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December 30, 2011

セブン&アイH、ネットスーパーに本腰!

   12/27の日経新聞に「ネットスーパー・通販事業、セブン&アイが拡大」、「100億円投じ専用物流拠点」という見出しの記事が掲載された。いよいよ、セブン&アイHがインターネット事業に本腰を入れて、取り組むとのことである。売上高の目標も、2014年度、5,000億円とのことであるので、現在、全体の売上高が約5兆円強であるので、ほぼ10%に当たり、事業の柱のひとつとして位置付けていることが伺える。しかも、来期、2012年度を目途に、100億円を投じ、埼玉県久喜市に、セブン&アイHとしては、はじめてのネット事業専用の物流センター、1万5000平方メートルを立ち上げるとのことである。

   恐らく、セブン&アイHとしては、投資額100億円の物流センターは、手始めといえ、今後、その数倍の投資を行い、生鮮食品、グロサリーを含め、食品の本格的な物流センターを首都圏の各拠点に構築してゆくのではないかと思う。実際、すでに、物流センターを立ち上げての、食品のネットスーパー事業に関しては住友商事がサミットと組み、本格的に展開している。その状況を見ると、総投資額は200億円を超え、首都圏36か所へ物流拠点を構築する計画であり、売上高目標は1,000億円強である。したがって、セブン&アイHが本格的に生鮮食品、グロサリーを含め、ネット事業に取り組むには、今回の100億円の投資、物流センター1ケ所では、到底、首都圏の全域をカバーできず、まさに、今回の日経新聞の記事は、手始め、将来へ向けての大きな一歩といえよう。

   現在、食品スーパーマーケットのネット事業は大きく2つに分かれている。店舗配送型か、物流センター配送型かである。先のサミットは典型的な物流センター配送型であり、現時点のセブン&アイHは店舗配送型であり、日本中の大半の食品スーパーマーケットは店舗配送型が主流である。これは、店舗配送型は投資額がほとんどかからず、インターネットでの受発注の仕組みを入れれば、比較的簡単に営業ができるため、多くの食品スーパーマーケットがここ数年、参入をはじめた新規事業である。

   課題としては、店舗が物流センターを兼ねるために、来店顧客とネットスーパーの顧客とのバランスをどうとるか、人員配置、配送をどうするかが課題となる。したがって、売上高には限界があり、店舗の売上高の10%から20%ぐらいまでが上限といえ、本格的な事業としての展開が難しいのが実態である。本格的なネット事業には、やはり、専用の物流センターが必須といえるが、そのためには100億円単位の投資額が必要となり、現時点では住友商事が主導してのサミットが、この分野では先行しているといえる。

   ただ、食品スーパーマーケットではないが、生協は古くから共同配送による、ある意味ネットビジネスをカタログを通じて展開しており、その主力商品は生鮮食品を中心とした食品全般を扱っており、この分野では先行していたといえる。したがって、すでに本格参入している住友商事、サミット連合に加え、セブン&アイHが本格参入の動きを示したことにより、首都圏は、生協を含め、ネットビジネスの激しい競争が数年後には繰り広げられることが必須である。恐らく、まだ、本格参入を表明していないイオングループ、ライフコーポーレーション、ローソン等と関係の深い三菱商事、ダイエー、東武ストア、相鉄ローゼン等と関係の深い丸紅等の本格参入もありうることであり、いずれも1,000億円単位のビジネス規模となるといえ、今回のセブン&アイHのネットビジネスへの本格参入は首都圏全体の食品スーパーマーケットのビジネス構造を大きく変える可能性があるといえよう。

   記事の中では、さらに興味深い内容がある。「ネット経由で消費者の購買動向などを即座に把握できるため、鈴木会長は「売れ筋商品を素早く店に並べられる」と指摘。」、「ネットと店舗の運営の融合が進むとみる。」というくだりである。さらに、続けて、「ネット上の販売状況を基に店舗の販売計画を立てられるようになり、売り逃しや廃棄などの「ロスも少なくできる」という。」とのことであり、ネット事業をリアル店舗の活性化にもつながると判断していることである。その意味でネット事業は食品スーパーマーケットにとって別事業ではなく、新たな需要を生み出し、既存の事業の活性化につながる事業であるといえ、まさに、融合がキーワードといえる。

   このように、セブン&アイHが12/27の日経新聞によれば、100億円を投じて、はじえめての物流センターをつくり、ネット事業に本格参入するとのことで、食品スーパーマーケット、特に首都圏においては、ネット事業との関係をどう構築するかが、大きな経営課題となったといえよう。数年後には、すでに、本格参入しているサミット、事実上、ネットビジネスを展開してきた生協、そして、セブン&アイH、イオン、各商社の参入も予想され、首都圏の食品スーパーマーケットは新たな経営環境の中での、経営戦略を練る必要があるといえ、今後、どのような方向を打ち出すか、その動向に注目である。

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