MD評価表からレポートを作成するポイント、その2!
前回はMD評価表から、マーチャンダイジングの評価レポートを作成する上においてのポイントを特に、MD評価表をどう読み解き、どこに着目し、どのような点に気を付けてレポートすれば良いかを解説した。そこで、今回は、MD評価表と現場との連動をどうはかり、その状況をどうレポートに組み込むかを解説してみたい。MD評価表のマーチャンダイジングの評価レポートの数字の解説に加え、現場の状況がこれに反映されれば、より、MD評価表の活用が全社的に広がり、本部、現場一体となった顧客の声に基づいたマーチャンダイジングの改善が促進されよう。
鶏が先か、卵が先か、MD評価表はよく議論の対象となる。すなわち、MD評価表を見てから、現場を見るか、現場を見てからMD評価表を見るかである。理想的には双方が一致することであるので、どちらからでも良いといえるが、現場は当然、現場優先、本部は現場ほど現場に触れる機会がないので、MD評価表優先となろう。したがって、双方がMD評価表を通じてコミュニケーションをはかることで、双方の認識が一致し、本部、現場の一体化が生れるといえ、その意味では、MD評価表からマーチャンダイジングレポートを本部が作成し、現場の声を反映させることが、レポートを全社的に活用する上においては重要なポイントといえよう。
では、どのように、現場の声をレポートに反映させるかであるが、まずは、前回、解説したように、本部が数字を限界まで解明することである。ここが第1ステップとなろう。そして、その結果、現時点の全社として共有すべき象徴的なマーチャンダイジング改善の課題となる商品、店舗を特定することが第2ステップである。そして、可能であれば、その商品、店舗へ出向いてゆき、現場の写真、動画をとり、担当者になぜ、このようなマーチャンダイジングを実践しているのかを確認することが第3ステップである。もちろん、現場から写メールを送ってもらっても良い。
その際、課題となる商品、店舗であるが、第1優先は全社の数字を大きく改善する可能性の高い商品、店舗を選定することである。そして、第2優先は、正反対、全社の数字に大きな影響を与える可能性の高い商品、店舗を選定することである。この2つが優先課題であるといえ、後は、その次に課題となるもの、短期的に解決可能なもの、中長期的に解決可能なものなどを選定すると良い。そして、必ず、その商品、店舗の写真、動画、場合によっては図などのイメージをレポートに加えることがポイントである。できれば、現場のコメントも欲しいところだ。
現場のコメントに関しては、共通の言語として、MD評価表を前提に会話をすることがポイントである。MD評価表は本部、現場の共通の言語、顧客の声を反映したものであるので、ただ、現場の声を拾うのではなく、なぜ、金額PI値が変化したか、その要因がPI値にある場合は、PI値がアップした具体的なアクション、平均単価がアップした場合も、その要因を、現場とともに、確認することである。そして、そこから、全社がすぐに取り組める要素を引出し、これをレポートに写真、動画、そして、MD評価表とともに、簡潔にまとめることがポイントである。
では、どのような頻度でレポートを作成するかであるが、大きくは2つに分かれよう。ひとつは週別の速報、戦術的なレポートである。そして、もうひとつは、月別のまとめ、戦略レポートである。その違いであるが、週別の戦術レポートは、即時に業績アップ、課題改善が可能なものが望ましく、金額PI値の高い商品を中心に取り組むと良い。また、レポート枚数も、写真も含め、できれば1枚か2枚に集約したいところだ。これに対して、月別の戦略レポートは、週別のまとめと同時に、可能な限り、金額PI値の低いものまで目を配りたいところだ。また、昨年同月との比較も加えられればなお良い。レポート枚数も4、5枚から7、8枚ぐらいまで欲しいところだ。さらに、写真もベストショットに加え、課題ショットも加えると、内容が充実することになろう。
したがって、年間12ケ月、52週であるので、週別は年間52回の速報、戦術レポートを1回につき、1、2枚発信し、月別は12回、週別のまとめ+アルファとしての戦略レポートを1回につき数枚発信し、本部と現場の一体化をはかり、MD評価表を媒介にし、顧客の声にもとづいたマーチャンダイジングの改善を図ってゆきたいところだ。
このように、2回に渡って、MD評価表からレポートを作成するポイントについて解説したが、MD評価表は現場で日々発生している商品と顧客との接点を数値化した数表であり、まさに、顧客の声にもとづいたマーチャンダイジングの評価表である。現場は現場の情報しか触れる機会がないのが実態といえ、全店の情報が即座に集まる本部が週別の戦術レポート、月別の戦略レポートを可能な限り、現場の声を取りいれ作成し、発信することがポイントである。そうすることにより、本部も現場を理解し、現場も全店舗の中で自らの位置をつかみ、双方が顧客の声に立脚したマーチャンダイジングを実践してゆくことが可能となろう。
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