%(寄与度0.01)、生鮮食品を除く食料0.2%(寄与度0.04)、被服及び履物0.0(寄与度0.00)のみであり、それ以外はすべて、マイナスであり、全体的にはマイナスへの力が強いといえる。

   では、さらに、その中身について見てみたい。生鮮食品-8.3%(寄与度-0.34)であるが、前年同月比では、魚介類0.9%、肉類-0.2%、野菜・海藻-10.2%、果物-5.1%であるので、野菜・海藻、果物が生鮮全体の消費者物価指数を押し下げていることがわかる。その具体的な項目は、野菜・海藻では、キャベツ-43.5%、ねぎ-30.8%、だいこん-28.4%、レタス-27.1%、はくさい-24.6%、ほうれんそう-17.9%、たまねぎ -17.8%、にんじん-16.0%、ブロッコリー-15.3%、きゅうり-13.9%、にがうり-13.7%、ながいも-13.4%、ピーマン-12.6%、じゃがいも-11.8%、トマト-11.2が-10%以下の野菜である。果物では、グレープフルーツ-16.7%、かき(果物)-14.7%、みかん-11.3%が-10%以下であり、これらが生鮮食品全体の消費者物価を大きく下げているといえる。

    次に、家具・家事用品-6.1%(寄与度-0.21)であるが、電子レンジ-31.2%、電気冷蔵庫-31.2%、電気洗濯機(洗濯乾燥機)-28.2%、電気掃除機 -23.6%、電気洗濯機(全自動洗濯機)-22.0%、ルームエアコン-16.1%、電気炊飯器-14.3%、電気ポット-11.3%が-10%以下であり、家電の落ち込みが大きいといえよう。そして、教養娯楽-4.1%(寄与度-0.46)であるが、家庭用ゲーム機(携帯型)-40.3%、パソコン(デスクトップ型)-38.0%、ビデオレコーダー-35.6%、ビデオカメラ-30.6%、テレビ-28.4%、パソコン(ノート型)-24.5%、カメラ-24.2%、携帯オーディオプレーヤー-22.5%、ゴルフクラブ-19.9%、家庭用ゲーム機(据置型)-16.0%が-10%以下である。それにしてもパソコン、テレビ等の下げ率は異常値であるといえ、これが全体の消費者物価を大きく押し下げている要因といえよう。

   ちなみに、プラスになった光熱・水道4.9%(寄与度0.35)、交通・通信1.6%(寄与度0.22)であるが、光熱・水道では、灯油+13.6%、都市ガス代+6.4%、電気代+5.9%であり、交通・通信では、自動車保険料(自賠責)+12.1%、ガソリン+7.7%、自動車タイヤ+6.1%、高速自動車国道料金+4.9%が大きくプラスとなったものである。この中で気になるのは、電気代がじわじわと上昇していることであり、これ以外にも、生活に直結する灯油、都市ガスも上昇している。

   このように、この2011年11月度の消費者物価指数は、すべての指標がマイナスとなる極めて、珍しい結果となり、ここへ来て、厳しい消費環境になったといえよう。特に、生鮮食品の野菜、果物、家具の家電関連、教養のパソコン、テレビ、カメラ等が全体を大きく押し下げているといえる。問題は今後、12月度、そして、来期であるが、この結果を見る限り、厳しい局面が予想される。食品スーパーマーケット業界としては、今後、デフレが進行する消費環境の中で、いかに、平均単価を改善するマーチャンダイジング戦略を打ち出せるか、そこが最大の経営課題となろう。各社、どのようなマーチャンダイジング戦略を打ち出すか、今後の動向に注目である。

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