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December 20, 2011

これまでのPOS分析とID-POS分析の役割分担!

   12/19の日経MJに、「自動発注の導入加速、食品スーパー」、「東武ストア、小型店に生活用品向け」、「いなげや、数年以内、EDLP全店に」という記事が掲載された。食品スーパーマーケットが自動発注への取り組みを強化しはじめたという内容であり、今後、食品スーパーマーケット業界へ急速に広がってゆくことになろう。この自動発注にはPOS分析が不可欠であり、POS分析は、今後、この自動発注をはじめ、いわゆる、食品スーパーマーケットの基幹業務、SCM(サプライチェーンマネジネント)の方へより活用が進んでゆくことになろう。したがって、ここ最近、食品スーパーマーケット、メーカー、卸で関心の高いID-POS分析はマーチャンダイジング、販売促進、個店対応へと、役割分担が分かれて行くことになると思われる。

   一般に、自動発注の仕組みの根幹はPOSデータが鍵を握っている。自動発注に必須の安全在庫の算出にはPOS分析が前提となるからである。自動発注は安全在庫の水準を在庫量が切った時点で自動に発注がかかる仕組みであるので、その安全在庫の基準設定にPOSデータが活用される。実際のPOSデータの活用は、基準在庫量、そして、標準偏差等を用いて安全在庫量が決定され、その安全在庫量を切った時点で自動発注がかかることになる。したがって、自動発注の対象商品のPOS分析にもとづいた、需要予測、基準在庫の設定、安全在庫の設定は一連の流れであり、ここにPOS分析が必要不可欠の仕組みとなる。

   当然、その延長上には、同じ商品でも店舗ごとに売上げが違う場合もあるので、店舗ごと、商品ごとに需要予測、基準在庫、安全在庫が異なり、必然的に店舗別の品揃え、店舗別の棚割へと発展してゆくことになる。さらに、店舗数が増えると、在庫の確保、物流センターとの連動、メーカー、卸との連携が必要となり、自然、SCMへとつながってゆく。その意味で、自動発注は、POSデータを活用しての仕組みのひとつではあるが、その延長線上には自動棚割、物流センター、メーカー、卸との連携、すなわち、SCMにつながるテーマがあるといえる。

   ちなみに、この日経MJの東武ストア、いなげやの記事の内容であるが、東武ストアは、「2012年2月期から、売場面積1000平方メートル前後の小型店を対象に衣料品と生活用品の2分野で自動発注システムの導入を始めた。基準在庫量を下回ると、自動的に商品を発注する仕組み。」とのことである。一方、いなげやは、「現在、EDLP(エブリデー・ロー・プライス=毎日安売り)業態の「いなげや、ina(いーな)21」の10店舗に導入しているが、これを数年以内にいーなの全27店舗に拡大する方針。いーなでは特売をしないため、需要予測が立てやすい。冷凍食品を中心に販売の波が小さい商品群が対象。」とのことである。

   このような動きは、今後、食品スーパーマーケットの小型店では必須の仕組みとなってゆくことになるといえよう。すでに、マルエツの小型食品スーパーマーケット、マルエツプチでは加工食品に自動発注が導入されており、イオングループのすでに首都圏で200店舗を超えた「まいばすけっと」も自動発注を取り入れている。いずれもPOS分析をもとにした発注点管理による自動発注であり、POS分析が不可欠なシステムとなっている。

   では、ここ最近、食品スーパーマーケット、メーカー、卸の関心の高いID-POS分析は、今後、どのような役割を担ってゆくことになるかであるが、ID-POS分析は食品スーパーマーケットの全顧客の約70%前後の販売データであるので、全顧客の販売データではない。その意味で、食品スーパーマーケットの基幹業務と連携させるには無理のあるデータである。ただ、顧客1人1人の全購入履歴を把握できるので、商品の販売動向を顧客面から捉え直すことができ、商品ごとの顧客構造の変化と商品どうしの関係、つながりを顧客面から分析することが可能となる。さらに、これまでのPOS分析は理論的にも、ノウハウとしてもすべて包み込むことができ、新たなマーチャンダイジングのノウハウの開発も可能である。

   したがって、ID-POS分析はこれまでのPOS分析で取り組まれたマーチャンダイジング関連、特に、販売促進にかかわる分析、ノウハウ等を吸収し、新たなマーチャンダイジング戦略を創ってゆく役割を担うことになろう。しかも、ID-POS分析は、顧客の購入履歴に立脚したPOS分析であることから、これまでの本部中心のPOS分析から、店舗に基点をおいたID-POS分析へと転換が進み、文字通り、本部が店舗の個店対応を全面支援する組織改革にもつながってゆくことになろう。

   このように、今回取り上げた自動発注は、これまでのPOS分析を用いて構築する食品スーパーマーケットの基幹業務の一環であり、SCMへとつながってゆくことになる仕組みといえる。これまでのPOS分析は、今後、ますます、食品スーパーマーケットの基幹業務の根幹に位置づけられることになると思われるが、一方で、ID-POS分析は、これまでのPOS分析が担ってきたマーチャンダイジング、特に、販売促進、個店対応の仕組みづくり等への置き換え、活用、新たなノウハウづくり、そして、組織改革へと、その活用がなされてゆくことになろう。来年度は、その意味で、ID-POS分析の食品スーパーマーケットでの役割が、より明確になり、一層高まることになろう。

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