ライフコーポレーション、2012年第3四半期、増収増益!
ライフコーポレーションが、1/11、2012年2月期、第3四半期決算を公表した。結果は、営業収益3,719.61億円(4.2%)、営業利益75.88億円(12.3%)、経常利益74.38億円(13.8%)、当期純利益33.31億円(-6.6%)と、営業、経常段階では増収増益、特に、利益が2桁増となる好決算となった。当期純利益に関しては、資産除去債務の過年度分6.99億円や大震災に伴う損失2.56億円を特別損失として計上したことにより、減益となったが、営業活動によるキャッシュフローは、137.99億円(昨年-54.05億円)と、昨年が仕入債務の増減額(-は減少)が、決済日の関係上もあり、-128.97億円発生したことにより、大幅な増額となった。
そこで、この大幅に増額した営業活動により獲得したキャッシュを、ライフコーポレーションがどのように配分したかを見てみたい。まずは、投資活動によるキャッシュフローであるが、-90.54億円(昨年-103.24億円)と、昨年と比べ、やや減少しているが、営業活動によるキャッシュフローの65.61%であり、大半を配分しているといえる。その中身であるが、新規出店関連への投資である有形固定資産の取得による支出、および、差入保証金の差入による支出の合計が-89.94億円(昨年-97.02億円)であり、投資活動によるキャッシュフローのほぼすべてといえる。したがって、成長戦略を重視したキャッシュの配分といえよう。
そして、財務活動によるキャッシュフローであるが、-70.28億円(昨年79.94億円)と、昨年と一転、プラスからマイナスへと転じた。その中身は有利子負債であり、昨年は借入、今期は返済であり、財務改善にも、キャッシュを配分している。ただ、投資活動によるキャッシュフローと財務活動によるキャッシュフローを足すと、-160.82億円となり、営業活動によるキャッシュフロー137.99億円を超えるため、内部留保も取り崩しての配分であり、やや厳しいやりくりである。
こう見ると、成長戦略を重視したキャッシュの配分ではあるが、同時に、有利子負債を返済し、財務の安定化も図っており、内部留保を取り崩すことにはなったが、攻めと守りを同時に押ししすすめたキャッシュの配分といえよう。結果、自己資本比率は、28.8%(昨年28.3%)と、若干改善されたとはいえ、依然として、厳しい状況にあり、ライフコーポレーションとしては、財務改善にさらにキャッシュを割きたいところであろう。ちなみに、ライフコーポレーションの有利子負債は昨年531.66億円(前期本決算時595.82億円)と、前期の本決算時よりは削減しているが、総資産1,691.20億円の31.43%であり、今後、成長戦略を推し進めるためにも、もう一段と財務改善を図りたいところであろう。
実際、ライフコーポレーションが今期重視している成長戦略であるが、「3月に久宝寺駅前店(大阪府)、4月に土佐堀店(大阪府)・奥戸街道店(東京都)、5月に大崎ニューシティ店(東京都)、7月に大淀中店(大阪府)、9月に吉川栄町店(埼玉県)・春日野道店(兵庫県)、10月に弁天町店(大阪府)、11月に葛飾白鳥店(東京都)・あびこ店(大阪府)の10店舗を出店いたしました。」とのことで、積極的な新店開発である。直近の新店は12/14のライフ二条駅前店であり、その結果、首都圏97店舗、近畿圏126店舗の合計223店舗となった。したがって、この新店を入れ、11店舗は全体の4.93%に当たり、ほぼ営業収益4.2%増と一致し、すべてが年間分寄与しているわけではないが、新店=成長戦略といえ、キャッシュフローで見たとおり、今期は、成長戦略重視の経営戦略といえよう。
さて、次に、ライフコーポレーションが大幅な増益となった要因を、原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが73.38%(昨年73.84%)となり、-0.46ポイント改善し、結果、売上総利益は26.62%(昨年26.16%)となった。これに対して、経費の方であるが、27.57%(昨年27.17%)と、0.40ポイント上昇した。したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.95%(昨年-1.01%)と、依然としてマイナスではあるが、0.06ポイント改善した。そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.06%(昨年2.97%)加わり、結果、営業利益は2.11%(昨年1.96%)となり、増益となった。比率を取ると107.65%であるが、売上高が104.07%増と増収となったため、営業利益は112.34%と2桁の増益となり、好決算となった。
このようにライフコーポレーションの2012年2月期の第3四半期決算は、増収増益、特に、利益が営業、経常段階では2桁の好決算となったが、その要因は売上高が増収となったことに加え、経費の上昇を原価の削減とその他営業収入の増加により、カバーしての増益である。ライフコーポレーションとしては、今後、いかに、経費の削減をはかるかが課題といえよう。そして、これを受けての今後に向けての経営戦略であるが、キャッシュフローを見る限り、攻め重視を鮮明にしており、今後、積極的な成長戦略を打ち出すのではないかと思われる。ただ、自己資本比率は依然として28.8%と約70%強を負債に依存している状況であり、成長戦略を軌道に乗せるためにも、財務改善も大きな課題といえよう。今期、そして、来期に向けて、ライフコーポレーションが、この点をどうバランスをとって進めてゆくのか、その経営戦略に注目である。
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